「ぼかし」これができれば世界が変わる
こんにちは。
「ぼかしが苦手」「ぼかしが上手くなりたい」という方におすすめの
内容ですので、最後まで読んでくだされば幸いです。
「ぼかし」は予め塗った色の境目を、水を含ませた筆で撫でて、
ぼんやりとさせる技法ですが、これがスムーズできれば、
制作で苦労することが格段に減ることでしょう。
では早速 ぼかしのポイントやコツ、注意点などについて
お話したいと思います。
◇ルールを守れば成功する
ぼかしにも、これだけは守ってくほしいとうルールがあります。
それは下記の５つです。
１，ぼかしに向ている筆を選ぶ
２，ぼかしに向いている水彩紙を選ぶ
３，最初に塗る色の量を多めにする
４，筆を寝せ気味にしてぼかす
５，適格な水加減でぼかす
以上のルールを確実に守ってくだされば、多分成功するでしょう。
もし上手くできない場合はこのいずれかが守られていないことになります。では詳しく見ていきましょう。
１、ぼかしに向ている筆を選ぶ
ぼかしをする時の筆は２種類用意する必要があります。
一つは「色を塗るための筆」、もう一つは「ぼかしをするための筆」です。
色を塗るための筆はある程度の水含みの良さが必要ですが、ぼかす筆は
毛に弾力があり、水含みがあまり良くない方が向いています。
「水含みが少ないって、どういうこと？」と疑問に思われるかも
知れませんが、その理由をお話します。
水含みが良いと ぼかしを行う際に筆の水が画面に流れ込み、
水ムラを作ってしまう可能性があります。
このような問題を避けるために、ぼかし作業には
「水含みの少ない筆」を選ぶことが重要です。
つまり「色を塗る用の筆」と「ぼかす用の筆」は水
含みに関しては正反対であると言えます。
また水含みに加え、毛に弾力があること
も重要な要素です。
この２つ条件に当てはまる筆毛は
アクリル（化繊）の筆です。
アクリル筆は天然毛の筆よりも水含みが少なく、
また弾力性において非常に優れています。
アクリル筆以外ではアクリルと天然の混合毛がおすすめです。
例えばアクリルと山羊毛との混合の筆は弾力もそこそこあり
水含みも適度です。
以上のことから、僕は下の３本の筆をぼかし用として愛用しています。
僕がぼかしをする時に最も使う筆。アクリル製なのでとても弾力があり、どんなぼかしの動作にも対応してくれます。更に筆の幅が２センチほどと大きいので、毛が色で汚れることはまずありません。更に筆先が四角いため、その角っこを使えば細かい箇所も容易にぼかすことができます。
通常の四角い平筆とは異なり、丸みがあり、そのため筆の跡が付きにくいという特徴があります。毛はアクリルと羊毛が混合されており、弾力と適度な水含み（水を過剰に含みません）を実現しています。さらに、最も特徴的な点は毛と毛の間に微細な隙間が存在し、これにより色が筆の内部に過度に溜まることがなくなります。その結果、ぼかす際に絵の具が過度に引きずられることがありません。ぼかした部分は色が残らず、美しいグラデーションになってくれます。
主な毛は山羊の毛で出来ていますが、先端にイタチの毛を混ぜており、山羊毛だけでは足りない程よい弾力を生み出しています。先端のイタチ毛は色をよく溶かし、力を入れなくても容易ぼかすことができます。また筆の根本が太いため、画面に安定した水量を供給することができます。
さらに丸筆にありがちな筆の色汚れがあまりありません。
２，ぼかしに向いている水彩紙を選ぶ
上手にぼかしができる紙の最大の条件は、
水の吸い込みが程良いことです。
水の吸い込みが程良い紙は、コットン製の水彩紙
に多く見られます。
コットン水彩紙は、木材パルプよりも繊維が長く、断面の形状が複雑です。
これにより、水を吸収しやすく、絵の具だけが紙表明にキレイに残るという
特性があります。そのため、ムラや筆跡のない美しいぼかしを作ることができます。
僕の所感ですが、美しいぼかしができる水彩紙は下の５銘柄です。
今まで木材パルプの紙で苦労していた方は、是非試してみてください。
ウォーターフォード（ブロック）
アルシュ細目
アヴァロン
ラングトン・プレステージ、
ハーネミューレ・セザンヌ
※紙の詳細はこちらのページをご覧ください。
「水彩紙レビュー：個性と使い方について」
いづれの紙もムラのない滑らかなぼかしをつくることができます。
きっとあなたのテクニックを最大限に生かしてくれることでしょう。
３，最初に塗る色はたっぷりと塗る
ぼかしをする際に予め色を塗りますが、たっぷりと塗ることが大切です。
たっぷりと塗る理由は、ぼかしをしている間 色が乾かないようにするため
です。では、たっぷりとは具体的にどの位の量でしょう。
たっぷりの目安は、塗った時に色が表面張力でわずかに膨らむぐらいです⇩
４，筆を寝せ気味にしてぼかす
ぼかす筆の最大のポイントは筆を寝かせ気味にすることです。
筆を寝せ気味にする理由は明確です。
下の図をご覧ください。
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