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#068くだらないものの歴史?!

  ここ数年で、特に年をとって来たからか、自分が過去に接してきたものの歴史についても知ろうという気になってきており、例えば自分が作ったプラモデルの歴史や食べたものの歴史についても少し調べています。今回はその中でも飲食物について触れていきたいと思います。半分くらいは与太話、思い出話であると思って読んでいただければと思います。

 高度経済成長期に少年期を過ごした筆者は、社会の進歩とともにそれこそ身の回りのものがどんどん進化していく様を見て来た訳です。とはいえ、当時は子どもだったので、それほど意識していないモノの進歩、発展を改めて確認してみると、すごい速度でいろいろなものが変化していることが改めて思い知らされます。

 まずは缶ジュースについて。子どもの頃は自動販売機で100円で購入出来ていた缶ジュースは、110円、120円と値段が上がって行き、飲み物の容器は缶よりもペットボトルが主流になってきています。また飲み口も当初はイージーオープンからプルトップ式になり、現在はステイオンタブになっています。下記のサイトにその変遷がよくまとめられており、判りやすいのでご参照ください。

 時代の変遷によって、それこそ著者の中学生頃には、ウーロン茶が缶売りされはじめ、お茶を買うなんて、という感覚であったのが、見る見るうちにそれが普通になっていく様を見てきました。

 ロングセラーの商品では缶のデザインの変遷も面白いです。個人的にはファンタのデザインの変遷など、非常に懐かしく思います。また、味の面でも、1990年代に発売されたファンタの「トロピカルパンチ」などはもう一度飲んでみたいですし、「維力(ウィリー)」などは当時驚くほど変な味に感じましたが、ひょっとしたら今飲んでみるとそれほどでもないと思うのかも知れませんね。

 上記に挙げた缶のデザインなどは、下記リンクの書籍、『日本懐かしジュース大全』に写真が掲載されていますので、ご興味のある方はご覧ください。


 アイスクリームも変遷が甚だしい商品です。近年でも、コンビニ販売の物は、インスタントラーメンなどと並んで、新製品の登場が甚だしく、2週間に1度くらいで入れ替わるようです。

 著者が子どもの頃は、カップアイスが1つ50円で購入できましたが、みるみるうちに100円以上になっていきました。かき氷系のものではプラカップの合わせ蓋が現在も継続して使われていますが、クリーム系のものでは、現在はハーゲンダッツのカップのような紙の容器の合わせ蓋のものやロッテの「爽」のように蓋を剥がして開けるものなどが主流かと思いますが、以前は丸い紙蓋を紙の容器内に落とし込むタイプの蓋が主流で、蓋には開封のための引っ張るための出っ張りが1か所あるという蓋が主流でした。

 著者の子どもの頃の衝撃作のアイスとしては、「宝石箱」が挙げられます。当時のアイスとしては、50円などが主流の時代に120円だったため非常に高価な印象が残ります。また、果物の香料による香りと味が付いた色付きの氷を用いることで、宝石をイメージした氷をアイス内に含ませるということをしていました。当時の記憶では、ドライフルーツが入っていたと思い込んでいたのですが…記憶とは曖昧なものですね。あと、記憶に残っている物としては、カネボウ(現・クラシエ)の「BOB」という棒つきアイスです。こちらはプラスチックの棒にアイスが付いているのですが、その棒が竹トンボになっており、食べた後でも遊ぶことが出来るという代物でした。

 これらについても下記リンク書籍、『日本懐かしアイス大全』に写真が掲載されています。


 インスタントラーメンもさまざまな変遷があります。安藤百福が日清「チキンラーメン」を作って以降、鍋で作るスープ別添タイプ、カップ麺、ノンフライめん、生めんタイプなどと進化してきました。安価なインスタントだったはずの商品に、明星食品が「中華三昧」という高級路線商品を投入する、あるいは大塚食品は忙しい人向けにさらに時短な商品として待ち時間のない「アルキメンデス」というあんかけかた焼きそば形式の商品を投入するなど、著者も味や形式などで恐竜的進化を目の当たりにしてきました。生めんタイプの日清「ラ王」や「ごんぶと」なんかは結構好きだったのですが、「ごんぶと」は生産終了し、「ラ王」はノンフライめんの全く別物になってしまったのは悲しい限りです。

 これらについても、下記リンクの書籍、『日本懐かし即席めん大全』でパッケージの変遷などが楽しめます。

 以上のようなものを、著者はついコンビニやスーパーなどで見たことがない商品を見るとつい買ってしまいます。先も述べたように、商品入れ替えのサイクルが早くなり、見たその時に買っておかないと二度とその味が楽しめないということを思うと、大量消費社会の進展を恨めしくも思いますし、逆にいつも目新しいものに出会う機会が用意されているというチャンスが与えられているとも評価できます。

 食べることが好きなもので、ついこういうものにも目配せをしてしまいますが、食べ物の利点として、口にすることで、味わうという一時的な体験を伴いますので、食べたことがある人とない人で語れることが大きく異なるということがあるかと思います。実体験を伴う歴史の語りというのは、非常に大きな魅力と言えるでしょうし、また現在では先に挙げたような書籍も発刊されているので、色々とそれらの商品の変遷などの歴史を見て楽しむことも出来る訳です。特に研究には関わりない分野ですが、非常にくだらない庶民史とでもいえる分野をしばらくはひそかな楽しみとして、口にし、また本でも楽しんでいきたいと思います。

 なお、各書籍については、以前にも紹介しているものもありますので、詳細は「食品関係の書籍、いろいろ(2)」に譲ります。


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