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エシカルでミニマリストの母のかつての幸せの象徴 

母は私が小学生から中学生の始め頃まで少しずつロイヤルコペンハーゲンの皿やティーカップを集めていた。私には価値が分からなかったので「お母さんはこういう物が好きなのか」とあまり気に留めていなかった。

母は私が中学の頃、今の母の再婚相手と出会い、私たち姉妹に「お母さん、あなた達が大人になったらお父さんと離婚するからね」と予告していた。

父と家庭内別居、別居を経て私の成人の歳に父と正式に離婚した。

ロイヤルコペンハーゲンのお皿は父の住む実家に置いて家を出た。

母は今、ミニマリストでエシカルな人生を送っている。こう書くと世の中の最先端をいく人のように聞こえるかもしれないが、母の夫と必要最低限の物で暮らしていると言えばわかるだろうか。

母が父と別居していた年齢に私もなった。当時の母の苦悩も少しわかるようになった。

母はロイヤルコペンハーゲンが欲しかったのではなかったのだろう。

幸せが欠けた生活の中で母の中の幸せの象徴であるそれを集めることで自分を保っていたのだと思う。

そう思うのは今現在の母親のほうが幸せそうに暮らしているからだ。娘としては複雑な心情だが母が幸せそうで何よりだと思う。

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