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A methodological review of research on theantecedents and consequences of workplaceharassment

Abstract

 職場のハラスメントはantecedents and consequencesについてよく研究されているが、ハラスメントの原因と効果の理解にインパクトを与えるために様々な批判がなされている。本研究では、ハラスメント研究の方法論の問題を明らかにするために、224のピアレビュー研究 (1987-2012)を対象に、職場のハラスメントに関するantecedents, consequences, processについて系統的に分析を行った。
 縦断的かつ実験的デザイン、被験者内計画、ハラスメントの目撃者と加害者の視点、グループ・組織と個人レベルの分析、ダイナミックなハラスメントのプロセスに関する研究が求められる。

Introduction

  • ハラスメントの研究は難しいが最大12%の従業員がハラスメントにさらされうる

  • ハラスメントは、harassment, workplace bullying, incivility, victimization, socia underminig, abusive supervisionなどで表現されるため、同じantecedentsとconsequencesを含む研究を幅広く収集できる

  • 近年の研究により、ハラスメントが心身の健康及び職務満足感に悪影響を及ぼすだけではなく、被害者となる個人の特徴 (性別、怒りの傾向、ポジション、感情性)、組織の状況 (ストレスの多い仕事環境、役割葛藤、役割のあいまいさ、仕事の統制感欠如) を見出してきた

  • しかし質の高い研究がなくメタ分析を行えないためにハラスメントのリスクファクターや予防に資する情報を得られない問題がある

  • したがって、本研究では信頼性・妥当性を含む現在の研究の動向と課題を指摘して将来の研究の方向性を示すためのシステマティックレビューを行う

Method

sampling

検索方法、キーワードは割愛、ただし該当文献のリファレンスからスノーボール法によりさらに文献抽出
包含基準:英語論文、ピアレビュー、実践研究、次の4点にフォーカスしている①職場ハラスメントのantecedents、②職場ハラスメントのconsequences、③双方、④職場いじめのプロセス

coding

構成概念妥当性、内的妥当性、外敵妥当性、統計学的妥当性

Results

  • ハラスメントの研究は増加

  • メインはJournal of Applied Psychology, Journal of Occupational Health Psychology, Work & Stress, Aggressive Behavior

上記が基本的な研究課題

  • 研究内容は職場いじめworkplace bullyingが最も多い

  • 西欧ではmobbingが一般的でスカンジナビア半島ではbullyingとharassmentが用いられている

  • アメリカは多様

  • リサーチがメインでわずかにインタビューがある

  • 日記による研究は一件 (確かに日記による研究は意味があるかもしれない)

  • 定量化の方法は、行動のチェックリスト形式が最も多い

  • 定義のないシングルアイテムが次に多い

  • 期間指定は過去1年、過去半年、指定なしの順に多い

ほとんどがクロスセクショナルの相関分析

  • サンプリングは、random (36.2%) で、大半がnon-probabiity sampling methodによるもの

  • 最も懸念されるのは対象者のコメントがないものが多かった

ほかの懸念事項として、ハラスメントの加害者がだれかの記載がほとんどない

分析はプロセス研究が少ない (プロセス研究とはなにかわからない)

階層モデルの採用率が1割

Discussion (気になったもののみ)

behavioral checklist 

  • Negative acts questionnaire (Einarsen et al., 2009)

  • Generalized workpace harassment questionnaire (Rospenda & Richman, 2004)

  • Leymann Inventory of Psychological Terrorization (Leymann, 1989)

  • 問題はエスティメーションの質にある

Perpetratorの記載

  • ハラスメントに関する理論が異なる可能性がある

  • perpetrator/witness/targetの視点を加えることでハラスメントの構造を明確にできる (とても難しいが)

Time Frame

  • 過去の想起はバイアスリスクがある

  • 時系列を負うことができない

因果の検証

cross sectional designでは、antecedents のファクターがconsequenceである可能性があるため、複数のタイムポイントによる測定と検証が必要

Reference

  1. Annabelle, M. N. & Mitchelle, R. T. (2014). A methodological review of research on the antecedents and consequences of workpace harassment. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 87, 225-257.(for this note)

  2. Einarsen, S., Hoel, H., & Notelaers, G. (2009). Measuring exposure to bullying and harassment at work: Validity, factor structure and psychometric properties of the Negative Acts Questionnaire-Revised. , Work & Stress 23 , 24–44. (harassment behavioral checklist)

  3. Hershcovis, M. S. et al. (2007). Predictiong workplace aggression: a meta-analysis. Journal of Applied Psychology, 92, 228-238. (meta-analysis on antecedents of harassment)

  4. Leymann, H. (1989). Leymann inventory of psychological terrorization: Development, validation and results. Stockholm, Sweden: Violen. (harassment behavioral checklist)

  5. Rospenda, K. M., & Richman, J. A. (2004). The factor structure of Generalized Workplace Harassment, 19, 221 238. (harassment behavioral checklist)

所感

日本の研究が組み込まれてないが実はハラスメント大国なのでは
同種のcross-sectional designだけでは質を高められないという指摘だった
あまり意味はなかったがいくつかの研究に目を通す必要がある
ただし、parpetratorによる理論的な差に関する指摘は意味がある

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