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はじめての駅蕎麦《翠曜日》vol.14

初!駅そば
びっくり、3秒で出てきたよそば。比喩かと思った?ほんとに3秒だよありゃ。食券機と食堂は情報共有がされているみたいで、おつりを受け取っている頃には半分完成してたし、財布をカバンにしまう頃にはおぼんに載せられてた。
あまりにも待ち時間がなくて、やや動揺しながらそばを受け取った。
初めて入る場所ってそわそわするもんで、ウォーターサーバーに気付かず素通りして席につき、あとになって「水飲みたい」って思った時には、今更入口付近に戻ってわざわざ取りにも行けず、水筒の水を飲む。
広くはないが狭くもない店舗の、割と奥まったところにおひとり様席を確保した。荷物がデカすぎて背中にも足下にも置けないから、店内は空いてるし…と思って角側の隣の席に置かせてもらった。人が目まぐるしくそばを啜り、急ぎ足で返却口へ向かい、254番の方出来上がりました〜!とおばさんが叫ぶ。そばを受け取ったばかりの人が私の後ろを通り、席を探している。途端に、1席分埋めた荷物が気になって、とてつもなく申し訳なくなるんだけど、自分のなかの横柄な自分が「もっと堂々と生きろ!席は全然空いてる!」とエールをおくる。だから堂々とそばを啜った。でもやっぱりちょっと気になって、気持ち早く店を出た。15分くらいの滞在時間だったけど、早い人は5分も居ない気がする。あの空間に学生は私だけ。時間の無い大人たちの仲間入りをした。楽しい経験だった。
2個隣に座った若いサラリーマンが、ちょこっと手を合わせていただきますをしたのを、目の端に捉えた。そーゆー人が好きだな、と思った。

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