八十夢

いくつもの眠れぬ夜を越えて迎えた夢。
切り裂くような静寂で、目覚めた夢。

暗すぎる夜に僕は、
いつの間にか、真っ赤な嘘で対抗していた。
結果は見え見えだったが、
「12月の逃避行よりはマシだろう」なんて甘い考えのキツネに
3,000円払ったところで目が覚めた。

徒労。
徒労に次ぐ徒労。

見返りなんて求めていなかった。
少なくとも、布団に入った時はそのつもりだった。

気がつくとすごい汗で、
全部嘘で、
叫び出しそうだったが、
それも嘘だった。

子供たちは今日も、縄跳びをしていた。
ピョンピョン、ピョンピョンと、
僕はそれを眺めながら、
僕らになっていくのだろう。

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