1年間服を買わないで過ごした私に訪れた驚愕の変化について 番外編 役だった本たち
何か新しいことを始めようというとき、まっさきにその分野の本を買うのは、幼いころからのわたしの習慣です。それはもはや、性癖といってもいい。もっともらしい理由をつけて新しい分野の本を買うのが好きなのです。
1年間服を買わないで過ごす間、そんなわけで、服や着回しについての本をだいぶ読みました。それらは正直、このマガジンよりずっとためになる内容でした。なので、同じチャレンジを試みるみなさんに、その1部を是非ご紹介したいと思い、筆を執りました。
1、お金と洋服 そのバランスについて説いた名著!
『ケチケチ贅沢主義 〈節約と上質な暮らしを両立させるための思考習慣〉』
ブロガーのmuccoさんによる書き下ろし本(←ここポイント。ただのブログ本じゃないんです)。著者のmuccoさんはスタイルとセンスに恵まれた40代の女性です。金融関係にお勤めらしい。ブログ「ケチケチ贅沢日記」には、美しい写真とシンプルな文章で、着ることを中心にmuccoさんの考え方が綴られています。プロではないけれど、かなりファッションにはお詳しい方だとお見受けします。そのファッションの知識と、家計のプランニングを合わせて出版されたのが、本書です。
・休日の服にはお金を使わない。通勤用の服を小物でアレンジして使う
・衝動買いの落とし穴は1万円〜3万円
など、はっとする言葉が満載。文章中心ですが、実際に捨てた洋服の写真などもあって、大変参考になります。
2、プリンセスでもZARAを着る! 衝撃の考察本。
私がこのチャレンジをすすめるきっかけとなったスタイリスト・にしぐち瑞穂さん。本書はそのにしぐちさんの著書です。キャサリン妃のファッションマインドに加えて、にしぐちさんご本人のプロのスタイリストとしての目線がばっちり入った良書です。
キャサリン妃というと、専属のスタイリストをつけず、自身でスタイリングをしていることが有名です。にしぐちさんにお話を伺うまで知らなかったのですが、彼女はファストファッション、ZARAやTOPSHOPの洋服も華麗に着こなします。もちろん、プリンセスなので、ここぞ!というときには、ハイブランドのオートクチュールで決めているわけなのですが。
更にびっくりしたのは、気に入った服は、リメイクをしてまで長く着続けているということ。それだけ服を選ぶとき、サイズや自分の似合うシルエットに妥協していないということですね。
もうひとつ、面白かったのは、みんなとかぶらないように、ワンシーズン寝かせてから着用することも多いということです。これはみんなに注目され、真似される立場だからこそ、編み出した哲学といえるかもしれない。それだけ自分のスタイルがはっきりしていて、流行をものともしていないということです。かっこいいですよね。立場も使えるお金の額も全然違うプリンセスなのに、そのファッション感覚は、私たちがすぐにお手本にできるものなのでした。
3 言わずと知れた、「服を捨てる」の決定版!
著者はスタイリストの地曳いく子さん。ベテランのスタイリストさんだけあって、地に足の着いた見事なアドバイスで構成されています。
朝、鏡の前で脱ぎ捨てた服は捨てる。や、大人になったら優先すべきは服より靴 といった、厳しいけれどすぐにとりいれられるアドバイスがたくさん。まず、タイトルからして本当によくできていますよね。
完成度が高すぎて、そのまま真似をするには、ハードルが高すぎる…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
だから、教科書的に、とっておいて何度も読み返すのをおすすめします。(個人的にはkindle版が発売されないのが残念。。。)
1年間服を買わなかった結果、私が身に染みて実感したのも、地曳さんがすでに書いていらっしゃったことでした。
「年数」ではなく「回数」の多い服こそ大切にすべき。
地曳さんに弟子入りしたくなる一冊です。