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フリーランス人事に求められる必須スキルと情報キャッチアップ術

こんにちは!「フリーランス人事研究所」広報のゆいです。
私は、説明会や選考という採用フローだと初期フェーズでしか人事と会っていなかったので、人事のキラキラした部分を見て、面白そうと思ったまま人事になりました。実際、人事になってみると業務の幅が広く、キラキラした部分は一部分でしかありませんでした(しかも頑張ってキラキラ見えるようにしていたり)。

フリーランス人事になると、人事全般の業務を担当するのではなく、契約で決められた範囲で人事業務の切り取りがあり業務範囲がわかりやすいです。一方で、幅が広い人事業務のどの部分が、フリーランス人事に最低限必要になるのか、会社に所属していない状況でどうやって情報をキャッチアップしているのかがわかりにくいかもしれません。

今回は、企業人事からフリーランス人事になり数年経った私目線で、最低限必要な業務スキルと情報キャッチアップ方法についてお伝えしていきます。

【このシリーズを読んでほしい人!】
・現在企業人事だが、いずれフリーランス人事も検討している方
・人事職以外からフリーランス人事になった方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・フリーランス人事になるために最低限必要なスキルがわかる
・どのように情報をキャッチアップしたらいいかがわかる

フリーランス人事として最低限求められるスキル、知識とは

提案力

フリーランス人事研究所編集メンバー内で度々話題になり、かなり大事だと思っているので最初に挙げたいのが「提案力」=与えられるミッションをこなすだけでなく、自ら課題を起案し、改善提案をしてプロジェクト化していく力です。

企業人事の時は、人事領域の課題はたくさん降ってくるものだったので、とにかく目の前の課題をこなしていくことが多かったと思います。社内情報も溢れるくらいにあるので、どこから手を付けたらいいのか悩んだこともあったかもしれません。
しかし、フリーランスになると、限られた情報の中からクライアントの課題を言語化し、解決策を提案する力が必須です。例えば、初回接点時までに得られる情報は、クライアントの基本的な会社情報(会社規模・業種・設立年など)と、クライアントから簡単に課題に思っていることなど、表層的な情報になると思います。この情報からだけでも、いくつか課題になりそうなことを念頭に置くことができます。その上でクライアントと接触し、自分を活用するとどう解決できるかを複数提案することができて初めて、仕事の受注に繋がります。これは紹介会社を介しての営業活動でも同様です。

プロジェクトのキックオフで決めた目標の達成に向けてプロジェクトを推進していく中でも、新たな人事課題は出てくるので、それに対しても追加で提案し続けていくことがフリーランス人事には求められます。
例えば、スカウトメールを送付する業務を受けていた時、送付する対象のペルソナを確認すると、なぜこのポジションにこの人物が必要なのかについて言及することができます。そうすると、なぜこの採用が必要なのかが分かり、事業計画からどう落とし込まれて今この採用をしているのかも分かります。
本当に採用で解決する課題なのか、採用するにしてペルソナ設計は的確にできているのか等、第三者の立場で課題を見て、別の解決策を提案することもできます。こういった追加提案ができないと契約継続に繋がらなくなってしまうのでとても大事です

企業内にいるときは受動的に社内情報が入ってきましたが、外部になると情報は能動的にキャッチアップする必要があります。フリーランスになる前に、情報を能動的に取り入れ、課題を言語化し、解決策を考える経験を積んでおきたいです。

中途採用経験

業務委託で受ける採用業務は、新卒採用より中途採用の方が多いように思います(私の肌感覚です)。中途採用の方が、業界・職種に対する知見と採用ノウハウが求められるので、企業は経験のある人事に任せたいと思うのだと思います。
また、中途採用は年間を通して活動しているので、人手が足りていない会社が多いです。そのため、採用CXでいうところの「認知~興味~応募」は外部にお願いしやすい業務になるので、最低限この領域は経験をしておかないと案件獲得が難しくなります。
ただ、この領域は多くのフリーランス人事が経験しているので、「面接~オンボーディング」領域も経験を積んだり、エンジニア採用のような細かい職種理解が必要となる採用経験を積んだりすることで、獲得できる案件が広がっていきます。

採用CXはこちらの記事を参考にしてください。

大小問わず、プロジェクトマネジメント経験(完結まで)

フリーランス人事に求められる役割として大きいことは、プロジェクトと進行することです。
企業内人事は目の前の課題で手一杯でプロジェクトのPDCAを回す余裕が無いから外部に依頼をしています。クライアントの課題を整理し、誰が何を担当し、その中でも自分はどの部分で手を動かすのかを決め、契約期間内に成果を出すためにどんどんPDCAを回していくことが必要です。

私がお手伝いしているプロジェクトでは、事業部の責任者と組織図から(採用するかしないかも含め)採用する職種の検討や要件定義をして、採用手法やPDCAを回すところを担当者としています。組織の中で誰が何を担当しているのか把握し、その人が抱えている課題を一緒に考えていくことをしているので、組織外の第三者だからできるコミュニケーションが、フリーランス人事の強みだと感じています。

言われたことを実行するだけならフリーランス人事でなくても良くなってしまいます。自分で考えて動くところが求められるので、大小問わず何かしらのプロジェクトを最後まで主導した経験は必要だと思います。

リサーチ能力

企業内にいると、自社の事例しか具体的に知る機会がないので、新しいノウハウを身に着けるには、失敗と成功を繰り返すことになり、時間がかかるものです。その時間を短縮するために、外部のノウハウを期待しているので、フリーランス人事には社内にないノウハウを伝えることが期待されています。

フリーランス人事だからこそ、同時進行で他社事例を具体的に知る・体験する機会があります。一社で経験したノウハウを他社でも活用できるように情報を整理したり、フリーランス人事の横繋がりで他社事例を具体的にヒアリングしたりするなど、リサーチする能力は大事です。この能力があることで、自分ができる案件を広げることができます。

なお、Crepeの運営している「すごい人事」コミュニティでは、情報交換の場やノウハウ共有をクローズドなNotionやイベントで行っています。具体例と実際に使っているツールを見ることができるので、私もかなり勉強になっています。

フリーランス人事に特化した情報まとめはありがたい!
人事の領域は幅広いから様々な背景の人事仲間がいるのは心強い!

常にアップデートすべき知識とは

人事の領域、労基法・働き方・社員のキャリア感などは常に変化し続けているので、様々な企業に入って人事業務をするためには、最新の知識を学び続けることが重要です。とくに次の内容はアップデートが必要だと思う場面が多いと思います。

採用手法

新しい技術や社会的な変化により、採用手法は数年で変化していきます。例えば、コロナウイルスのような予測不能な出来事は、採用手法に大きな変革をもたらす可能性があります。オンラインでの説明会や面接がどれだけ混乱をもたらしたのかは、実感があるかもしれません。
会社によって、雇用形態や求める職種が今までとは異なるものを求めている場面も出てくると思います。フリーランス人事として、最新の採用手法についての情報を追っていることは、クライアントの課題解決に役立つものになります。

HR Tech

人事分野では、AIやデータ分析を活用したツールが急速に発展しています。これらのツールは、採用プロセスの最適化や効率化に役立ちます。クライアントに新しいツールを勧めるだけでなく、比較検討できるような情報や、運用するための手順も提案することが、コンサルではなくフリーランス人事に求められているように思います。
企業所属でないと資料取り寄せがやりにくいと感じることもありますが、クライアントに協力してもらい、HR Techを触る機会を持つことが大事です。

現場感

人事にまつわる課題は、いつも現場で発生しています。経営者から課題を聞いて解決策を考えるだけでなく、実際に働いている人たちの話を聞き、現在進行形で何が起きているのかを感じることは、問題解決や意思決定において不可欠だと思います。
「外部の人」という枠を越えて、同じ組織の人のように行動することが、逆にフリーランス人事にとって必要だと私は考えています。

情報やトレンドはどのようにつかむのか

企業に所属しているとき、同僚の人事から話を聞いたり、社内回覧板や人事系イベントに参加することで得ることができました。フリーランスになると同僚はいないので、自分から情報を探しにいかなければならないです。そこで、私の情報源もお伝えしますね!

SNS

X(旧Twitter)などのSNSを活用すると最新の情報を得ることができます。私は、法律に関するところは社労士、採用・キャリアに関するところは第一線で活躍する人事や大学教授のアカウントをフォローして情報をチェックしています。まずは講演や記事で名前を見たことがある人から検索してみるのはいかがでしょう?

note・Webマガジン

ブログ、note、ウェブマガジン等をフォローし、業界の専門家やフリーランス人事関連の記事を読むことで、トレンドや実例などについての情報を得ることができます。「人事_記事」で検索すると有名どころはヒットすると思います。noteの検索で「フリーランス人事」で調べると、経験談やノウハウ情報が得られます。私たち「フリーランス人事研究所」もトレンドやフリーランス人事の実務実例の情報発信を頑張りますので、ぜひフォローしてください!

人事コミュニティ

人事同士で情報交換をする交流会は、コロナ前と同じくらいオフライン開催のものが増えてきました。東京開催が多くて地方民には参加ハードルが高いですが、生の声を聞くにはイベント参加はおすすめです。オンラインでも、Xのスペースで開催されている座談会もあります。他の人事担当者から学び、アイデアを交換することで、今人事界隈では何がトレンドなのか知ることができます。

トレンド以外にも勉強しておいた方がよいこと

トレンドの把握だけでなく、人事の基本的な知識も持つことが重要です。フリーランス人事は、人事業務全般の知識が求められます。自分の経験外の分野も知識を深めておきたいです。次のような知識はよく問われます。

労働法

労働法は、雇用関係に関わる重要な要素です。採用時の雇用契約書や、就業規則・賃金制度・休暇休業制度など、様々な場面で法律の知識が必要です。雇用契約や法的問題に対処するスキルは、クライアントとの信頼関係を構築することに役立ちます。社員ではないのでリスクを負うことができないため、自分を守る上でも法律の知識は必要です。

人事業務全般をざっくり

何かに特化して仕事をしてきたとしたら、他分野で人事が何をしているのか知る機会が無かったと思います。人事業務全般に関する基本的な知識を持つことは、業務全体を理解し、プロジェクトを適切に実施するのに役立ちます。それぞれの業務がどう繋がっているのかを理解し、全体の運用を見据えた提案ができると良いと思います。

業界・職種理解

フリーランス人事は、様々な業界・職種がクライアントになる可能性があります。各業界や職種の特異性を理解し、クライアントに適切なサービスを提供できるようにするために、業界に関する知識が必要です。中途採用だと特に、エンジニア採用など特定の技術・ツールを知らないと採用業務ができない職種もあるので、学ぶと仕事の幅が広がります。

お金について

私がフリーランスになって一番苦労しているのがお金についてです。フリーランスとして働く場合、全て自分でやらなければならないため、財務管理スキルが不可欠です。収入、経費、税金に関する基本的な知識を持ち、事業計画を立て、安定的な経済状態を維持することが重要です。確定申告は年末調整より複雑なので、日頃から準備をしておくことがかなり大事です。

★おすすめ参考書
私がフリーランスの先輩方におすすめされて読んだ本です。一冊読んでおくとフリーランスに必要な知識を得ることができます。

おわり

フリーランス人事になるためには今の業務の延長線上以外にも学ぶことや経験すべきことがたくさんあることが伝わったらうれしいです。
1人で全てを学ぶことはかなり大変だと思います。Crepeでは「すごい人事」というプロジェクトマッチングサービスを運営しており、人事に関わる情報シェアや、他のフリーランス人事と情報交換をするイベントも開催していて、情報のキャッチアップがしやすいです。まずはお問い合わせからでも!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「フリーランス人事研究所」運営元:株式会社Crepe
「人事が変われば、組織が変わる」
成長企業×成長志向フリーランス人事 案件マッチングサービスすごい人事パートナー"
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