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デザインの感想はプロに、アドバイスは素人に聞いてはいけない

デザイナーはUIなどのデザインを行った際に周りの開発メンバーや他のチームの人に意見を求めることがあると思います。

ユーザビリティテストやヒューリスティック評価をしっかり行うと時間やお金といったコストがかかるため、こうした気軽に周りの意見を聞いてすぐに反映させる手法は私もよく行います。

では実際にその意見をどこまで鵜呑みにして良いのか考えたことはありますか?

経験が浅いと全ての意見に耳を傾けがちですし、逆にプロ意識が高すぎると自分に都合の悪い意見は無視してしまうのが人間の特性です。

あらかじめ参考になる意見の傾向を把握しておくと、本当に参考になる意見を見極めるのに役立ちます。

プロの感想は聞くな

感想というのはそのデザインが良かった・好き・凄いといった意見のことを指します。

UIデザイナーのプロは常にUIのことを考えているためUIについて精通しているのは間違いありません。

ですが逆に一般のユーザーとはリテラシーや感覚のズレが大きくかけ離れているため、それが一般ユーザーに受けるかどうかの参考には全くなりません。

逆にこうした感想はデザインに対して素人の人に聞く方が良いのですが、その理由はもちろん素人の感想はまさに大衆の意見の1つだからです。

ただし感想は本人を目の前にするとその人が望む回答をしてあげたいというバイアスがかかるためその点は留意しておきましょう。

素人のアドバイスは聞くな

素人の方はよくアドバイスをしたがります。例えばここはこうした方がいいよ。もっとこうだったら使いたくなるのに。

ですが彼らはUIデザインのプロではありません。そうした意見は殆どが受け売りであり、例えそれがAppleやGoogleで採用されているUIであったとしてもそれがどういった意図でそのデザインになったのかという理由まで掘り下げて理解していません。

現状のデザインの全体像を考慮せずになんとなく良さそうに見えるデザインを、全て採用していくと一貫性がなくちぐはぐなものが出来上がります。

素人の方のアドバイスは「参考にさせて頂きます」と気持ちだけありがたく頂戴し、聞き流すようにしましょう。

特に「こうならきっと使う」「こうならもっと嬉しい」など想像による意見はほぼ無価値と考えて問題ありません。

例えばマクドナルドでは顧客にどういった商品を求めているのか意見を集めると、多くの人が健康的で野菜の多い商品と答えました。ですが実際商品化すると全く売れず、そんな商品はマクドナルドに求めていなかったというのは有名なお話です。

なお素人の方の意見で参考になるのは好き嫌いや、使い方がわからないなどの好感度や事実に基づいた意見です。

素人の方の意見は大衆の意見そのものなので好感度については参考になります。また想像ではなく事実は何より重要なので大切にしてください。

逆にこうした意見はプロの場合は参考にならないことが殆どです。

前者はすでに説明していますが、後者についてはUIについてリテラシーが高すぎるため少しばかり使いづらくてもデザイナーの意図を組んで使いこなす事が出来てしまいます。

なおこうしたユーザビリティに関する部分の事実確認については同じ開発メンバーの場合は、仕様を理解していることから参考にならない事が多いため開発メンバーではない人の意見を参考にしてください。

まとめ

UIデザインに対する専門的な知識がどの程度あるかを基準に参考になりうる意見の傾向を予め把握しておきましょう。

うまく周りの意見を取り入れ、最適なデザインにブラッシュアップできる可能性がきっと高まります。

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