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初めての酒造りの仕込み作業何もわからずただ、一生懸命造ることに専念したあの頃の話

初めての酒造り
弊社は、水質の悪化で現在は、周南市にあるら山縣本店さんへ出来た酒米と山口大神宮のお水を持ち込んで酒の仕込み作業をしています。

初めて蔵に行ったときみんな男の人ばかり、みんな寡黙で無駄話は一切ないような雰囲気でした。
それでも、新酒発表会のときの悔しさもあって、自分のものにしたいという気持ちでいっぱいでした。

あの頃を思い出すと、考えるより体で覚えていくという事で、自分を納得させていたんだなと思います。

さて、日本酒を造る作業をご紹介しながらあの頃どんな気持ちでやっていたのかなと思い出しながら書きました。

【米を洗う・蒸す作業】

まずは、洗米!米を洗います。
ごはんを炊くときには、米の糠を取らなければおいしいごはんにはならないのと同じで、おいしい日本酒にはならないんですね。

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洗ったお米を運びます。

初めてやってみたときは、・・・超ハードでした。米を洗う時間が決まってて、本当に大変な作業でした。ちょっとでも時間がずれたら酒米に余計な水分が入ってしまうため、大変なことになるんです。失敗談ですが、エプロンの紐がほどけてしまいズルズル落ちてきたんですけど…米を洗う作業は、待ってはくれなくて片手にエプロンもって、ずり落ちるのを必死にあげながらの洗米作業でした。

洗米の後は、適量の水分を吸収させるために米を水に浸し,
その後、余分な水分を取る作業をします。これも時間が決まっています。計算されて作業を行っていることにまず、驚きました。


時間をはかって水に浸かった米を出すのにドキドキしてました。



お米の水分をとる作業、時間が命なのですごく真剣です。


次に米を蒸していきます。蒸した米は、麹づくり、酒母づくり、掛米用とそれぞれに応じた温度で冷ましていきます。蒸気がとても、アツアツでそれをスコップでお米をすくって、お米を冷ます機械にいれていくのです。
手作業のときもあります。アツアツの蒸し米を手で広げて冷ます時に、とても熱いのでこれも大変な作業だなと思いました。
いろいろな力仕事があり、本当に蔵人さん達の労力あっての酒造りなんだと思います。

米が蒸上がるまでの時間がとても待ち遠しく蒸気からお米の炊き上がるいい香りがするんです。
熱い蒸米を運ぶのに米がこぼれるのではないかと当時は、ヒヤヒヤしてました。
蒸米を冷ますこの態勢がとてもつらくて、ぎっくり腰によくなってました。
筋肉痛もひどかったです。

【酒母(しゅぼ)づくり】

酒母は、元気な酵母を大量に増殖させたものでお酒のもととなるものです。
ざっくり説明すると
まず、米、米麹、水を仕込みます。←もちろん水は、山口大神宮で汲み上げたものです。

山口大神宮の伏流水を汲み上げています。


温度を下げる為に氷をいれて混ぜていきます。

均一になってきたら
そこに乳酸を投入します。この強い酸により、雑菌類は死滅します。

そこに酵母を投入します。
蒸米と米麹をペースト状になるまで木の櫂ですりつぶします。目的は、すりつぶすことで蒸米が溶けていくことを促進すること、また、雑菌の繁殖を抑えることです。

初めて櫂入れ作業をしたのですが、
なんと!思った以上に全然混ぜられない。
蔵人さんの力の入れ方半端ないです。ものすごい労力なんだなとあらためて思いました。
本当にすみません力がなくって 、腰が入ってなくてと申し訳ないなという気持ちでいっぱいになりながら、私なりに一生懸命、櫂を入れる作業をしました。
ペースト状になるまでには、時間もさることながら、すごく力を入れてまぜなくちゃいけないんですね。
蔵人さんは、すごい‼すごすぎると感動していました。

温度を下げるために氷を入れて調整します。

ペースト状にすると、雑菌が好む空気の層や水がなくなるんだそうです。


【麹づくり】

蒸したお米は、麹造りに使われます。
先程、書いた酒母づくりにも使われています。
麹造りは、蒸したお米に麹の種をふりまいて麹菌を繁殖させることをいいます。杜氏さんの麹の種をふりまく音がとても神聖な儀式のように聞こえて感動しました。

麹菌を振った後、麹米を広げる作業


麹を造るのに温度の管理に気を付けなければいけないので一晩中つきっきりの作業なんです。
麹菌を育てるには、室温30度前後で湿度も高い場所にいるのでとにかくあつかったのと、麹を繁殖させるのに温度をみながら時間が来たらひっくりかえして平らにするのでおおざっぱな私はとうてい平らにはできず、何度もやりなおしました。

手間ひまかけて造られている…だから、完成したものが素晴らしいものになるのだなと感じました。

【醪(もろみ)と仕込み】

前回、ご説明した酒母(しゅぼ)をタンクに入れ、麹、蒸米、水を加えて発酵させます。発酵には約3週間から1カ月かかり、日本酒の元となる、発酵した状態を「もろみ」と呼びます。

タンクの中に蒸米を入れる作業で腕が上がらずお米が入れられなかったので、鍛えないとだめだなと思った思い出がよみがえります。

酒母(しゅぼ)の中に麹、蒸米、水を入れる際は、全量ではなく3回に分けて、ゆっくりと発酵させることが大切なんだそうです!よく耳にする「三段仕込み」とは、この事なんですね。

【上槽(じょうそう)】

発酵期間が終わったら…もろみをしぼって(圧搾)、日本酒と酒粕に分ける「上槽(じょうそう)」←搾る作業が行われます。
初めて搾ったタンクから汲んでいただいて香りを嗅いでみましたが、とてもいい香りだったのを覚えています。

発酵した状態のもろみ。
今でも忘れませんが、初めてかいだ香りは、甘い香りでした。
この機械で圧搾します。
搾りたてのお酒。

いつどのタイミングで酒をしぼるかは、日本酒の味を決めるうえでとても重要なんだそうです。
日本酒の種類だったりで変わったり天候だったりつくづく大変なんだなぁって思いました。
どんどん出来上がるにつれてワクワクしたのを覚えています。
濾過が終わるといよいよ瓶詰めの作業をして、お客様の手に届きます。

あの頃、今ももちろん造りはしていますが、力もなく腕がプルプルふるえながらタンクの中へお米を入れて、来年は、必ず鍛えてこよう!と思ってはまた、しまった鍛えてなかったぁーと
それでも、お客様にうちの日本酒の味を伝えたいこんなに美味しいんだよと知ってもらいたい!そう思って今でも仕込みを続けています。

山城屋酒造は、女性が気軽に日本酒を飲むきっかけをつくりたい!と、 山口テロワールを大事に田植えから酒造りをしています。
山口の豊かな自然の中で育んだ米と水をつかい、山口県産にこだわった日本酒を造っています。山城屋のお酒があなたの笑顔のきっかけになりますように。


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