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猫になった魔女(掌編小説)

あるところに魔女がいた。魔女は日課で猫に変身していた。
ある日猫に変身して町中を探検していると、誰かに捕まえられた。
そのままペットショップに押し込められた魔女(猫バージョン)は、必死に狭いプラスチックの窓をカリカリ引っ掻いた。
それにお構いなくその人は言う。
「生きのいい猫だよぉ!1匹たったの340円!血統も完璧!毛は自分で剥いてね〜」
魔女は思った。このお店はとてつもなくやばいことをしているらしい。

遂に魔女は行動を起こした。
メリメリメリバリバリメリメリメリ…

急激に魔女の姿に戻った魔女は、そのおにいさんの首を引っ掴んでこう言った。
「おまえさん願いを叶えたくないかね?」
「ふぇ?は…はい……」
「よしじゃあついてくるがよい」

おにいさんは首根っこを掴まれながら警察に連れて行かれた。

「ほら、おまえさんの願いが叶うところだよ。」
だが魔女は怖くなったので、猫になり、お兄さんを残して駆けていった。