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TONY/ビコーズ~隠れ名曲、名演コレクション。

 昨日、コシミハルさんについて書いたので、YENレーベルかノン・スタンダードに関係があるアーティストを取り上げたいということでTONYにしました。
TONYは1979年にチューリップを脱退したばかりの上田雅利さんが結成したバンドとして知られてますが、ベースは後にF.O.E.(フレンズ・オブ・アース)~フェンス・オブ・ディフェンスの西村昌敏(麻聡)さんなのでした。

・TONY『Blue Gray』(XQFP-1025/シンコーミュージック)
TONYのファースト・アルバムに彼らのシングルのカップリング曲や未発表曲をボーナス・トラックとして追加収録した完全盤。

 デビュー曲の「ひと夏のスクリーン」はオリジナル・コンフィデンスで100位近くまでいったので、ラジオでよく流れてましたね。
オリジナル盤はキングレコードからの発売だったからか、西海岸サウンドというか、AOR色が強いという印象がありました(ちなみにキングからはサザン・クロスやセイル・ボートという割と近い印象のバンドの作品がリリースされていましたから)。

アルバムのほとんどの曲はヴォーカルの佐藤真紀さんの作曲でして、この「ビコーズ」は歌詞は上田さんが書いて、曲は上田さんとギターの加瀬田靖さんの共作で(ヴォーカルは上田さん)、「ラスト・ダンス」(ヴォーカルは西村さん)と「シャイニング・デイ」は西村さんの作曲でした。
「ラスト・ダンス」は後のフェンス・オブ・ディフェンスにつながるような仕上がりで、この曲にしようか、ちょっと迷ってしまいました。

 結局、「ビコーズ」にしたのは近年のライヴ映像がありまして、ギターにPIPERの山本圭右さんとキーボードにLIVE PSY・Sや松尾清憲さんと長く活動している小泉信彦さんが参加しているからでした。
もちろん、上田さんのヴォーカルとドラムスも素晴らしいのですが。

 チューリップ時代に上田さんがヴォーカルをとった「思い出のフリスビー」に曲調がちょっと近いかな。
他にも「早くおいで」や「走れ!ムーン号」とか上田さんがヴォーカルの曲好きなんですよね。財津和夫さんや姫野達也さんとは全く違った持ち味だったので。
ちなみに「ビコーズ」にはアコースティック・ギターで姫野さんが参加しています。
これは上田さんがチューリップを脱退したのは人間関係ではなく、新しいことをやりたかったからだったということなのでしょうね。
上田さんがコーラスに興味があった時期だったので、TONYのほとんどのコーラスは上田さんだったとか(一部はベースの西村さん)。

・「ミュージック・ステディ 新生号」(ステディ出版)
TONY『Blue Gray』のレコード・レビューを掲載。
画像をタップすると、上田雅利WH2&M「ビコーズ」のライヴ映像を見ることができます。

 その後、TONYは映画「宇宙戦士バルディオス」の主題歌「素顔のままで/Sea Wind」を発表したものの、自然消滅する形になりました。

 上田さんはALWAYS(姫野達也さん、安部俊幸さんに伊藤薫さんがチューリップ脱退後に結成したバンド、ベースは風祭東さんでした)に加入し、チューリップの再結成や杉真理さんと松尾清憲さん、伊豆田洋之さんたちで結成されたピカデリー・サーカスにも参加しています。  
現在もソロや色々なバンドに参加していて、現役バリバリで活動していますね。

 もしかしたら、私のブリティッシュ・ロック好きは、チューリップを小学生から中学生の時に聴いたことがベースになっているのかも?と思います。

 明日も多分、隠れ名曲、名演コレクションを取り上げる予定です。なんとなく決まりそうですが、実際に聴いてみたり、見てみたりして考えます。それではお楽しみに。

 ではまたー。

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