お日さん
遠くから祭囃子の太鼓の音が聞こえてきます。
目の前を子供らが歓声上げて走って横切ります。
「今年は近年に無く 温っかで お陰で豊作で
皆 誰もが安堵の様子で 笑顔で
祭りを楽しむことが出来て 良かったべ」
「これでさみぃいふゆも無事に越せるべ」
「お日様がぽかぽかと温ったけえなあ」
「わたくしは満足だ。こんな優しい両親に恵まれ、
心を分かち合うことの出来た姉妹も居た。
思いの果てを言葉に替えて 夢幻の世界を語ることも
鍬を持ち土を耕し 大地に生きる農夫ともなった。
わたくしは 自分に正直に 嘘 偽る事無く生きて来れた。
今 ぽかぽかのお日さんの下で
こんなに穏やかで 静かで ゆったりとしている
いがった いがった。 本当にありがたがった・・・」
(方言めいた創り言葉も 全面的に私個人の創作です)
賢治さんは 温かな縁側の 戸にもたれかかり ぽんやりとお日さんを見上げながら
そんな風に にこにこと 心穏やかに 全てが幻想のベールのあちらで
かすかに過ぎていく様な そんなまどろみの中にいた様な
そんな風に思えるのです。
大自然に抱かれて その言葉を 自分の心象のフィルターを通過させ
浄化して言葉に出来たらいいな
自分に嘘つかず 正直であり続けられたらいいな。
そしたら ぽかぽか温かい お日さんを
こんな風に見上げることが出来るのだろうに と 思います。
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