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泉谷しげるearly daysの巻その8(資料紹介編)。

 昨夜、水道橋博士のツイキャスを拝見していたら、博士と原田専門家さんによるRCサクセションの濃い話が展開されていました。
あまりに面白くて、私は時々コメントするくらいしかできなかったです。詳しくはアーカイブが残っていますので、是非見てくださいな。

 と、前置きがちょっとだけ長くなってしまいましたから、今回泉谷しげるさんの初期について書いた記事の締めということで、使った資料について簡単に説明していきます。

・泉谷しげる「わが奔走」(ロッキング・オン)


 まずはこの物語の主人公、泉谷しげるさんの著書「わが奔走」について説明します。
この本の奥付によりますと、初版発行が1988年2月20日とあります。
つまり、アルバム『吠えるバラッド』(同年1月21日)の発売からほぼ1ヶ月後に発売されたということなんですね。

 あとがきによりますと、メインのインタビュアーは当初渋谷陽一さんが、途中からロッキング・オンの広瀬陽一さんで、書記を担当したのは元ミュージック・ステディの編集長だった小島智さんだったとのことです。
この本のための取材は三年間に及んだとも。

 何分、この時点で既に泉谷さんはデビューして、15年以上経っていますし、特にエレック・レコード時代は終わらないツアーを経験していましたから、記憶が曖昧になってしまった部分も多々あったということでしょう。     
 そんなこともありますので、忌野清志郎さんや吉田拓郎さんたちのように関わっている人たちの書籍などで、関連する事柄についてはできる限り確認しております。
 ただ、今回は触れていませんが、泉谷さんの(リアルタイムで進行していたので)ビクター移籍直前~移籍当初についてはかなり正確で詳細に書かれていますね。

 泉谷さんに水道橋博士が取材した際(「博士の異常な対談」)にはこの「わが奔走」をメインの資料にしているようです。

・連野城太郎「GOTTA!忌野清志郎」(角川文庫)

 この連野城太郎さんとはキティ時代のRCサクセションの担当ディレクター、森川欣信さんとのことです。
キティ時代のRCサクセションは当時の事務所から冷遇されていて、キティ・サイドの森川さんや宗像和男さんの方が熱心に動いていたとの証言が複数されています。

 泉谷しげるさんとのエピソードとして、「あきれてものも言えない」についての曲解説があります。
これは直に読んで確認してもらいたいので(下手に説明すると誤解されるかもということもあります)、興味ある方は是非読んでください。
そして、この本の後書きには謝辞があるのですが、そこに森川さんの名前がないことで、連野城太郎さんとは森川さんだ!と主張した人がいたことを思い出しました。

 そして、森川さんはオフィス・オーガスタを設立して、スガシカオさんや山崎まさよしさんに杏子さんなどをブレイクさせていますね。

 この本では清志郎さんがかなり詳細に少年時代からの話をしていて、ミュージシャンでもある森川さんがリアルタイムで経験したり、遭遇した事実の数々が更に興味深い内容にしています。

 ただ変名で発売したことや発売してすぐに品切れになったこともあって、業界暴露本という誤解を受けたこともあったのが残念ですね。
この本のRCのみならず、日本のロックシーンについて書かれている内容は、かなり重要だと思うのです。
奥付によりますと、平成元年(1989年)6月25日発行の初版本です。確か雑誌「POP IND'S」のレビューを読んで、大学近くの本屋さんで購入した記憶があります。
割と売れていますが、なかなか中古市場では見かけない一冊ですね。。

・「ロック画報 10」(ブルース・インターアクションズ)

 「ロック画報」は毎号興味深い内容なのですが、このRCの特集記事はとにかく濃いですね。
オリジナル・メンバーの忌野清志郎さんと破廉ケンチさんの対談、仲井戸麗市さん、森川欣信さん、RCとは縁が深い三宅伸治さんのインタビュー。
70年代のRCの活動についての解説は和久井光司さんが、80年代については小川真一さんが、活動休止後のソロやバンドについて三田真さんが書いていますね。
これはRCについて手っ取り早く知りたいという方にはおすすめの記事です。
そして、付属の完全未発表ライヴCD(後にヴァージョン・アップしたものがオフィシャル・ブートレグ『悲しいことばっかり』として発売されました)とその音源を録音した太田和彦さんによるライヴ・レポート。
早川義夫さん、北尾修一さん、手塚能理子さんの選曲とコメント。
他にも枡野浩一さんによる清志郎さんの歌詞についての分析と、湯浅学さんによるバンド・アンサンブルを編み出すまでの試行錯誤。
まだまだあるよのレコード・レビューなどトータルで80ページ超えの大特集ですね。

 これがRCの関連本では一番おすすめの内容ですが、出版元には既に在庫がないみたいです。。
熱心に探せば定価位で入手することは可能みたいなので、興味ある方は探して見てください。
奥付によりますと、私が持っているのは2009年7月25日発行(ちなみに清志郎さんが亡くなられたのは2009年5月2日でした)とありますから、再版されたものですね。
オリジナルは2002年の年末から2003年の年明けの間に発売されました。

 予想以上に長くなってしまったので、明日もまた資料紹介をやります。
明日も資料紹介をやって、明後日には登場人物紹介をやってみたらいいのかな?と考えております。
いかがでしょうか?

 ではまたー。




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