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本数は減ったけれど濃厚だった、2020年のお仕事を振り返る

2020年、いちおう仕事納めました。今年は「ものすごいやり遂げた感」こそないけれど「それでもよくがんばったな感」はある、不思議な年です。世界じゅうがいままでにない状況だったのだから、致し方ありません。

昨年の今ごろにも、2019年の振り返りnoteを書きました。そのときは自分のできていない部分ばかりが気になって、このままじゃいけない、もっとストレッチしなくては! という焦りがものすごくあったと思います。

でも今年は途中で、いったんその「焦りからくる決意」を取り下げました

ほんまこれ。0歳児と4歳児を抱えたうえ、コロナで登園自粛や健康不安に振り回されているのに、気ばかり焦るのはとても精神に悪かったです。

なので、まずは自分の「できていること」に目を向ける。それでも「できていないこと」にジリジリしてしまうときは、その「できていないこと」が本当に自分に「必要なこと」なのか「できるようになりたいこと・なるべきこと」なのかを見つめ直すようにしました。

これが意外と、自分にとって不要なことまで「できるようにならなくちゃ」と思っていたりするんですよね。「この人すごいな」「あんなふうになりたい」にばかり引っ張られると、やっぱりそうなっちゃうんだと思います。「すごい誰か」のことは置いておいて、自分はどうなりたいの? どう生きていきたいの? と、己に問い続けた一年でした。

フラットに自分を見てみれば、相変わらず締切は守れているし、少なからずご指名のお仕事もいただけている。イレギュラーな2020年は、ひとまずこれでもう、充分だったのではないかなぁと思えています。

取材数でいえば、175本→114本→94本と、3年連続減少。納品数も約200本→約150本と減りました。でも、収入は微増をキープしています。仕事の8割はライティングなので、シンプルに単価が上がっているということだから、悪くない変化です。(とはいっても、興味がある内容なら1本1万円でも書いたりします)

■2021年は、いままでに書いたことのない場所へ

とはいえ、2021年はもっと現場に出て、取材がしたいですね。まだ収束していないけれど、気持ちはすっかりコロナの反動で、たくさんの人とプロジェクトがやりたいモードになっています。多くの人に会って、いろんなものを受け取ったり渡したりしながら、いいものつくっていきたいな

ジャンルとしては変わらずに、生き方や働き方、表現など広く。ジェンダーやフェミニズムも、引き続き学びながら関わっていきたいです。

ここ数年増えている著名人取材では、なんとなく好きな「型」が見えてきたような気がします。第一線でバリバリやっている方のちょっとかわいいところを引き出したり、これから伸びていく方のみずみずしい思考を整理して言葉にしたり、というのが得意なようです。若手の俳優、アイドル、男女問わず。その線で、紙の仕事も増やしたいですね。

大きなジャンルでいうと、私は「Webライター」にくくられているのかもしれません。でも、自分のことをWebライターだと思ったことはないし、これからも思わないと思います。フィールドは、Webや紙だけではありません。いままでに書いたことのなかった場所や、いままでにつくったことのないものとの出会いを、2021年は広げていけたらなとふんわり感じています。

なので「こんなこと、できる?」「これってどう?」みたいなご相談も、大歓迎! 私からも、お声がけさせていただくことがあるかもしれません。

WORDSの竹村さんがおっしゃっている「顧問編集者」的な動きにも、とても興味があります。対象が経営者なのか、演者なのかまだわからないけれど……マッチする方があらわれたら、ぜひこんな仕事もしてみたいです。

<1月>

インフルエンザにかかり、ライター生活9年目にして初めて、自己都合で取材をとばしました。もちろん編集さんに事前相談をしたり、みずから代理の方を手配したりして、事なきを得た。けれど、あらためてフリーランスの体調管理の重さを感じる出来事でした。

今年もお世話になったGINZAの一発目は、福士蒼汰さんインタビュー。

高橋一生さん×タナダユキ監督の対談。
映画「ロマンスドール」もすばらしかったです。タナダさんが選書した「夢中さ、きみに」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」も最高。

<2月>

「キネマ旬報NEXT」で仲野太賀さんインタビューを担当。
「とてもスッキリと清潔な文章を書かれる方ですね。味わい深く読みました」という感想をいただき、ものすごくうれしくなりました。スッキリと清潔、めっちゃよくないですか?

<3月>

コロナの足音が大きくなってきているけれど、ぎりぎり取材があったころ。「まいにちdoda」でインタビューしたりゅうちぇるさんの仕事論には、とても勇気をいただきました。

気づけば6年のお付き合いになった高山都ちゃんに、ひさしぶりのインタビュー。みやちゃんの言葉、すごく共感度が高いから、まとめていくのも楽しいんですよね。

<4月>

緊急事態宣言で稼働がぐっと減り、オンライン含めて取材6本/納品8本。子どもを見ながらのんびりやっていた時期です。

せっかく媒体仕事が落ち着いているならと、個人や経営者向けのインタビュー+ライティングサービスをはじめてみました。無理のない範囲で5件ほどお受けして、個人向けワークの難しさと面白さを実感。普段は後回しになりがちな「種まき」もできたと思います。

GINZAで担当した磯村勇斗さん取材は、2020年上半期のGINZA Webで一番読まれたインタビュー記事に。こういうの、地味にめっちゃうれしい~!

<5月>

引き続き、動きは地味だけどとても大切な種まきの時期。ただ、媒体の仕事が減ったぶん、クライアントワークが増えていました。企業SNSの中の人やコーポレートサイトのコンテンツ編集など、力の要る仕事も多かったです。

ウートピでは、めずらしくエッセイを書かせていただいたりも。

<7月>

徐々に取材も復活しつつ、クライアントワークでは「ブランドサイトのテキストまるごと受注!」みたいな大型案件が重なって、ばたばたと大忙し。

キネマ旬報dig「今日から俺は!」特集号では、賀来賢人さん・清野菜名さん・柳楽優弥さんのインタビューを担当しました。
この作品、大学サークルの友達でいまはプロダンサーの楢木和也が、オープニングダンスなどの振付をしているんですね。旧友と思わぬかたちで遠い共演ができて、じんわりうれしかった案件です。

それから、この月にはずせないのは三浦春馬さんのこと。
昨年インタビューをさせていただき、日ごろから活躍を追っている同世代の方の訃報は、とても苦しかったです。インタビュー/ライティングという仕事になにができるのか、なにをしてはいけないのかということを、よく思考しました。

三浦さん、本当に素敵な方ですよね。
わたしたちはこれから、アフター三浦春馬の世界を生きていかなきゃいけないんだな、と思います。

<8月・9月>

相変わらず、ありがたくも忙しい日々。企業内広報的な仕事が多かったので、実績はあまり外に出せていませんが、気づけば28本もコンテンツをつくっていました。

じつは思いがけず第三子を妊娠し、流産していた時期です。

<10月>

取材10本、納品19本。日ごろはインタビュー記事が多いのですが、コピーライティングもやります。

ニューバランスのランニングシューズ「FuelCell RC Elite」では、キャンペーンのボディコピーを担当。自分で書いた「かつてない道をいかなければ、新しい世界はひらけない」という言葉に、じわっと励まされたりして。

朝日新聞 全国版の朝刊に掲出されたのは、レゴの15段広告! 新聞広告ははじめてだったので、うれしかったです。長男がレゴに取り組む姿を見ながら、ボディコピーを考えました。

<11月>

取材17本、納品16本。
以前取材したことのあるインフルエンサー・5歳さんから熱いお招きをいただいて、ライター講座「ぶんしょう舎」に登壇しました。あらためて、そんなお声をかけてもらえるのは、本当にありがたいことです。

驚くほど豪華な講師陣のなかで、ライターにとって非常に大切な「インタビュー・対談」というテーマを任せていただきました。ものすごいプレッシャーでしたが、2時間にすべてを詰め込んでお話できたと思います。誰かのお役に立てたらいいな……!

ちなみに「ぶんしょう舎」は、1月にも牧野圭太さんと田中泰延さんの講義があり、これまでの講義もアーカイブで視聴できます。なので、これから参加するのもおすすめ!

<12月>

当事者と識者にみっちり取材をしてつくったのが、DRESSの介護特集。
わたしは「介護離職」と、介護と子育てが同時発生する「ダブルケア」の記事を担当しました。年齢的にも他人事ではないし、いまこのタイミングで関われてよかったなと思う案件です。

ハヤカワ五味さんが運営するウィメンズヘルスケアブランド「ILLUMINATE」では、雑誌「MY PASSPORT」を創刊。巻頭インタビューで、元アンジュルム/ハロプロリーダーの和田彩花さんに取材しました。

「Sheis」では、ハヤカワ五味さん×和田彩花さんの対談も担当しています。

ハヤカワ五味さんは、なにげに3回目くらい。活動はもちろん、ご本人の言葉もおもしろくて、いつも楽しく取材させてもらっています。

あとは、昔からめちゃくちゃ興味があった宇宙関連の取材ができたのがうれしかった。記事は来年公開予定です。ほかにも面白そうなお仕事がぽつぽつ決まっているので、お楽しみに!

<番外編>

今年いちばん読まれたnoteはこちら。「いい夫婦の日」キャンペーンと称して、夫がしてくれた大小さまざまなことを振り返る短期連載の、プロローグ的な一本でした。

こちらは地味に反響がありました。

毎年、こうして振り返ってみてはじめて、一年の全貌が見えてきます。今年は心がひりひりすることも多かったけれど、総じて「うれしい仕事」のたくさん実った年でした。関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました! そして、2021年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

■楽しいお仕事、心震えるお仕事のお誘いは

メール: sakura.0116.sakura@gmail.com
Twitter: @sakura011626
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