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知っておきたい上場するための主幹事証券会社の選定プロセス

Findy社長室長の河島です。弊社は上場を目指している会社になります。
そのため代表山田さんと私は、よく証券会社に会っているため、社員から何を話しているの?って質問を受けます。  

スタートアップで働く方にとって、知っておいて損はない話なので、主幹事証券会社を選ぶプロセスについて、社内に発信している内容をこちらでも紹介したいと思います。

なお、本編は、証券会社出身者が書いているわけではないこと、教科書的な内容というよりは、スタートアップの中で働いている事業会社からの視点になります。また、知らないヒト向けのNoteになります。

上場プロセスについて


・株式上場とは、自分の会社の株式が誰でも、自由に買えるようになること
・株式上場は、IPO(Initial Public Offering)または単に上場と呼ばれる

上場についてなぜするかをもっと理解したい ⇒

上場すること・事業価値を上げるということ

・上場するためには、証券取引所というところで、本当にこの株式を誰でも買っていい状態にしていいか(=流通させていいのか)、審査を受け、オッケーをもらってはじめて実現される
・この審査を受けるまでのプロセスを上場プロセスといい、大体早くて2.5 - 3年程度かかる(詳しいプロセスは、PlaidのNoteが参考になります)
・日本には、約400万社もの会社が存在すると言われており、そのうちいずれかの日本の市場に上場している会社は約3,800社弱程度しかいない

証券会社は何をするのか


・誰でも安心して株を買えるようにするため、販売できる体制を整えないといけない
・具体的には、新しい株式をプロの投資家(機関投資家)及び一般投資家(みなさん)が買えるようにしないといけない。
→そのために、複数の証券会社の関与が必要になる

・主幹事証券会社は、上場準備を手伝い、証券取引所への申請を手伝い、最終的に株式を引き受けて、発行体(上場する会社)に代わって、投資家に販売する取りまとめをする主導的な役割を果たす証券会社のことを言う

どんな証券会社が良いのか

・まず、誰にとっても良い証券会社はない。また、結局は担当者との相性によるので、どこの会社が良いと言うよりは、結局はヒト。
・一般的な話だが、投資家に対して強い販売力及び上場実績を持っている大手は、野村、大和、三菱UFJ、SMBC日興、みずほ、SBIなど。
・昨今証券会社からしても、上場申請する会社が増えておりリソースが逼迫しているので、一定成長しており、上場の可能性がないと、話すら聞いてくれない状況

タイムスケジュール


・上場は早くて上場したいと考えている期から2年前(n - 2期)中に選ぶことが一般的。
・つまり、今年がn-2であれば、今年に主幹事証券を決めて、2023年末に上場するというがよくあるスケジュール

どうやって選ぶ


・発行体の代わりに株式を売ってくれる大事なパートナーの選定
→つまり、弊社で考えると、Findyという会社自体の営業代行。

そのため、以下を重視(前提として、販売力が強い証券会社の中から選ぶ)
①Findyの事業の理解力
②Findyをどうやって売り出していくか成長ストーリーを描ける力
③上場に向かっての体制づくりのためのサポート力(公開引き受けチーム)

一番コミットしてくれる!と感じた”ヒト”で決める

ビューコン

・2021年が、2年後に上場を目指すn-2であれば、その期の上期が終わるまでに主幹事証券を選択するのが通常
・主幹事証券を決定するにあたり、各社の提案プレゼンテーションを受けるが、これをビューティーコンテスト、略してビューコンと言う
・ビューコンには2-3ヶ月かかる。証券会社が自社を理解し、エクイティストーリー(投資家に説明するための事業の中長期戦略)を提案するために、何度も議論を重ねて、彼らが良いプレゼンをできるようにしっかり情報交換する

証券会社はどんな点を見ているか


将来投資家が気にする3つの視点に合致しているか、を証券会社は主に見ていると感じた

1 発行体の強み
・業界の先行者としての強みがあるか
・上場を通して、どのように事業展開し、顧客・ユーザーを囲い込み、独立したポジションを築けるか
・マーケットリーダーになりうるか

2 マーケットの強み
・既にあるマーケットか、新しいマーケットか
・業界の外部環境はどうか(伸びている or 伸びそうなマーケットか)
・TAM(Total Addressable Market、つまりは想定される市場の規模)

3 将来の成長ポテンシャル
・ニーズが拡大していくマーケットである場合、その発行体のサービスが、マーケット拡大に必要不可欠な存在になりうるか
・どういうValue chainで、どうそのサービスがカバーすることで、新しい収益源の発掘ができるようになるか
・グローバルの可能性

コーポレートの役割

・上場は、コーポレート中心にだが、全社で取り組むプロジェクトである
・どういう過程で上場に向かって準備を進めていくかは、発信や勉強会で定期共有ししていくことで、全社の理解度合いをあげていく
・上場は、ゴールではなく、事業拡大に向けた新たな章明けのスタートになることを周知し続ける

事業が急成長する不安定なフェーズに参画いただき、一緒に組織を作っていくので、上場プロセスについても、事業側にきちんと理解していただくことで、winwinな関係を作れるといいですねー!

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