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「高齢の方だからマシン指導」って思ってない?

こんにちは!
トレーナーの菅谷智紀です。

▪マシンがあるジムだと安心
▪マシンが無いジムだと不安
▪筋トレはまずマシンから
▪自重だけの運動で大丈夫?
▪ご高齢の方はマシンで安全に

フィットネスクラブにお客さんとして通う方も
フィットネスクラブで働く従業員も、
パーソナルトレーニングジムに通う方も
その従業員も
みんな一度はそう考えた事、
また提供した事があるのでは無いでしょうか?

今日はその
「筋トレはまずマシンから」
「ご高齢の方にはマシン指導」
が必ずしも正解で無い
というお話をさせていただきます。


■マシントレーニングは安全?

まず結論、
怪我のリスクは少なくなりますので、
フリーウエイトトレーニングに比べると安全です。
グリップが滑ってもダンベルやバーベルが
顔や足に落ちてくる事も無いですしね!
もっと言えば、
スマホいじりながらでも出来ますからね(笑)
(ジムでよく見る光景です)


■マシンは体の機能を低下させる

マシンでのトレーニングは
確かに安全性が高く怪我のリスクは低いです。
しかし、マシントレーニングだけでは
体の機能は向上しません。
場合によっては機能低下に繋がります。

◎日常生活の動きと程遠い

人間の最も重要な動作は立つ事と歩く事です。
ですが、
マシントレーニングで
立って行う種目はほぼ無く、
また歩く際に必要な立位で頭部が動き、
かつ複数の関節が動くようなマシンはありません。

ただ座ってバーを上げ下げ
ただ座ってバーを押して引いて
ただ座って膝を伸ばして曲げて
これだけでは姿勢は綺麗にならないし、
怪我の予防にも繋がらないし、
立つや歩く等といった日常生活の質や
機能も向上しません。
(ただ筋肉を鍛える事が目的の場合はマシンが有効になります)

◎安定し過ぎる

マシンのメリットは
何と言っても安定している事です。
くり返しになりますが、
頭の位置がブレる事も無いですし、
目で見る景色が変わる訳でも無いですし、
バーの起動すら変わらない。

そう!
その安定し過ぎている事で
脳の活性化やホルモンの分泌等には
メリットが薄いんです。
(筋肉を使う為、成長ホルモンや男性ホルモンへの影響はありますが、アドレナリン等の分泌は下がります)

先程の立つ動作や歩く動作に共通するのは
足裏が床に付いている事、
頭の位置が動く事、
目線が変わる事、
複数の関節が複合的に動く事
等があります。
まさにマシントレーニングは
これらの共通点の真逆に向かっている運動なんです!
下半身を鍛えるマシンなんて
足裏が床に付かない事が多いし、
頭の位置が変わるマシンもほぼ無い、
結果目線も動かず、
関節も一つの関節しか動かない。
仮に複数の関節が動いたとしても
決まった軌道でしか動かない。。。
自分の意思で、
自分の身体をコントロールする能力は
ほぼ向上しないんです。

◎スポーツ選手も同じ

スポーツ選手でも
競技特性を考えた種目を実施したいですよね。
単関節運動のやり過ぎは逆効果ですし
ゆっくり筋肉に効かせる
というのも逆効果になり得る事もあります。

過去にこんな記事も執筆してますので
是非チェックを!



■『ご高齢の方=マシン』はダメ

基本である歩行動作や立つ動作が
衰えない様に体の使い方、感覚の練習を
するべきなのはご高齢の方です。
もうお分かりかと思いますが、
って事はご高齢の方こそ、
座って安全に行うマシントレーニングだけでは
足りないんです!

『お客様がご高齢の方だから
無理せず安全にマシントレーニングを
主体にメニューを組もう』
は完全に間違いである事が分かりますよね!

◎日常生活の動きから機能向上

下半身の筋力が衰えない様にという
目的でレッグプレスを採用するのであれば、
安定した椅子を用意し(パイプ椅子で十分)、
そこにゆっくり座って立ってを5回でも
繰り返した方がよっぽど効果的です。
また
「スクワットはリスクあるからレッグプレスにしよう」
と最初から思考停止でメニューを組まくらいなら
壁に手を付いて浅ーくしゃがむスクワットの方が良いですよね。
※体の機能を低下させない
という事を目的にするならば
レッグプレスよりも
手すりを掴んで
階段を昇った方が良いとすら思います。

「怪我をしない様に」
と思ってマシントレーニングをやり続けた結果、
実施中の怪我リスクは減っても
日常生活中の怪我リスク軽減や
慢性痛の予防改善には効果が無い
体の機能も向上しない
なんて事になりかねませんからね!


■マシントレーニングにもメリットはある

当然ですがマシントレーニングにも
メリットはあります。
▪狙った部位を鍛えやすい
▪実施中の怪我リスクが低い
▪運動のハードルが下がり初心者に優しい

等があります!


■まとめ

箇条書きでまとめます。
▪歩行や立つ動作は頭が動く事で目線が動き、足裏の感覚も重要
▪マシントレーニングは安定し過ぎている為、日常生活の動きを改善する事は難しい
▪ただ安全に筋肉だけを鍛えてもメリットは多くない
▪ご高齢の方=マシンという固定概念を捨てよう
▪けれどマシン種目にもメリットはある
▪目的を明確にして使い分けよう

最後までお読みいただきありがとうございました!



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