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忘却の彼方から〜本はダンボールに入れてはならない。

 ボクが主宰する『メルマ旬報』で細田マサシくんが連載していた『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社)が昨年、出版された、550頁2段組の10年がかりの大作だ。
 沢村忠で格闘界の、五木ひろしで芸能界の2刀流で天下を取ったプロモーター野口修の評伝だが、前半の読みどころは、その父、野口進が現役ボクサー兼右翼テロリストである驚きの経歴が披露される。

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  是非、読んでいただきたいのだが、この本のなかで登場する安部譲二が実に良い役回りで登場する。
 安部譲二本人も、現役暴力団員、兼現役ボクサー、兼現役ボクシングプロモーターをつとめていた経歴のあるひとだからだ。
暴力団を引退して作家に転向『塀の中の懲りない面々』がベストセラーになりテレビでも活躍され、一昨年亡くなられた。

 これを読んでから、無性に雑誌「SPA!」の創刊号からしばらく連載されていた安部譲二の評伝を読み返したいと思った。単行本化はされていない。

確か切り抜いてまで読んでいた記憶がある。しかしタイトルと筆者は忘却の彼方だ。今、noteで連載している『命懸けの虚構〜聞書・百瀬博教一代』主人公、百瀬博教さんとも暴力団員時代に因縁がある。

 そこでTwitterであの連載を読んでいた方に何度か呼びかけていたが反響は0だった。何時か国会図書館か大宅文庫にいって確認しようと思っていた。

しかし、本日1月12日、ボクの借りているレンタルボックスの中で発見したのは、この連載の切り抜きファイルだった。一回目から最終回まで綺麗に完全にファイルしていた!!このことを全て忘れている!!!

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と、同時に浜田幸一ファイルが3冊出てきた、このひとも百瀬伝の登場人物として随分と資料を集めていた。が、この存在も完全に忘却の彼方だった。

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 結論を言えば、本や資料はダンボールのなかに入れてはならない。
忘却の彼方に消えていく。

 昨年『メルマ旬報』から生まれた『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社)、エムカクさんの『明石屋さんまヒストリー』(新潮社)の大著2作は、ボクの10年以上寝かし続けた原稿を目覚めさせた。
 そのタイミングで忘却の彼方の資料も偶然のように集結してくる。

それは「今こそ、書け!」という天からの声なのだろう。

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