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リサイクルからはじめる自営業

「雇われない生き方をしたい」けれど、なにをすればいいかわからない人へ
リサイクルからはじめる自営業

※2020年4月に情勢の変化に対応した追記の文章を公開しました。こちらも併せてお読み頂けますと幸いです。


「雇われない生き方をしたいけれど、何をすればいいのかわからない人」には、まちがいなくリサイクル業がおすすめです。

第一にリサイクル業は初期費用が安いです。

極論自宅の小さなスペースがあればスタート可能です。
また、これから私が紹介する「4年間のキャリアで編み出した間違いなく利益を出せるリサイクル業」でも30万~50万円あれば始められます。

リサイクル業であれば、まずは副業からという方も出来る範囲ではじめることができます。また専業ではじめて自分は自営業に向いていないと思い直すことがあっても小さな損失で撤退できます。初期段階において、撤退の選択肢を残しておけるかは非常に重要です。

自営業をスタートさせる上で初期費用を安く始められることは、何事にも代えがたいメリットです。


第二に別事業を開始するときに非常に有利になります。

リサイクル業は、多種多様なものが集まります。

その中で自分がやりたい分野のものをストックしておくことで他事業に展開する際の初期費用を圧倒的に安くすることができます。飲食業であれば食器類や調理器具・関連家電、事務所を開設するのであれば事務系のデスクやチェアという具合に、次への準備が可能です。

私の友人もリサイクル業から飲食店に進出して、新しく購入したものは和式の便座を洋式に変える簡易便座だけ。あとは蓄積していた備品を使うことで初期費用最小でオープンさせました。

始めたい事業はあるけれど、まだ体制が整っていないという方もリサイクル業を取り入れることで開業までの時間を早めることができるかもしれません。


第三にこれまでとは違う生活方法の回路を身につけることができます。私個人としては、この点がリサイクル業の最も好きな点です。

私たちは冷蔵庫が欲しければビックカメラやヨドバシカメラに、机が欲しければニトリやイケアに、服が欲しければユニクロやGUに行くというのが通常の選択でしょう。

つまりお金を支払うことで物を得るというのが、私たちが何か欲しいものを手にするときに選択している当たり前の行動です。

リサイクル業をはじめれば、これとは別の回路を生み出すことができます。ときにはお金をもらってまで、自分の欲しいものを手に入れることができるようになります。

例えば私の例ではこの数年で靴以外の生活に必要なものは、ほぼ買っていません(私は足のサイズが大きく、靴だけはなかなか自分の使えるものが入りません)。

それでも冷蔵庫・洗濯機は最新のもの、家具も自分が気にいったものを使っています。服も私はおしゃれに疎いのでわからないのですが、たまに「そのTシャツどうしたの?」とオシャレさんから驚かれるようなものを着ているようです。

リサイクル業によって捨てられるはずだったものを拾い集めることができ、お金を使わなくても豊かに生活できる新しい回路が生まれます。気分はさながら都市に生きる野生動物です。木の実や肉を得る代わりに冷蔵庫や机を自分の狩りによって手に入れるわけです。

欲しいものを自分の狩りで手に入れられるというのは、「自分の労働が全てお金に変わる」賃金労働と違ったダイレクトな達成感があって、私はそれが大好きです。

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まとめますと、リサイクル業は

・初期費用が安いのではじめやすい(それに仮に失敗しても損失が少ない)
・様々なものを集められるので別事業への展開が有利になる
・今までとは違った回路で、生活を豊かにしていける

という3点で「雇われない生き方をしたい」という人のスタートアップ事業として圧倒的におすすめです。どうでしょう、少し興味がわいてきたのではないでしょうか。


これから私が4年間で編み出した最善で最高のリサイクル業の手法を紹介します。最善で最高というのは「自分の自由に使える時間の中ではじめられる」「毎月のランニングコストが少ない」「自分が働きさえすれば利益を増やせる」という3点がポイントです。

まずはできそうな部分から少しずつという場合にも、リサイクル業を本格的にはじめたいという場合にも参考になる内容になっているのではないかと自負しています。私の4年間の血肉が入った実用文書です。

魅惑のリサイクル業の世界へ皆さんをいざないます。

1 リサイクル業の準備をしよう


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リサイクル業の土台は店より倉庫

早速ですが、上の写真は私が現在使っている倉庫です。

リサイクル業をこれからはじめる場合は、店より倉庫がおすすめです。両方やってみた結果、自信をもって断言できます。

主な理由をいくつか紹介します。

第一に店よりも倉庫の方が費用が安い点があげられます。同じ面積を借りるのでも倉庫物件の方が圧倒的に安いです。

第二にリサイクル業の収益の出し方の特性です。

大型店舗以外の同業他社様は、実は収入のメインは店舗の売り上げではないということが多いです。小さなリサイクル屋さんを観察するとわかるかと思いますが、「不用品回収承ります」や「引っ越しご相談ください」などの、外仕事の看板を店の目立つところに設置しています。この外仕事こそが、リサイクル業のメイン収入になります。

店舗は、店舗自体の売り上げよりも広告として効果が期待された場所です。

追って説明していきますが、ネットを上手く使うことで店舗を広告として使わなくても外仕事の依頼を受けることが可能となりました。そしてネットを活用して外仕事を受注する形にした方が店舗を借りるよりも、毎月の支出も安いです。

三点目の理由は二つ目の理由に付随するものになります。

店舗を構えるとしたら、最低人員として自分プラスもう一人が必要になります。

・外仕事に行く人
・店番をする人

の二人が必要です。

断言しますが最初からまともに人件費を払おうとすると、早晩積みます。ある程度の儲けの計算ができるようになってからならまだしも、何も計算ができない段階で人件費を払うような計画で事業を進めるのはやめた方がよいです。

この点からも自分一人で事業を回せる倉庫体制が望ましいです。

また、倉庫体制のメリットとしては自分の時間を有効に使える点もあります。お店であれば仮にお客さんが来ても来なくても、毎日決まった時間をあけている必要があります。倉庫の場合はその必要がなく、自分の時間で動くことができます。

まずは副業として始めたい人や、空いている時間にリサイクル業をしたいという人にも店舗よりも倉庫の方が相性がよいでしょう。

理想は車庫+倉庫

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こちらも我が家の写真です。先ほどの倉庫スペースの横に駐車スペースがあります。ちなみに家の前には「ご自由にどうぞ」コーナーを設置しています。

一口に倉庫と言っても様々なタイプがあり、私がおすすめするのは車庫+倉庫として使える物件です。

繰り返しになりますが、リサイクル業で収益を大きくするためには外仕事(メインは不用品回収と片づけ仕事)をする必要があります。

この二つを可能にするのが軽トラ・もしくは軽バンです。
駐車場と倉庫を別々で借りると、毎月の費用も高くなりますし、場所が離れているとそれだけ搬出や搬入のための時間もかかってしまいます。

車を停められて、さらに余白スペースに物を置けるような物件が理想です。物件はガレージ・車庫付き物件で検索することで見つけることができます。

さらに理想的な環境としては、車庫・倉庫・住居スペースの3つを兼ねそろえた物件です。こういった物件を借りてしまえば、家賃までを含めて安く抑えることができ、また仕事を開始するまでの時間も最小になるので自分の時間をさらに増やすことができます。

現在私が借りているのもこのような物件です。
一階がガレージになっていて、二階が住居スペースになっています。ちなみに家賃は横浜市南区(横浜駅までは徒歩+電車で30分程度)で6万2000円です。

物件の見つけ方としては、この場合はマンションやアパートで探すのではなく戸建て物件で探します。駐車場や倉庫についての記載がなかったとしても、物件の間取り図や写真を見て車を停めたり物を置いておけるスペースがあるようなら不動産屋さんに電話して確認しましょう。

私が借りた物件も駐車場や倉庫としての使用を想定されていませんでしたが、不動産屋さんに確認してもらって、内見時に車を停められるかを実際に試してみて契約しました。

このように、可能性があるようなら不動産屋さんに確認してみるという方法は物件を探す場合に非常に重要です。物件を貸す側で想定していなかったから記載してなかっただけで聞いてみたら大丈夫ということは案外珍しいことではありません。

駐車場・倉庫・そして住居までを含めて安く抑えられると、毎月の支出が減ってやりくりする上での安心感が段違いです。理想的な物件を見つけられるように粘り強く物件情報をチェックするとよいでしょう。

2 リサイクル業をはじめよう


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・仕事の依頼の受けるには

リサイクル業の土台となる倉庫・車庫(+住居)に目星をつけたら、いよいよ仕事を開始することができます。

先にも触れたように菅谷式リサイクル業の基本は外仕事(主に不用品回収、片づけ仕事)です。そのため最初に商品の仕入れなどをする必要はありません。

外仕事は、ネットを活用することで基本的には広告費をかけずに依頼を受けます。
例えば私の平日は雇用されて働いている友人は、自身のSNSアカウントで「引っ越し・不用品回収をします」と呼びかけて依頼されたリサイクル業を休日にこなしています。

このように、現在ベースとしている仕事を確保しておいたまま副業として展開する方法も可能です。

個人アカウントがフォロワー数が少ないなどで、広告としての効果を期待できない場合は各種媒体を使う方法があります。例えばジモティなどに「不用品回収承ります」などの書き込みをして、依頼を受けるという方法もあります。

一昔前まではジモティが全盛で、ジモティからの依頼が多数でした。またジモティは手数料も取らないため、全てを自分の取り分とすることができて、リサイクル業・便利屋業を営む人にとっては最強のツールでした。

しかし、今はジモティの勢いは下降気味です。
現在、多くの同業者の皆さんが利用しているのがこれから紹介する「くらしのマーケット」というサービスです。

・便利屋業界に革新、くらしのマーケット

はじめに百聞は一見に如かずなので、くらしのマーケットさんのサイトのURLを貼っておきます。

このように、各種便利屋さんサービスを一覧でき、また口コミなどから信頼できる業者さんを選びやすいという、便利屋業界に革新を起こしたサービスです。これまでは家の近所の業者さんか、ポストに入れられるDMを見て、その業者さんの価格やサービスが適切なのかわからないまま依頼するしかありませんでした。

余談となりますが、私はくらしのマーケットさんの拡大を見て、店舗経営から倉庫経営に切り替える決定をしました。

今後もくらしのマーケットさんの天下が続くかどうかは私にはわかりませんが、少なくとも便利屋業界においてネットで信頼できる業者が選別されていき、そこに仕事が集まるという流れは当面は変わらないでしょう。お店を広告とするよりも、ネットでの受注に注力した方が時勢に沿った働き方であることが、このことからもわかるかと思います。

・発展形としての独自受注ルート

リサイクル業を展開していくうえで現在覇権を握っているくらしのマーケットさんのサービスの利用はもちろんおすすめです。しかし、その上で長い目で見たときに理想的な環境は各種ネットサービスだけでなく、自分の名前で仕事を取れるような状態です。

現在(2019年3月)、くらしのマーケットさんのサービスでは売上から手数料が2割引かれます。もちろんお店を借りてテナント料を毎月払うよりも大体の場合は低額でありローリスクなのですが、様々な同業他社様がいるため、価格競争・サービス内容の改善もし烈です。

理想としてはやはり、自分の名前で仕事をある程度はとれる状態にすることです。そうすれば手数料もかかりませんし、また料金等の交渉もしやすくなります。

くらしのマーケットさんや各種サービスの口コミが非常に有効な広告に変わります。何も実績がない人には頼みづらいですが、多くの人に支持されていることがわかると、依頼もしやすくなります。

ちなみに私の口コミは99パーセント以上が大満足です(2019年3月現在)。

このような実績ができてから、個人アカウント経由などでお仕事の相談を受けることが格段に増えました。

副業でやる場合はそこまで意識しなくてもよいでしょうが、リサイクル業を専門にしたいと考えている方は、はじめは各種サービスで経験を積んで、よい評判を集めつつ、少しずつでもいいので独自の宣伝で自分の名前で仕事をとれるようにすることを視野にいれるという方法がよいでしょう。

3 リサイクル業で収益を出そう


・目指せ! 利益の最大化

ここまででリサイクル業の準備・仕事の受注の仕方を紹介しました。ここから肝心かなめの利益の出し方を紹介します。

リサイクル業で私が現在根幹としている不用品回収では、一度の回収で1万円前後からのスタートになるかと思います(実績がない場合は1万円前後でないと仕事が入らないと思います)。

重要なのは、1万円(と仮定させて頂きます)で回収してきた各種ものものをどのように扱うかです。想像してみてください。軽トラックの荷台に乗っている、冷蔵庫・洗濯機・机・衣類・本類・雑貨・その他雑多なものをあなたはどのように扱いますか。

リサイクル・リユースの循環に上手く乗せて、お金に変えられるものを最大限まで増やす。ここにどれだけベストを尽くせるかが、リサイクル業の肝になります。1万円が1万円のままなのか、諸経費で3000円程度まで減ってしまうのか、はたまた2万円になるのか、すべてはあなたの裁量次第です。

ここで重要になるのが専門知識です。

各種ものものを買い取ってくれる業者さんがいて、そのような業者さんを適切に活用することがリサイクル業勝利の道です。

ここから、それぞれの分類ごとの主な業者さんを紹介します。

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