2022年2月に読んだ本
1.ない本、あります/能登崇
送られてきた画像を使って「ない本」を作る。表紙・タイトル・著者・出版社・物語…すべてが虚構。
表紙から物語まですべてのクオリティが高くて本当に存在しそう。作者の想像力がすごい。小説のプロローグをずっと読んでいるような、SFの短編集をずっと読んでいるような、そんな感じの内容だった。星新一さんのショートショートが好きな人はぜひ読んで欲しい。
28編の中で特に面白かったのは『傾いた惑星』と『第七夏季の男』という話。
2.ねこのセーター/及川賢治・竹内繭子
主人公の猫はとてもテンションが低い。なまけるのが大好きで、おぎょうぎが悪くて、どんぐりに帽子をかふませるのが仕事。そんな猫さんの話。
いいな、どんぐりに帽子をかぶせる仕事。私もそれしたい。主人公の猫さんは3つほど帽子をかぶせたところで飽きていた。かわいい。
寝る時は着ていたセーターを床に脱ぎ捨てて、裸で寝るのもかわいい。
3.わたしを空腹にしないほうがいい/くどうれいん
盛岡の歌人・くどうれいんさんの食をめぐる記録。日記という枠をぴょんっと飛び越えて、過去と現在を行き来しながら自由に綴られている。
くどうさんは2つめの悩みを抱えた途端、何も食べられなくなったらしい。私もいま仕事もプライベートも最悪な状態。とりあえず次の地獄に備えて美味いもの食べて慎ましく生きる。
そういえばこの前適当に作った天津飯が美味しくできて嬉しかったな。些細なことに幸せ感じるタイプで良かった。
4.うたうおばけ/くどうれいん
くどうれいんさんの個性的な友人が登場するエッセイ集。あとがきの言葉に共感した。
私も毎日日記を書いたり、ブログをやったりと、些細なことを書き留める人だから。しばらく経ってから読み返すのが面白い。このエッセイ集で好きだったのは、暗号でしか告白できないスズキくんの話。
エッセイを読んで、くどうれいんさんは生きるのに全力な人なんだなって思った。私もそうなりたい。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?