副業って実際どうなの? 2つの副業をやった私が思うこと
昨年1年間、本業のコンサルティングをやりながら、2つの副業をやる生活をしていました。
1つはWORDSという編集者の会社のお手伝い。もう1つはヨガの先生です。
今日は、ぜんぜん違うことを3つ並行する生活を送ってみて、気づいたことをまとめてみようと思います。
キャリアの移行がスムーズになった
いちばんよかったのは、次のキャリアにスムーズに移行できたことです。
私はもともと文章を書くのが好きだったので、いままでやってきたコンサルティングと文章をなにか掛け合わせることができないか、考えていました。
そんなときにWORDSの「経営者の顧問編集者」という仕事に出会います。
この仕事に「経営 × ことば」の可能性を感じた私は、すかさず連絡して、定期的にお話しさせていただくようになりました。
なんとなく可能性は感じました。でも、私は編集やライターの経験はゼロ。WORDSもまだ社員が2人しかいなかったので「ぜひ採用してください!」ともなかなか言えませんでした。
そこで、業務委託からお手伝いをさせていただき、少しずつかかわりを増やしていきました。
結果的に1年間ご一緒させてもらい、今年から正式に入社することになりました。1年間かけてお互い様子をみることができたのは、すごくよかったと思います。
いくつかの活動があると 「遊び」 が生まれる
もうひとつよかったのは、まったく違う活動を並行してやっていると、メンタルのバランスを保ちやすかったこと。
言ってしまえば「気分転換」なのですが、もう少し違うニュアンスもあると思っていて。
あくまで私の場合なのですが、一つのことしかやっていないと、その物事に対して深刻になりすぎることがあるんです。
たとえば、来週大事なプレゼンがある。そういうときは「プレゼンの準備に集中しよう」と思いますよね。
でも、そのプレゼンのことばかり考えていると「遊び」がなくなってしまうんです。
日常生活や何気ない会話の中にプレゼンをもっとよくするヒントがあったりするのに、それを見逃してしまう。
むしろ自分の考えたストーリーラインで完成させることにまっしぐらになって、他の情報をシャットアウトしそうになることもあります。
それに、一つのことばかり深刻に考えすぎると消耗します。ものすごく疲れて、それ以上考えられなくなるんですね。そうするといいアイデアも出てきません。
そんな状態だと、休日は何もできなくなって、ただ寝て過ごしてしまうんですね。
もちろんほんとうに疲れ切っているときは、寝て回復したほうがいいです。でも、多少疲れていても「仕事」という形で誰かのためになる活動をすると、むしろ何もしないよりエネルギーが回復する感覚がありました。
私にとっては「ヨガの先生」をやることが、エネルギーを回復する活動でした。
ヨガの先生は毎週日曜日にやっていたのですが、疲れていると「もうほんとうに行きたくない……」と思うことも正直ありました。
でも、定期的にきてくださる生徒さんがいて、レッスンを楽しんでもらえる。レッスンが終わると「行きたくない」と思っていた気持ちが嘘みたいに消えて、エネルギーがわいてくるんです。
ほんとうに趣味の延長くらいで細々とやっていただけですが、生徒さんがきてくださるのはすごくありがたかったです。私が提供するものより、生徒さんからもらうもののほうがぜんぜん多かったと思います……。
なので大したことはやっていないのですが、とにかく本業以外の活動を走らせておくと、いい具合に「遊び」が生まれると思います。
そういう意味では副業じゃなくても、夢中になれる趣味を持つのもいいと思いますし、家族や友人との時間を楽しむみたいなことでもぜんぜんOKだと思います。「エネルギーが湧いてくる活動をいくつか持っておく」みたいなイメージです。
でも裏を返せば中途半端
ただ、本業+副業2つの生活は1年で終わりにしました。
それはやっぱり、それぞれの活動が中途半端になってしまうから。
編集の力をゼロからつけるには、もっとちゃんと時間を使わないといけない。
ヨガは、生徒さんが来てくださるのはすごくうれしいけど、ほんとうにちゃんと先生をやるなら、やっぱりもっとレベルアップしないといけない。
コンサルティングは楽しいけど、今のまま続けるつもりはないから、あまり長くやり続けてもまわりに迷惑になってしまう。
そこで、いったん編集の仕事に集中することにしました。
けっきょく、集中するか分散するかはバランスの話だと思うんです。調整するツマミがあって、時期によってツマミを上げ下げする感じ。
そのことがわかったのも、2つの副業を並行する時期があったからです。
いまはいったん集中のタイミングだけど、また時期を見ながら分散して、またべつのことに集中して、の繰り返しでやっていくのだと思います。
みんなの理解があるから副業できる
自分の話ばかりしてしまいましたが、ツマミを調整するように働き方を選べるのは、まわりの理解があってこそです。
特に、私がいたコンサルティング会社には感謝してもしきれません。
副業を認めるって、ふつうに考えると会社としてはメリットがないです。本業に集中してもらったほうがいいし、私のようにやめていく人も出ます。
それに、全員が副業したいと言い出したら会社は成り立ちません。本業としてがんばってくれている人がいるからこそ、私のわがままが通るんです。
それでも、個人の成長を応援してくれる風土だったから、認めてもらうことができたんだと思います。
これはコンサルティング会社に顕著かもしれませんが、いい人材を輩出することがいちばんのブランディングという考え方があることも大きいです。(だから私はちゃんとがんばらないといけないです……!)
副業先でも、使える時間がかぎられる中で、さまざまな調整をしていただきました。それも理解があってこそです。
会社だけでなく、家族がいる人は家族の理解も必要かもしれません。
だから、私が言うのもあれなのですが、副業って「選択するもの」じゃなくて「選択させてもらえるもの」なのかもしれません。
副業に興味のある人は、ぜひやってみるといろんな発見があると思います。そして、その選択のためにまわりの人が配慮してくれているのであれば感謝しましょう。私もその気持ちをずっと忘れないようにしたいと思います。
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