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監査法人〜事業会社転職〜海外駐在〜スタートアップ参画の転職遍歴と、これからのキャリアの積み上げ方

はじめに

先日、武蔵野大学の会計ガバナンス学科の学生に、私自身の経歴を紹介しながら、変化の激しい時代でのこれからのキャリアの積み上げ方について、私の考えを紹介する場を設けさせていただきました。

初Note投稿にもなりますので、自己紹介含め講演した内容についてこちらに残したいと思います。
本文では、転職を過度に進めるものではなく、あくまで転職は自分の市場価値を高める一つの手段であること、また終身雇用を否定するものではありません。

経歴紹介

・大学時代に公認会計士の資格を取得後、2008年12月にあずさ監査法人に入所。不動産領域の監査やIFRSの導入支援・IPO経理支援など担当。
・2016年4月にリクルートに入社し、グローバル経理として海外の買収案件に携わる。
・2017年8月にIndeedに異動、アメリカ駐在し、Corporate Development として買収案件・買収後のPMI業務を3年程担当し、2020年8月に帰任。リクルートホールディングスに異動し、資本市場戦略・インベスターリレーションズを担当。
・2021年4月に、ファインディ株式会社に入社し、社長室として経営企画・中長期事業戦略など全社戦略業務に従事し、IPOに向けた準備・資金調達など幅広く急成長する組織づくりを遂行中。

監査法人から事業会社。海外での勤務。スタートアップへの参画など、ポジションや環境を変えながら、色々チャレンジし続けているところです。

監査法人から事業会社への転職

大学時代に経済学部を選考してたこともあり、希少性=価値という考えをとても重視していました。そのため、学生中に会計士資格を取ると希少性の高い人材になれるのではないかという安易な気持ちで目指しました。サークル活動も続けながら、2年半集中して勉強しました。勉強法・集中する方法などかなり模索しながら取り組んでいたので、どこかで紹介したいと思います。

その当時はグローバル思考はなかったのですが、監査法人で勤務する中で、グローバルに目を向けないと、事業としても個人としても取り残されることを強く感じて、そこから3−4年掛けて毎日1時間ほど英語を学んでいました。今も英語を学び続けています。

希少性=価値、を追う中で、当時の監査法人にて新設のアドバイザリー部門の人員募集公募を見て、会計コンサルの道に進みました。IFRS(国際会計基準)導入支援、IPO支援等行う中で、どこかで社外のアドバイザーのような立場でしか関われないことにもどかしさを感じる瞬間もありました。「あなたはここまで」と線を引かれているような気がして、当事者として深く入り込めないことに悔しさを感じていました。「やっぱり事業会社で経験を積まないとだめだ」「事業会社の一員として自分の力を試してみたい」と強く思い、リクルートに転職することを決めました。
グローバル思考もあったので、グローバルな仕組みがまだ整っていなく、中途でも活躍できる面白そうな会社、ということでリクルートを選びました。

事業会社〜海外での挑戦

周りが会計士だらけだった環境から、リクルートへの転職。皆バックグラウンドが違く、会計士であるだけでは事業会社では価値ではないため、とにかく認められないとだめだ、舐めれてはいけないと思い、各部署とのコミュニケーションを必要以上に行い、認知してもらい、どんな相談でも乗るスタイルで、自身のプレゼンスを発揮しようと前に出続けていました。
海外出張も多い中で英語が全然通じなく、相手の言っていることがわからなく苦しみましたが、とにかく身振りでもリレーションを構築することに注力し、事前準備をしっかりすることでカバーしていました。

事業ファーストのリクルートの文化は、とても気持ちがよく、会計云々の前に事業成長のため、と今まで以上に意識することができ、毎日刺激を受けていました。

海外駐在の機会も幸運に掴み取れ、アメリカで3年間、Indeedに駐在し、HRテクノロジー事業部における企業買収プロセス・PMIなど自身の経験を活かしながら、Corporate Developmentチームで、Native English Speakerに囲まれ、様々な人種の方と仕事をしてきました。

もともと投資経験があるわけではないので、事業理解・M&A理解・英語という3重苦で、いつ帰らされるかとビクビクしながら過ごしていましたが、なんとか3年間生き抜くことができました。おかげで慣れないプロジェクトでも、新しい環境下でも、驚かないようになったので、本当にリクルートには感謝しています。

スタートアップへの参画

監査法人時代に経験した「事業会社で働きたい」「英語を使ってグローバルに働きたい」という想いから、日本発の企業で世界で勝負しようとしているリクルートへの転職を決めました。
リクルート・Indeedを通して、買収・海外経験・事業を大きく成長させる企業の一員として、5年間尽力しました。
その経験から、今度は自分が経営の意思決定に関わりたい、自分の経験を生かして、事業成長を巻き起こし、会社の良さを外部に伝えて、事業をより進化させたいという思いが強くなりました。また、スタートアップで働いている友達が楽しそうだったこと、リクルートにいることで大企業だからスタートアップとは違うと一線を引かれている感じを受けたことがあり、また「悔しい」と感じてました。

会計士としてのスキルや、リクルート・Indeedでの経験を活かしながら、ファインディでの仕事を通じて「事業の価値を向上させる攻めのコーポレートとは何か」という問いへの自分なりの答えを見つけていきたいと思っています。これがスタートアップに行くことを決めた理由です。今は、事業オペレーション、自社採用、経営企画、証券会社対応と、事業を伸ばすことに必要なことはなんでもやるつもりで毎日奔走しています。

振り返り

希少性という自分自身のユニークネスを追求する。プロフェッショナルファームから事業会社、違う国でも同じ価値で評価されるかを意識していました。

私の考えにはなりますが、場所や国を変えて、給料が下がるようでは、その場所でしか通用しないスキルセットになっていることになるので、そうならないよう、とにかく自分のできることを増やし、周囲との差別化を意識して自分の市場価値を高めるためのキャリアを作ってきました。

これからのキャリアの積み上げ方

計画された偶発性理論という考え方が、個人的に好きです。
・変化の激しい時代、あえて明確なゴールを定めず、現在に焦点をおく。
・行動・努力した結果が、面白い偶然を呼び起こす。
・動き続けると起こる何かを楽しみ、波に乗る

個人の価値がより重要視される時代になってきており、企業に守ってもらう・育ててもらう終身雇用の考えは変わりつつあります。(終身雇用を否定しているわけではなく、また完全にはなくならないとは思っています)

テニス上手くなりたいなら、質の高い練習をし続け、より上手い人と試合する。(私はテニス上手くないけど)
筋トレなら、ちゃんと考えたメニューで、食事もケアして、どこの部位を鍛えるか計算して、トレーニングし続ける。
仕事も、英語の勉強も同じで、より自分のキャリアを積み上げていくためには、正しく努力し続けることが求められます。

仕事への向き合い方で参考になる考え方

色々な人や本から影響を受けていますが、最近の自分の考えに当てはまるこちらの3つを紹介しました。

1. 生き方(稲盛和夫著)
この本では、人生成功の方程式として、「考え方 x 熱意 x 能力」が紹介されてます。
能力は、学び続けて長く育っていくものです。
考え方も先天的なところもありますが、自分より視座の高い人と話す・本を読むなどして、こちらも長く変えていくものです。

熱意は、瞬間風速です。

今どれだけ自分がやっていることに本気でコミットできるか、これで成長度合いが圧倒的に変わります。
そのため、熱意高くできることをやることはとても大事です。

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2. どことでも誰とでも働ける(尾原和啓著)
個人としてどれくらい価値があるかに焦点を置いていることを紹介している本です。

自分が企業で働いていたとしても、その企業で働く個人事業主というつもりで、自分というサービス商品を提供する。その会社・仕事を変えたら、自分の価値は上がるのか、を常に意識し続ける。

私も、監査法人にいたときから、事業会社に行ったら、同じレベルで給料をもらえないとするなら、自分の価値が足りていないことになるので、どうすればより市場から評価されるか、とか、海外行ったら、同じレベルで評価されるか、など常に意識してました。
自分の成長ベクトルを会社の成長ベクトルと合わせられると、相互ハッピーなので、そういう環境で働くことが大事だと考えています。今は自分の組織をそういう成長ができる環境だと思ってもらえるよう尽力してます。

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3. 転職 2.0(村上臣著)
自由にキャリアも働き方も選べる時代になってきたという点で、尾原さんの本に通じるところがあります。

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自己の市場価値最大化というところにフォーカスしており、自分のタグを増やしていくといった具体論まで及んでいるのがこの本のポイントです。
私自身も振り返ると、これらのタグを一つずつ積み上げており、自分が価値発揮できることを増やしていました。今までの経験がシナジーとして結びついていることを感じていて、それを楽しんでいます。

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個人が自分でキャリアを組み立てる時代になった昨今、自分の働き方に合わせながら、自由に自分のやりたいことを選択すればいい。企業に正社員である必要はなく、フリーランスという働き方だったり、自分で起業する、自営業など、働き方も様々です。ただ持続的な自由を手に入れるためには、戦略的に自分の力を着けていく必要があると思います。

オンライン講演を終えて

一部の学生が頻繁に質問してくれたので、やりやすかったです。顔見えない人たちに話続けるって大変だと感じました。やはり講演するならオフラインがいいですね。コロナ明けたらゼミとかに呼びたいと言ってもらえたので、参加したい。

少しでも学生にとって、話したことが良い示唆になればいいなと思います。

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