ファジアーノ岡山2020シーズン戦力分析

1、メンバー

監督:有馬 賢二

FW(13):9李 勇載(イ・ヨンジェ)、10レオ・ミネイロ、11三村 真、15山本 大貴、18斎藤 和樹、19上門 知樹、23松木 駿之介、24赤嶺 真吾、25野口 竜彦、28ハディ・ファイヤット、30武田 拓真、32福元 友哉、44清水 慎太郎

MF(7):7白井 永地、14上田 康太、17関戸 健二、26パウリーニョ、29劉 龍賢(ユ・ヨンヒョン)、34デューク・カルロス、35山田 恭也

DF(12):2廣木 雄磨、3後藤 圭太、4濱田 水輝、5増田 繁人、6喜山 康平、8田中 裕介、20崔 程援(チェ・ジョンウォン)、21椋原 健太、31下口 稚葉、33阿部 海人、39増谷 幸祐、41徳元 悠平

GK(4):1椎名 一馬、13金山 隼樹、22ホープ・ウィリアム、40李 京泰(イ・キョンテ)

2、 ポジション分布

15山本(24赤嶺・10レオ)9李(44清水・28ハディ)
19上門(23松木・25野口・35山田)、18斎藤(30武田・32福元)
6喜山(26パウリーニョ・7白井)、14上田(17関戸・29劉)
41徳元(11三村・34デューク)、8田中(33阿部・20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(31下口、21椋原、2廣木)
13金山(22ホープ・1椎名・40李)

3、 GK評価

IN:22ホープ・ウィリアム
OUT:一森 純

13金山 隼樹、22ホープ・ウィリアム、1椎名 一馬、40李 京泰(イ・キョンテ)

戦力値:A→C

「一森 純の抜けたGKの正守護神は誰の手に?」

 J1に引き抜かれる程、成長した正守護神だった一森 純の抜けた穴は大きい。入れ替わる形で、補強したホープ・ウィリアムは、実績に乏しく、未知数な部分は否定できない。また、前任のGKコーチの下、伸びた一森 純と同様に22ホープ・ウィリアムが化けるか否かで、GKの選手層の厚さは、変わって来る。恵まれた体格を考えると、潜在能力は高い選手と言える。そういった意味では、40李 京泰も期待したい所。1椎名 一馬が、GKの練習の雰囲気を作ってくれるので、高い集中力の下、質の高い練習が出来ている事は、例年の練習の見学で確認している。昨季は、チームとして、大きく成長していた一方で、GKは主軸を担えるGKの2人体制という最高の状態だったことで、今季は、GKが大きく成長できるか問われるシーズンとなる。

「DFの裏のスペースをカバーする機動力のあるGKの不在がもたらす戦術的な変化」

 そして、戦術的な部分では、一森 純は、足下の技術と、機動力を活かした守備範囲の広さ、被シュートへの抜群の反応という華やかなGKだった。最終的に、正守護神を任されたのは、前述の部分が大きい。正守護神を争うであろう13金山 隼樹と22ホープ・ウィリアムは、恵まれた体格を活かしたハイボール処理や、被シュートに対する守備範囲の広さや安定感というのが武器のGKと言える。22ホープ・ウィリアムは、公式戦の試合出場数も少なく、若い事を考えると、機動力を活かした守備範囲の広さは無理かもしれないが、足下の技術やポジショニングよるセービング成功率を高めることや、コーチングや判断の向上が期待できる。ただ、やはり、DFの背後のスペースをカバーできるかと言うと難しいのではないかと思う。やはり、日本人の俊敏性というのは、身長相応の歩幅の小ささによる抜群の初速による部分が大きい。そう考えると、1対1という場面がどうしても増えてくる。この部分を、どうチームとして補うかというのが、GKとDFラインとのチーム作りの今季のポイントとなる。勿論、1対1のシーンが増えるからと言って、失点が必ずしも増えるとは、限らない。体格に恵まれているので、手が伸びる範囲が広く、手で防げなくても大きな体や足で防ぐこともできる。最も、セービングの体勢次第では、股の下を抜かれたり、ループシュートを決められたりすることもある。その辺りは、経験を問われるので、昨季終盤に出場機会を失っていた13金山 隼樹、実績に乏しい22ホープ・ウィリアムと、1椎名 一馬、40李 京泰(イ・キョンテ)というメンバーを考えると、序盤は、こういった部分での粗さが出る可能性は否定できない。そのためにも怪我なく、キャンプに臨み、少しでも連携と試合勘を高め、開幕戦に臨めるかは、GKにおける序盤の躍進のキーポイントとなる。

「GKの攻撃への貢献具合に関する疑問」

 ここも一森 純の移籍による不在というのが、現在の認識である。筆者である私は、ホープ・ウィリアムのプレーを把握していないので、どういったGKか分からないが、東京V、FC岐阜、川崎フロンターレ、大分といったテクニカルなチームの所属歴が長く、若い選手なので、一定の巧さがあるのではと、正直期待しています。もし、この予測通り、足下の技術があるGKであれば、目を瞑る部分があっても開幕スタメンの可能性も十分あると思います。逆に標準レベル止まりであれば、戦術的な転換は、余儀なくされるのではないかと思います。

4、 CB評価

IN:なし
OUT:なし

8田中 裕介、3後藤 圭太、33阿部 海人、5増田 繁人、4濱田 水輝、20崔 程援(チェ・ジョンウォン)

戦力値:C→C

「怪我癖のある中堅~ベテランCBの負担をどう若手CBが減らす事ができるか」

 昨季のCBは、怪我人多発状態で、厳しい台所事情であった。その要因は、総合力の高い3後藤 圭太が、ほぼ一年怪我で出ることができなかった点と、5増田 繁人のコンディションが、怪我からの復帰後に上がらなかった点、4濱田 水輝も軽度だが、怪我が頻発したのも痛かった。そういった苦しい台所事情により、8田中 裕介の負担が大きくなり、最終的には、最終盤に出場できなかった。一方で、20崔 程援(チェ・ジョンウォン)が、大幅な出場数増と、攻撃面における成長は大きかった。だが、シーズン終盤に進むにつれて、攻撃面も伸び悩み、持ちすぎる悪癖や、守備面における寄せの甘さやポジショニングの判断の悪さが目立つ様になった。33阿部 海人も新しいサッカーになかなか適合できずに苦しんでアピールするまでに至らず、怪我人が多発していた時に、長期離脱という苦いシーズンとなった。今季は、3後藤 圭太の完全復活や、5増田 繁人のコンディションの回復という状態で、開幕を迎える事ができれば、同じメンバーでも、安定感や選択肢が増える事で、チームとしてのパフォーマンス向上が期待できる。

「CBとして裏のスペースをどうケアするか」

 機動力の高いGKが不在になった事で、裏のスペースをチームとしてどうカバーするかというのが1つのポイントとなる。シンプルな対処は、スピードのあるCBの起用。これは、33阿部 海人の一択で、この選択をすれば、33阿部 海人のシーズンになるかもしれない。シンプルに対応する場合は、ラインを低くして、空中戦に強い3後藤 圭太、5増田 繁人、4濱田 水輝を軸に考える点、相方次第で、ラインを微調整して戦う事も考えられ、SBとの相性も考慮することになる。攻撃的にいくのであれば、8田中 裕介、20崔 程援(チェ・ジョンウォン)、3後藤 圭太を軸に、パスを回しつつ、徐々にラインを上げて、パスミスなどの悪い失い方をしない事で、過剰に下がり過ぎない状況を作り、裏のスペースを突かれにくいサッカーを目指す点である。この辺り、チーム状況やGK次第で、試行錯誤しつつ、最適格を探していくシーズンとなる。

5、 SB評価

IN:41徳元 悠平
OUT:松本 健太郎

左SB:41徳元 悠平、11三村 真、34デューク・カルロス
右SB:39増谷 幸祐、31下口 稚葉、21椋原 健太、2廣木 雄磨

戦力値:E→D

「計算できる本職の左SB1人体制の不安」

 計算できる本職の左SBの不在という厳しい状況から脱した。ただ、左SBに比べると、全体的に人材豊富な右SBの岡山の選手もスペシャルな選手とは言えず、3バックが長く続いていた関係で、依然として厳しい選手構成と言える。ただ、41徳元 悠平は、超攻撃的なSBで、ほぼ1人体制ではあるが、ストロングポイントとも言える貢献度が期待できる選手。それでも依存するという事は、相応の怪我のリスクもある。本職でなくても左SBもできる右SBや適性のある11三村 真や若い34デューク・カルロスなど何人かいるので、疲労が溜まらない様に、全体でカバーしていく必要がある。

「一定基準に到達できているとは言い難い右SBをチームとしての強みに」

 昨季のSBのアシストが、21椋原 健太の1アシストと39増谷 幸祐の1アシストのみとかなり悲惨なシーズンであった。左SBに41徳元 悠平に加入により、SB全体でのアシスト数が増える事は間違いないが、その恩恵を右SBも受けたい。21椋原 健太、2廣木 雄磨、31下口 稚葉の3選手は、運動量に期待できる選手で、41徳元 悠平のクロスが、流れて来たことを想定して、スペースに飛び込めるかが今季の右SBの基本方針と言える。
 昨季みたいにSBの攻撃アクションの少ないという状況は避けれそうで、突破力や思い切りの良いSBがいなかった昨季と違い、クロスやシュートという機会は増える事は十分期待できる。得点力のある39増谷 幸祐の得点で結果を残すことなども考えられ、21椋原 健太の守備意識の高さが活きる場面も増えてくる。チームとして、お互いに良い効果をもたらす。走る事が一番求められるポジションだけに、チームの中で、どう自分の持ち味を出すか。そのテーマの下、個の力の不足を補い、勝利に貢献し、有馬 賢二体制2年目の強みとしたい。

6、 DH・CH評価

IN:7白井 永地、26パウリーニョ
OUT:武田 将平、西村 恭史

DH:6喜山 康平、26パウリーニョ、7白井 永地
CH:14上田 康平、17関戸 健二、29劉 龍賢(ユ・ヨンヒョン)

戦力値:D→B

「右OHがバランサーからフィニッシャーへの転換により主に守備的なMFへ」

 左SBに補強があったことで、左で崩しからの攻撃が加速するシーズンとなる。そう考えると、昨季まで主に17関戸 健二が任されていたバランスを取っていた右OHは、得点を決める役割を任される事になる。そうなるとMF色の強いOHの選手は、今までと違い、右OHではなく、守備的なMFを任される事が多くなり、守備的MFのレギュラー争いの競争は激しくなる。それと共に、守備が出来る人材が多く揃った事で、中央を守備固めできる選択肢を持てるようになった。
例えば、14上田 康太の相方に、6喜山 康平、26パウリーニョ、7白井 永地の誰かであった場合、14上田 康太と前線から一枚削って、3人とも起用して、運動量と守備力で、圧倒する戦い方もできる。ボールの奪い処という点、J2であれば十分戦える陣容が揃ったと言える。
これは、右OHを任されていたことで、手薄になりがちだった守備的なMFの負担減と競争力アップにつながる事を意味する。しかし、チームは生き物で、なんらかの事情で右OHも任されるようでは、層が厚いまでとは言えず、今季も負担がかかる事もありえる。その辺りをどう軽減するかは、課題となるが、人材が豊富であることから有効なオプションと言えるので、状況によって、現実的な選択肢である。

「固定できない予想できない守備的MF」

 前述の話通り右OHを任される可能性もあることを含めて、絶対的なレギュラーは、存在しない。かなりハイレベルな競争が強いられる横一線の陣容。守備的に行くのであれば、14上田 康太を外す選択肢も出てくる。スタートからバイタルエリアに厚みをもたせるなら2枚+14上田 康太も考えられる。非常に選択肢の幅が広がる。チームとして多くのチームに対応できる点は、今季のチームの強みとなる。こちらは、過去最高の選手層が揃ったと言える。怪我で出遅れる17関戸 健二も復帰すれば当然、競争に絡んでくる選手ですし、これからの29劉 龍賢(ユ・ヨンヒョン)も楽しみな存在である。監督が、どの選手を起用するか、楽しみなポジション。

7、 SH・OH評価

IN:19上門 知樹、25野口 竜彦・35山田 恭也
OUT:仲間 隼斗、久保田 和音

左SH・OH:19上門 知樹、23松木 駿之介、25野口 竜彦、35山田 恭也
右SH・OH:18齊藤 和樹、30武田 拓真、32福元 友哉

評価:C→D

「左SH(OH)は育成重視で総合力を底上げが必須」

 FWの選手を左SHか右OHで起用する可能性もあるが、基本的には、若手中心となる可能性が高いポジションである。絶対的なアタッカーである仲間 隼斗が抜けた左SHは、19上門 知樹を軸に30武田 拓真と23松木 駿之介、25野口 竜彦との競争となる。基本的には、左SBの徳元 悠平の思い切りの良い高精度のクロスを活かすために、局面を打開できる力を持つドリブラーは必須で、崩す力が求められる。左SHの4選手は、その可能性を秘めた選手で、結果と内容も期待できる楽しみな選手。現状、19上門 知樹が抜けた存在ではあるが、最終的には、どういった感じになるかは読めない。

「チーム状態を見るうえで重要な右SH(OH)」

 現状右SHの候補としては、前線だと得点力に課題があるが、マークが甘くなり易い2列目であれば、フリーランの質で勝負でき得点が期待できる18斎藤 和樹や、32福元 友哉が候補になる。しかし、2人とも怪我で長期離脱が、発表されている。左サイドの攻撃力を活かす意味でも、2列目でも得点が期待できる選手を起用したいだけに、FW色が強い選手が、今季に関しては、望ましい。4-3-3に近いMF色を強くするのか、4-4-2に拘り、FWの主軸をそちらに回すのか。前者であれば、14上田 康太、7白井 永地、17関戸 健二が候補になり、バランスは良くなるが、左からのクロスに合わすと考えると、少し難しくなるが、右からも組み立てる事ができるので、左からの攻撃が機能不全に陥るなら、有効な選択肢である。尚、17関戸 健二は、怪我で長期離脱となっている。
 また、FW色を強くする場合は、44清水 慎太郎、15山本 大樹、10レオ・ミネイロといった選手も候補となってくるが、前線での起用をメインに、前線の得点力を維持したいので、難しい判断となる。
 そして、右SHにレフティである25野口 竜彦や、11三村 真、6喜山 康平を持ってくれば、仕掛けてシュートや組み立てに関与できて、バランスが取れている。タイプは違いますが、それぞれ持ち味があり、面白いかもしれません。

「現実的な右SHの起用法」

 最終的には、18斎藤 和樹、32福元 友哉を軸に考えて行きたい。ベストは、44清水 慎太郎ではあるが、やはりトップのバックアップとして、残して置きたい。昨季は、主軸を休ませることが出来ず、チームとしてベストコンディションを維持する事が難しかった。選手それぞれに伸びしろや、持ち味があり、どうそこを良いプレーに繋げて、チームとして機能させるか要注目のポジションである。
 その視点と、無理させなという視点で、チーム状況に応じて、答えを出さずに戦って行く事になる。そういう視点であれば、左SHにMF型の選手を持ってくる選択肢もある。チームとして、この2列目の起用方で、戦い方が決まって来ると言える。現実的な起用法として3選手を挙げたが、4-4-2を今季も継続するとは限らないし、時間帯やスコアによって、最適格は変わって来る。そういった意味で、交代の選択肢で、監督の判断を推し測れる最適なポジションと言える。

8、 FW評価

IN:44清水 慎太郎
OUT:中野 誠也

CF:9李 勇載(イ・ヨンジェ)、44清水 慎太郎、24赤嶺 真吾、28ハディ・ファイヤット
ST:15山本 太郎、10レオ・ミネイロ

戦力値:C→B

「充実の陣容」

 昨季も怪我人多発しながら、最後まで高い得点力を維持できた。今までは、主軸と言える選手が怪我した時は、得点がとれず、長いトンネルになる事が多かったが、それがなかった昨シーズンをも超える陣容のストライカー陣が揃っている。9李 勇載(イ・ヨンジェ)と15山本 大貴、44清水 慎太郎の3選手を軸に戦って行く事になる。ここにベテランの24赤嶺 真吾や高いテクニックを持つ10レオ・ミネイロ、可能性を秘めた28ハディ・ファイヤットが控える。
 更に本記事で、2列目として考えた、得点力のある19上門 知樹。ストライカー色の強い18齊藤 和樹、32福元 友哉。MF型ではあるが仕掛ける事ができる30武田 拓真、23松木 駿之介、25野口 竜彦といった選手もチーム状況によっては、FW起用も考えられる。

「FW展望」

 9李 勇載(イ・ヨンジェ)を軸に2トップ、1トップ、3トップも視野に様々な戦い方ができる陣容。チーム状況に応じて、どこで崩してどこで決めるか。その中心にいるのは、9李 勇載(イ・ヨンジェ)である。コンディションが昨季より上がったと判断し維持したCB以外は、選手層が厚くなった今季。選手の調子や体調などの状態や、怪我や出場停止といったアクシデントに対応できる陣容が揃っている。怪我無く、乗り越えるがベストであるが、今季は、昨季以上の高い得点力と安定感に期待できる。特に9李 勇載(イ・ヨンジェ)が、岡山にとっての金字塔である20得点以上を期待できるシーズンとなる。

9、 システム予想

「4-4-2(基本)」

主軸

15山本(10レオ)、9李(44清水・24赤嶺)
19上門(30武田)、18齊藤(11三村)
6喜山(26パウリーニョ)、14上田(7白井・17関戸)
41徳元、8田中(33阿部・20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(21椋原)
13金山(22ホープ)

分布

15山本(10レオ)9李(44清水・24赤嶺・28ハディ)
19上門(23松木・25野口・35山田)、18斎藤(30武田・32福元)
6喜山(26パウリーニョ)、14上田(7白井・17関戸・29劉)
41徳元(11三村・34デューク)、8田中(33阿部・20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(31下口、21椋原、2廣木)
13金山(22ホープ・1椎名・40李)

 9李 勇載を頂点にお膳立て出来る1.5列目には、15山本 大貴。左サイドは、19上門 知樹と、41徳元 悠平の超攻撃的に主導権を握る。右サイドは、18齊藤 和樹が、流れて来たボールをゴールやドリブルで、ゴールや2次攻撃を狙う。更に運動量のある右SBの39増谷 幸祐が、機を見て、どんどん駆け上がり、絶え間えない攻撃を狙う。中盤は、6喜山 康平が、バランスをとり、14上田 康太が、前線と後ろを繋げる。最終ラインは、8田中 裕介と3後藤 圭太で、攻守でアグレッシブに戦う。13金山 隼樹は、どっしり構え、時には飛び出す。攻撃的だが、締める所は、しっかり締めるバランスがとれた布陣。

「4-2-3-1(オプション1)」

主軸

9李(44清水・24赤嶺)
19上門(11三村)・14上田(30武田)、18齊藤(15山本)
6喜山(26パウリーニョ)、7白井(17関戸)
41徳元、8田中(33阿部・20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(21椋原)
13金山(22ホープ)

分布

9李(44清水・24赤嶺・28ハディ)
19上門(23松木・25野口・35山田)、14上田(30武田)、18齊藤(32福元)
6喜山(26パウリーニョ)、7白井(17関戸・29劉)
41徳元(11三村・34デューク)、8田中(33阿部・20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(31下口、21椋原、2廣木)
13金山(22ホープ・1椎名・40李)

 こちらも9李 勇載を頂点に、両SHの19上門 知樹と、18齊藤 和樹が、ピッチを広く、快速を飛ばす事を狙いつつ中にダイアゴナルランを狙う。中央には、スルーパスが、期待できる14上田 康太が高い技術で、狭いスペースと瞬時のプレーで、決定的な仕事を狙う。その背後には、静の6喜山 康平と、動の7白井 永地で、中盤を引き締める。後方に移ると、両SBが両SHの作った前のスペースへ飛び出す動きを狙う分厚いサイド攻撃を仕掛ける。
 最終ラインは、SBの攻撃参加で生まれた隙をカバーしつつ、13金山 隼樹と連携しつつ、守備を固める。少し引いて構えつつ、フリーランやサイドの厚みのある攻撃により、相手を混乱させると共に、守備時には、隙を作らずバランスよく戦える布陣。

「4-3-3(オプション2)」

主軸

19上門(30武田)、9李(44清水・24赤嶺)、18齊藤(15山本)
26パウリーニョ(7白井)、14上田(17関戸)
6喜山(8田中)
41徳元(11三村)、33阿部(20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(21椋原)
13金山(22ホープ)

分布

19上門(30武田・23松木・25野口・35山田)、9李(44清水・24赤嶺・28ハディ)、18齊藤(32福元)
26パウリーニョ(7白井)、14上田(17関戸・29劉)
6喜山(8田中)
41徳元(11三村・34デューク)、33阿部(20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、39増谷(31下口、21椋原、2廣木)
13金山(22ホープ・1椎名・40李)

 9李 勇載(イ・ヨンジェ)を中心に3トップを構成し、両WGの19上門 知樹と18齊藤 和樹で、相手陣地深くで、ピッチを広く使う事で、相手DF陣の間延びを狙う。2列目には、ボールを奪取し、ショートカウンターを狙う6パウリーニョと、パスを受けて、そこからスルーパスで隙を突く14上田 康太。その後ろでは、バイタルエリアをケアする6喜山 康平。両SBの41徳元 悠平と39増谷 幸祐は、両WGが、前のスペースを塞いでいる関係で、攻撃参加のタイミングが難しく、各SBの局面を視る目と、連携が求められる。両CBは、前掛かりになりがちな前方の隙により、後方選手は、33阿部 海人の個の強さと、3後藤 圭太高さや奪取力で守る。13金山 隼樹も時には、思い切りよく飛び出しつつ、しっかりコーチングして、CBやSBと連携とる必要がある。後方の選手の攻守における視野の広さが求められる布陣。

「3-4-2-1(オプション3)」

主軸

9李(44清水・24赤嶺)
19上門(30武田)、15山本(18齊藤)
41徳元(11三村)、26パウリーニョ(7白井)、14上田(17関戸)、39増谷(21椋原)
6喜山(20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、8田中(33阿部)
13金山(22ホープ)

分布

9李(44清水・24赤嶺・28ハディ)
19上門(30武田、23松木・25野口・35山田)、15山本(18齊藤・32福元)
41徳元(11三村・34デューク)、26パウリーニョ(7白井)、14上田(17関戸・29劉)、39増谷(31下口、21椋原、2廣木)
6喜山(20崔)、3後藤(5増田・4濱田)、8田中(33阿部)
13金山(22ホープ・1椎名・40李)

 最後まで、9李 勇載(イ・ヨンジェ)を頂点に、19上門 知樹と15山本 大貴が後方で、ドリブルやパスで仕掛け、フリーランやゴールを狙う。両WBが、41徳元 悠平と39増谷 幸祐が、攻守共にあらゆる場面で、豊富な運動量で貢献を狙う。中盤は26パウリーニョと、14上田 康太が、それぞれ、攻撃と守備比重が違うが、ハードに戦う。後方は、左右CBが技術で、組み立てつつ、攻撃参加を狙う。中央には、3後藤 圭太が制空権を武器にどっしり構える。13金山 隼樹は、サイドのスペースを突かれた時のハイボール処理や、DFとGKの間や角度のないシュートコースを意識し守る。全体的にやる事が多く、各個人のバランス感覚が求められる。守備的になり過ぎても駄目で、攻撃的になり過ぎても駄目。総合力が高ければ、攻守に置いて、主導権を握って戦える布陣。

10、希望メンバー

19上門、9李
30武田、14上田
6喜山、26パウリーニョ
41徳元、33阿部、3後藤、8田中
22ホープ

リザーブ

GK:13金山
DF:5増田、31下口
MF:7白井、25野口
FW:15山本、44清水

 19上門 知樹と9李 勇載(イ・ヨンジェ)のフィジカル型とドリブラー型の快速ストライカーを並べて、二人で40得点以上を狙う。2列目は、岡山トップクラスのドリブル型とパサー型のファンタジスタである30武田 拓真と14上田 康太で、翻弄する。中盤の底を、スペースケア型とハードワーク型のボール奪取タイプの選手である6喜山 康平と26パウリーニョで、守備力を高める。SBは、超攻撃型の41徳元 悠平がどんどん上がり、総合力の高い8田中 裕介がバランスをとる。CBは、33阿部 海人がスピードと強い対人守備で、左SBの裏のスペースをケアする。3後藤 圭太は、制空権を狙いつつ、右SBの8田中 裕介と二人で組み立てる。GKは、22ホープ・ウィリアムが、恵まれた体格の守備範囲の広さと、キックの制度を武器に攻撃にも貢献を狙う。
 リザーブのFWには、空中戦の強さと、ゴールの嗅覚のある44清水 慎太郎と、万能の15山本 大貴を備える。リザーブのMFには、ゴリゴリ仕掛けられる25野口 竜彦と、総合力の高い7白井 永地が、攻守の運動量と質の維持を狙う2選手を備える。DFには、豊富な運動量と左右のSBを出来、攻撃の可能性を感じる31下口 稚葉と、空中戦に強くパワープレーを狙え、ベンチで鼓舞でき、サポーターの力を借りる姿勢が気持ち良い5増田 繁人を備える。リザーブのGKには、ハイボール処理と守備範囲の広さが武器の13金山 隼樹が控える。

11、 総合評価

総合B「監督(A)、GK(C)、DF(C)、MF(B)、FW(B)」

「監督」

 昨季の就任一年目という難しいシーズンを、選手の育成しつつ、適材適所で起用。更に戦術のアップデートを繰り返す事で、戦えるチームに変貌させた。選手への理解を深め、選手の信頼を勝ち取った有馬 賢二監督が、今季も指揮を執ることは、とてもプラスで、期待感が高い。その有馬 賢二監督は、選手を入れ替えるのではなく、選手と一緒に出来なかったことを今季で達成するという自身の贖罪の様な強化方針で、ストーブリーグを終えた。その結果高い継続性と層の厚みを整える事に成功した。

「GK」

 GK陣は、実力と、継続性、可能性を持ったバランスの取れたメンバーが揃った。今季は、実績より成長が求められるシーズンで、誰が正守護神の座を掴むか13金山 隼樹と、22ホープ・ウィリアムの2人に、1椎名 一馬と40李 京泰(イ・キョンテ)が、絡んでくれば面白い。

「CB」

 CB陣は、8田中 裕介と3後藤 圭太を軸に、33阿部 海人、20崔 程援(チェ・ジョンウォン)の若い力、5増田 繁人と4濱田 水輝の経験値の高い選手でレギュラーを争う。後は、昨季の怪我の多さを減らし、コンディションを維持できるかがポイントとなる。

「SB」

 左SBは、41徳元 悠平を軸に、11三村 真が途中交代や41徳元 悠平の負担減を担う。34デューク・カルロスは、更なる成長で、試合出場を狙って行く。
右SBは、39増谷 幸祐を軸に、若く攻撃センスがあるが守備に課題がある31下口 稚葉、守備に定評のある21椋原 健太、運動量のある2廣木 雄磨が、レギュラーを争う。39増谷 幸祐以外の3選手は、左SBのバックアップとしても期待がかかる。

「DH・CH」

 DHは、6喜山 康平、26パウリーニョ、7白井 永地の3選手が横一線で争う。対戦相手やコンディション次第で、組み合わせは変わって来る。
CHは、14上田 康太を軸に17関戸 健二がバックアップ。29劉 龍賢(ユ・ヨンヒョン)が伸びてくれば、出場機会の可能性も十分ある。

「SH・OH」

 左SH・OHは、19上門 知樹を軸に、30武田 拓真、23松木 駿之介、25野口 竜彦が、若さを武器にレギュラーを虎視眈々と狙っている。
 右SH・OHは、18斎藤 和樹を軸に、32福元 友哉が、バックアップ。ただ、他がメインの選手が、チーム状況に応じて、起用される。左SH・OHからは、30武田 拓真、25野口 竜彦。FW型の選手は、44清水 慎太郎、15山本 太郎、10レオ・ミネイロ。MF型は、14上田 康太、17関戸 健二、7白井 永地、6喜山 康平も候補となってくる。守備を考えて、昨季あった31下口 稚葉という可能性も残っている。

「ST・CF」

 STは、15山本 大貴を軸に、10レオ・ミネイロをバックアップ。19上門 知樹や、30武田 拓真、23松木 駿之介、25野口 竜彦、11三村 真も候補になってくる。CF型の44清水 慎太郎、18斎藤 和樹、32福元 友哉も候補。
 CFは、9李 勇載を軸に44清水 慎太郎、24赤嶺 真吾がバックアップとして控える。28ハディ・ファイヤットもこれからが楽しみな選手で、大事に育てたい。

「総合」

 軸となる選手が決まっているポジションもあれば、横一線のポジションもある。更には、対戦相手に応じて、選手起用を変えるポジションもある。監督としては、誰を起用するか悩ましい所で、監督のモチベーターとしての手腕と、選手を巧く当て嵌めて、どう組織的に戦うかという戦術家としての腕も求められる。総合力の高さは、史上最高で、6位以内は、最低限の目標と言えるのではないか。自動昇格を照準にでき、優勝も視野に出来る可能性を秘めている。史上最高の選手層と継続性を武器にスタートダッシュ。そして、監督の人間力を武器に、選手の成長を促し、総合力を高めて、最後はサポーターの後押しを力に、一丸となって昇格を達成して欲しい。

文=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino

自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。