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読んだ本|4-5月
ここ最近読んだ本の感想です。
1週間に1冊のペースだね。
▫️作家と酒
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ほろ酔い、泥酔、二日酔い。
作家と酒をめぐる44編。
表紙からして最高な本だ。
お酒を飲みながら文字を書く人が多いようで。
文豪たちの飲みっぷりはすごい。
やっぱり昔の人たちのエネルギーって桁違いだ。
お酒を飲むことが主なコミュニケーションだったんだな。
そういえば、星新一さんがある人のエピソードに出てきて嬉しかった。
酔ってブラックジョークをかます描写があって、さすがというか予想通りで笑った。
私はお酒が好きです。でも強いわけではありません。
お酒の失敗は各所で各様に演じてきたので、潰れるタイミングも掴めてきました。
しかしタイミングをうまく避けられるかどうかは別の話。
とりあえず店から駅まで走れるパワーは残して飲むようにします。
お酒を飲める自分の健康状態に感謝。
▫️東京タワー
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年上の女性と不倫をしている男子大学生の透と耕二。
対極的な恋愛をするふたりの恋愛物語。
この本を読むのは2度目。
江國さんの恋愛ものはさっぱりしていて好き。
変に燃え上がったり、ドロドロしていないのが良い。
特に透と詩史はお互いに判断力を失わないように自制しながら関係を続けていて、大人だなと思った。
満たされている人がする不倫って毅然としている。
江國さんはある本のあとがきで、「好きになった相手が結婚しているというのは、自分がその相手に会うのがちょっと遅かったというだけで、何ら悪いことではない」と綴っていた。
そんな江國さんの本を小学生から読んできた私は恋愛観が拗れている気がする。
今の夫と大学で出会ってから数年間はまともな感性に矯正されたけれど、色々あって今は再び拗れている。
どうしようもない。
▫️コンビニ人間
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コンビニでのバイト歴18年の古倉恵子。
「普通」が何かわからない恵子にとって、マニュアルに沿って働くコンビニ店員は天職だった。
ある日、店の新入りとして白羽という男がやってきて、そこから恵子の生活に変化が訪れる。
やっとこの本を読んだ。
約8年前、バイト先の本屋でこの本をたくさん売っていたことを思い出した。
若者の貧困を訴える本かと思っていたのだけれど、読んでみると社会に馴染めない人、生き難さを抱えた人がテーマだということに気がついた。
主人公の恵子は近親者も含め、他者と親密な関係を持ちたいという感情がない。
他人が良いこと、悪いことをしていても何とも思わない。
すべてのことに対して無関心。
(シゾイドパーソナリティ障害なのかな?)
ひたすらコンビニで働き続けるだけの恵子を家族は心配し、友人たちは奇異な目で見る。
恵子は周りの人たちの反応が理解できない。
新入りの白羽という男は典型的なミソジニー。非モテであり女性たちに虐げられてきたことと、自分の人生がうまくいっていないことを切り離して考えられない。
このふたりが出会い、お互いの為にある決断をするのだけれど、最後は何ともいえない結末だった。
ハッピーエンドよりのバッドエンド。
主人公の『無』という個性が、コンビニという個性を求められない場所で輝くのが皮肉だ。
いまは生き方が多様化してきて、就職や結婚が当たり前ではなくなってきた。
だけどこの物語を多様性という言葉で語るのはしっくりこなくて、どこにも属せず追いやられた人たちの話だとわたしは思った。
▫️転職ばっかりうまくなる
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20代で6回の転職。現在はフリーランスとして働く著者のドタバタ転職体験記。
帯に『圧倒的成長をしたくない人へのすゝめ』と書いてあるのをみて、最近は意識低い系の人に向けた本が増えたなと感じた。
転職がテーマとなっている本書は単なる成長物語ではなく、得ては失って、失っては得てを繰り返す物語だった。
転職しまくっている著者は本の中で「キャリアが積み上がらなくても、収入が減っても、辞めたくなったら辞める。これが転職においてのわたしの譲れないポイントである。」と語っている。
正直、わたしには理解し難い考え方ではある。
今はいろんな働き方や稼ぎ方があるからひとつの会社に勤め続ける必要はないのかもしれないけれど、本当にそれで大丈夫なのかと思ってしまう。
キャリアアップや自分の夢を叶えるため、またはやりたい事を見つけるための転職なら納得だが、“辞めたくなったから辞める”では彷徨っているだけだし、だんだん堕落していくのでは。
この本を読みながら自分が転職に対して保守的だと気がついた。
転職しなくてもやっていける、恵まれた職場に配属されたからでしょうか。
この本には共感した部分もある。
「仕事を選ぶ上でいちばん大事だと感じたのは、『自分がみじめにならないかどうか』だと気づいたからである」という文章。
これは間違いない。
私も胸を張って働ける大人になりたい。
以上です。
なんだか江國さんの本を読み漁りたくなってきた。
ではでは。
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