希望が見えない息苦しさ。【野火】大岡昇平
感想をひとことで言うと、「息苦しかった」。
本を読めなくなったのはこの本の影響かもしれない、とさえ思う。
舞台はフィリピンの島で、日本から遠く、逃げ場のない世界。
出会う人との会話は、死に繋がる危うい緊張感が潜む。
孤独な状況と、自分自身との対話や思考も重い。
とにかく未来に希望がある気がしない。
ページをめくるのに力がいる。
また、風景の描写や土地の描写が細かい。
その緻密さは、よく理解できないくらいなんだけど、
密林や、小川や、高原の景色が意外と色鮮やかに頭に浮かぶ。
難しいことは分からないが、
自然の生と、人間の死のコントラストがあった。
時間をあけて、再読したい。
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