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カニカマ物語④ 誕生編「売れたはいいけれど」
世界初のカニカマ「かにあし」のパッケージには、「珍味かまぼこ」と書いてあります。ですが、今のようにカニカマという食品のジャンルがない時代、パッと見てカニのほぐし身のように見える「かにあし」を本物のカニだと思って買った人が多く、「インチキ」「騙された」という抗議の声が殺到しました。「油断するとすぐこんな例にひっかけられる」など新聞に書かれたこともありました。
この由々しき事態に、まずはラベルを見直しました。文字の大きさやデザインを変え、カニの絵を外したり「かには入っておりません」と但し書きをつけたり、「かにあし」の名前をやめて「磯の味」や「これスキなのよ」に変更したり、やっぱり「かにあし」に戻したり。
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1,2年の間に14回もラベルを変えました。公正取引委員会の指導を受け、その都度対応に追われキリキリ舞い。世の中にないものを生み出すというのは商品開発そのものだけではなく、世間に認知してもらう段階でもいくつもの壁が立ちはだかるものです。スギヨはカニカマの生みの親として、これらを一手に引き受ける責任がありました。
カニだと間違われるのはクオリティーの高さを表しているとも言えますが、買ってくれたお客さんに騙されたとは思ってほしくありません。そこで、はっきりと言うことにしました。親しみやすいキャラクターで人気の落語家、林家こん平さんに歌ってもらいました。
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「♪カニのようでカニでない。それは何かと尋ねたら、それはスギヨの珍味かまぼこ、かにあし…」
こん平さんが両手をピースにしたカニポーズで歌うCMを制作。全国で放送し、お茶の間に呼びかけました。スギヨが本格的なコマーシャルを打ったのはこれが初めてでしたが、全国から大きな反響がありました。てんやわんやの「かにあし騒動」でしたが、結果的にカニカマを知ってもらう機会にもなったのです。
カニカマ物語「発展編」につづく。(今後公開予定)