杉山台工房

宮城県大和町。船形山の入口の焙煎所です。朝8時から12時まで受注生産で焙煎しています。…

杉山台工房

宮城県大和町。船形山の入口の焙煎所です。朝8時から12時まで受注生産で焙煎しています。試飲無料です。お気軽にお立ち寄りください。オーダは各SNSのメッセージをご利用ください。通販はウェブサイトからオーダください。 www.sugiyamadai-works.com

マガジン

  • ハロー定禅寺村のまちづくり

    仙台を代表するふたつのイベント『SENDAI光のページェント』と『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』の誕生経緯を、毎日を定禅寺通りで過ごしていた当時高校生の杉山台工房の店主の目線で綴った物語です。このとき教わった『店づくりより街づくり』を継承しています。

  • 葉っぱのブックレビュー

    当工房の営業本部長が10歳のころはじめて挑戦したブックレビュー。ブックレビューを書くことを目的に、宮沢賢治さんの本を選び父と娘のブックトークからはじめました。これはそのときの録音を文字にしたものです。

最近の記事

セロ弾きのゴーシュ(4/4)

◆ブックトーク発表 おとう編 葉:ヒカルの碁を読んでみたくなっちゃった。 父:あらら。そっちに行っちゃったか。それでもいいか。あのマンガはほんとうに面白いよ。はい。次は葉っぱの番だよ。 葉:うーん……おとうにヒントをもらいたいなあ。 父:おとうは将棋が強くなりたいっていう思いからお話を考えたんだよ。その目的を達成するのは唯一。 葉:努力することね。 父:そう。しかも当てずっぽうに練習しても上達はしない。本質を見極めながらひとつずつ。ね。 葉:自分で努力することの

    • セロ弾きのゴーシュ(3/4)

      ◆セロ弾きのゴーシュ - 感想の語り合い 父:ゴーシュってどんな人物だろう。 葉:自分が何度も間違えて、また間違えた!って思ったら、違う人だった……って安心しちゃうような人。 父:これ、よくわかるよね。誰かが怒られているときって、そんな風に何かしているフリをするものだよ。怒られている人への気遣いでもあるね。せせら笑ったりしちゃいけない。 葉:感情を表に出さない人みたいだね。 父:そうだ。さっきついでに見た第9交響曲のフラッシュモブ。最初のほうで出てきたヴィオラの人。

      • セロ弾きのゴーシュ(2/4)

        ◆準備2・ゴーシュに足りなかったものは何か? ◆準備3・ゴーシュは足りないものをどのように習得したのか? 父:葉っぱに無敵の力を得ることができる魔法を教えよう。 葉:えええ!無敵なの? 父:そう。ステキぃ♪ステキぃ♪ステキ♪テキテキ♪ムテキンキックぅ♪のとんでも戦士ムテキングになれる。 葉:なにそれ……。 父:いや。ごめん。。。ええとね。ズバリ。「楽しむ」こと。本を読むのは楽しい? 葉:うん!とっても楽しい。 父:それそれ。おかあに「ごはんだよー」「お風呂入り

        • セロ弾きのゴーシュ(1/4)

          ◇おとうと葉っぱでブックトークをやってみよう・3回目実践編 今回からブックトークの練習に入ります。目的は「面白さを伝える」または「聞き手にその本を読んでみたいと思ってもらう」ことです。 最初に準備です。3つのポイントを整理して考えます。次にいままでのように感想を話し合います。最後に自分が面白いと思ったポイントを軸にまとめて発表です。 作品は『セロ弾きのゴーシュ』を選びました。ゴーシュと一緒にベートーヴェンの音楽を解釈するところからスタートです。 ◆準備1・ベートーヴェ

        セロ弾きのゴーシュ(4/4)

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        • ハロー定禅寺村のまちづくり
          2本
        • 葉っぱのブックレビュー
          16本

        記事

          土神と狐(2/2)

          父:カミサマが殺生をしてしまう。これはもうカミサマではいられないよね。 葉:ふたりとも大変なことになってしまうのね。。。 父:キツネのポケットには何が残されていたの? 葉:ええと。カモガヤの穂が2本。あと書斎はガランとして赤土がキレイに固められているばかり。持ち物はハイネの詩集だけ。 父:カモガヤはそのへんに生えているなんでもない草だね。なんと悲しいのだろう。。。 葉:それまで自分より高い存在に思えていたキツネに嫉妬していた土神は、とってもやるせなかっただろうね。自

          土神と狐(2/2)

          土神と狐(1/2)

          父:賢治さんの本を読んで感じるのは、いかに賢治さんがふるさと南部の大地を愛していのるかってことだね。 葉:ほんとうに南部岩手が好きなんだろうね。岩手の自然も。 父:でも愛する岩手に賢治さんは心から満足しながら住んでいたのだろうか?とも思えるんだ。そんなことを『土神と狐』を読んで考えたよ。 葉:え?ううんと。キツネが賢治さんってこと?でもとっても勉強しているキツネだよね。格好をつけているのかな?でもウソつき。。。賢治さんがウソつきとは思えないよね? 父:おっ。そんなふう

          土神と狐(1/2)

          狼森と笊森、盗森(2/2)

          父:この物語に出てくる人間、原始の人間とでもいうのかな?何をするにしても森におうかがいを立てるんだよね。 葉:「ここへ畑起こしてもいいかあ?」「いいぞお」だね。むかしは自然とそのようにつきあっていたっていたんだね。 父:そう。素朴で謙虚だよね。そして収穫のお供えをする。カミサマにおすそわけするんだ。これは日本人にとってとっても大事な行事だったんだよ。毎年11月23日におこなわれていた。 葉:11月23日?あれ?勤労感謝の日だね? 父:そう。むかしはそうじゃなかった。敗

          狼森と笊森、盗森(2/2)

          ハロー定禅寺村のまちづくり その2 高校生編

           仙台三越の北隣にあった戦後の混乱期に建てられたバラック小屋が整地されて、再開発のビル工事がはじまったころ。    日曜の朝5時。ハンドルにローリングスのグローブを結びつけた自転車で上杉から5分。工事中の141ビル前で待っていると定禅寺村のみなさんが「おはよー」と集まってきます。早起き野球です。相手は国分町ロンドン(キャバレー)のチーム。春日町タイガー(パチンコ店)のチーム。東一連鎖街(仙台横丁)のチーム。一番町四丁目商店街のチーム。とあるホテルのチームは裏社会のみなさんでし

          ハロー定禅寺村のまちづくり その2 高校生編

          狼森と笊森、盗森(1/2)

          葉:次はなあに? 父:次は『狼森と笊森、盗森』これはおとうが大好きなお話でね。いまでも岩手山を眺めるとこの物語を思い出すんだ。 葉:人の生活が豊かになっていって、森と人の関わりが変わっていって。なんだか楽しくなるお話だね。コロボックルの村上さんが描いた絵も大好き。 父:そうだね。この村上勉さんの絵では、岩手山が最後の最期にドドーンと登場するね。まるで創造主のように。最初は天地創造だ。 葉:聖書だね。カミサマは最初に闇に光をそそいで昼と夜のふたつにわけたの。 父:うん

          狼森と笊森、盗森(1/2)

          ハロー定禅寺村のまちづくり その1 高校生編

           春夏秋冬を通じて定禅寺通りのケヤキ並木は仙台人の誇りです。    終戦直後の復興期。仙台空襲で焼け野原になった市街地に大胆な大通り計画を策定。大通りとなる青葉通りと定禅寺通りに街路樹を植えることに。実はケヤキは偶然選ばれた木です。担当者が仙台営林署の大ケヤキの下にたくさんの幼木を発見。トチノキもたくさんあったものの「ケヤキでいっちゃ」と言ったか言わぬか。この人が僕の父です。父は鎌倉の人なので仙台弁はしゃべらなかったかな。それから70年。今の私たちに杜の都を決定づける風景をも

          ハロー定禅寺村のまちづくり その1 高校生編

          雪渡り(2/2)

          葉:この絵がとてもキレイ。「林の中には月の光が青い棒を何本も斜ななめに投げ込こんだように射さして居りました。」のところ。 父:うん。これは実際に歩いてみるとよくわかるよ。月夜の雪山歩きはほんとうに美しい。さっきも言ったけどおとうは冬になるとよく歩いているよ。 葉:いいなあ。 父:動物の気配をものすごく感じるんだ。厳しい冬を生きているのは人間だけじゃないんだなあって。賢治さんも夜の森をひとりで歩いたのだと思うよ。歩いた人じゃないと、あの情景は書けないだろうから。たぶんだけ

          雪渡り(2/2)

          雪渡り(1/2)

          ◇おとうと葉っぱでブックトークをやってみよう・2回目 最近では「面白さを伝える」または「聞き手に読んでみたい気持ちを起させる」ことを目的にした語り合いをブックトークと呼ぶようです。 そこまで行くために、まずは親子で読んだ本の感想を語うことからはじめました。ときに脱線しながら、ときになにか他の大事なこととの関連を探ってみたりしながら。 今回は2回目。1回目に続き、宮沢賢治さんの本を3冊選びました。 --- 父:今日の3冊は動物ばっかりだね。 葉:どうぶつ大好き!

          雪渡り(1/2)

          虔十公園林(2/2)

          父:面白い資料を見つけたんだ。いまから50年前の国語の教科書に虔十公園林がのっていてね。 葉:へえ。 父:ここに先生が生徒をどのように指導するか?っていう方針が書いてある。指導要領というものね。 葉:指導要領はいまでもあるの? 父:あるよ。授業の進め方や、めあて、むすびなんかが書かれている。この時代の主題は「人間の幸福というものは、外見で測り知れるものではない。ひそかな自分の願いを満たそうと努めたものにのみ訪れるものである」なんだって。 葉:うんうん。 父:おとう

          虔十公園林(2/2)

          虔十公園林(1/2)

          父:虔十はなんで杉の木を植えたかったのかな? 葉:うーん……。 父:それは誰にもわからないよね。虔十にしかわからない。虔十は小馬鹿にされながらも枝打ちしたり。あ、枝打ちってわかる? 葉:うん。なにか木を切る道具で下の枝のほうを刈っていくのね。 父:そう。杉は密集して植えるから下の方の枝は陽当たりが悪くなって枯れていく。そうすると製材したときに枝の部分が節になっちゃう。杉の値打ちを高めるためだね。 葉:お金のためね。 父:そう。虔十は? 葉:お金のために植えたとは

          虔十公園林(1/2)

          猫の事務所(2/2)

          父:では、最大のテーマについて考えてみようか。なぜ賢治さんは半分だけ獅子に同感なのか?残りの半分はなんなのか? 葉:えええ……。残りの半分? 父:ちょっと問題を整理してみようか。ありもしないことをでっち上げられて、告げ口されて。あ、これを讒言(ざんげん)と言うよ。 葉:うん。覚える。 父:まるで学校のイジメだよね。かま猫は泣いてしまう。教室でシクシク泣く子供のように。そこに獅子が現れる。獅子の言葉はなんだっけ?読んでみて。 葉:「お前たちは何をしているか。そんなこと

          猫の事務所(2/2)

          猫の事務所(1/2)

          父:おとうは最初に猫の事務所を読んだとき、涙がポロポロ流れて仕方がなかったな。なんてかま猫はかわいそうなんだろうって。そういう感じはした? 葉:うん。どうしてもかまどに戻っちゃう。努力するんだけど、どうしても戻っちゃうのが、かわいそうだなあって……。 父:生まれ持ったものなのかな? 葉:そうなのかなあ? 父:「業」という言葉があるよ。生まれ変わる前の行為によって受ける報いというのかな。仏教の言葉でね。 葉:あ、知ってる。書いてみるね。はい。 父:おお大正解。書き順

          猫の事務所(1/2)