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一億年後について《翠曜日》vol.34

超長期天気予報によれば
我が一億年後の誕生日 曇り
穂村弘


想像もしたことがなかった
一億年後
そうか
一億二十一歳の誕生日は
曇りか

私が死んだあとも
できれば世界は続いてて欲しいし
全て塵になって
文明が一からやり直しになるような何かが起こった時
それを知りたい

一億年後の生物が
全く違う視点で文明を築いたとして
何かしらの言語は誕生すると思うし
何かしら道具は作り出すと思うんだよね

安直な発想なのかしら、人間の辿った道はそれ以外なかったというような
愚かな考えでしょうか

誰がやるかいつ起こるか、どの順番でどのように…
ディテールは違えど
生きとし生けるもの、
生きるために戦うし
死ぬことで体系を繋いでいくことには変わりない

うm

ちっぽけだあ世界

ため息が出るほどのどうでもいいことに
人間は全員悩んでいるというのに。
ため息どころではない状況も同時多発だけれど
人間は人間に悩まされているというのに。

救いを求めて
時代を作ったり時代に飲まれたりして

誰もが自分の人生の主人公とか言って
誰も世界の主人公ではない
群れた蟻より
もっと惨め


人類の祈りは全て
神様の迷惑メールのフォルダに届く
宇野なずき


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