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偏差値の交互欲

私はサウナという物の良さがあまり分かっていない。
友人達と何回かサウナに入ったことはあるのだが、
初めてサウナから水風呂に入り、椅子にもたれ掛かった時点で
「ハハァ~ン?要するにこのポワポワした感じが気持ち良いんだな~?」
と、一回目にしてサウナのシステムの"底"を知ってしまった。
私は昔からのぼせやすい体質なので、家の風呂でもよくあの感覚を味わうことがある。ただの一時的な体調不良と何が違うのだろうか。

学校のクラス階級

話は変わるのだが、私が今通っている高校には、
クラスごとにいくつかの階級分けがされている。
詳しく解説し過ぎてしまうとどこの学校かバレてしまうので避けるが、
要は"頭の良いクラス"と"普通くらいのクラス"と"バカのクラス"の三種類が
私の学校にはある。自慢なのだが私は"頭の良いクラス"に居る。
しかしこのクラスに居ると、まるで「勉強が一番大事」みたいな
錯覚に陥ってしまうことがある。無論「そうだろ。」と言われるだろうが、
前回の記事で書いたように、私は勉強が学生の本分だとは思っていない。
まあとにかく、私のクラスの人たちは"行儀が良すぎる"のだ。
確かに彼らとの会話はとても楽しいし、有意義であるとは思うが、
彼らの話ばかり聞いていると、とてもじゃないが自分がいかに
低俗でぞんざいな生き方をしているのだろうと自己嫌悪してしまう。
私に電車の中で単語帳を開くような勤勉さは無い。

"バカのクラス"

その点"バカのクラス"はスゴイ。
常に"頭の良いクラス"にいると忘れてしまうような
「人ってこんな感じでも良いよね」という
ある意味で開き直り的な部分を思い出させてくれる。
こないだその"バカのクラス"に居る友達が三日ぶりくらいに学校に来た。
どうしたのかと聞いてみると
「こないだバイクで事故って左足が動かなくなったが、
片親カードを持っているから治療費が半額になる。良いだろ?」
と全く意味の分からない自慢をされた。すると続けざまに
「こないだ中学校の時の先輩から告白された、
付き合うのは面倒だが一発ヤりたいので今度ご飯に行く」
という聞いてもないことを喋り始めた。
しかしこの話を聞いたとき私はとても清々しい気持ちになった。
少し極端かもしれないが、「こんな感じで生きても良いんだ」と
思ったのだ。現実世界において悪に対して絶対的な罰が下ることは無い。
ラブコメのヒロインを傷つけたからといって、
その子の彼氏からぶん殴られることもないし、
「あなたしか愛せない」と言った三日後くらいに
別の人に腰を振っていたって良いのだ。

"整う"ということ

しかしそれはそれで"バカのクラス"に居すぎると、
自分のただでさえ低い倫理観の針が下に振り切ってしまう。
"頭の良いクラス"と"バカのクラス"を良いバランスで体感するのが
一番なのだ。「じゃあ中間の"普通くらいのクラス"で良いじゃないか」
と思った人は居るだろうか。多分居るだろう。
しかし私からそんな君にこんな言葉を送りたい。
「それサウナーの人にも同じこと言えるの?」って。
熱すぎるサウナと冷たすぎる水風呂に交互に浸かるぐらいなら、
ぬるま湯にでも入っていれば良いだろと。
違うのだ、あの極端なものにわざわざせかせか歩きながら
交互に身を委ねる所に意味があるのだ。
私自身サウナそのものによって得られる効果はあまり好きじゃないが、
サウナ好きの方々の持っている一種のこだわりみたいな部分には、
とても共感する部分がある。

コミュニティの常識

ここまで読んでくれた人には、
私が何を言いたかったのか伝わっただろうか。
一つのコミュニティに居すぎると、その世界で使われる
価値観や倫理観、常識というものが不変であるように錯覚することがある。
そんな時に、一歩後ろに下がって、別のコミュニティを見てみて欲しい。
自分では信じられないようなものが常識として扱われていることが分かるだろう。そうすると、自分の物の見かたを少し柔軟にできるかもしれない。
勿論、全ての価値観を受け入れろとは言わないが、
たまに思い出して欲しい、自分たちが常識だと思っていることも
一歩外に出れば非常識かもしれないということを。



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