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効率的なノウハウを求める人が見落としているもの

いきなり申し訳ないのですが、1分だけ時間をください。

次の動画の「注意力テスト」をぜひやってみてほしいです。

バスケットボールのパス練習をしている人たちが出てきます。「白い服を着ている人」がパスする回数を数えてください。


このテストをやったことのない人は、ぜひやってから読み進めてください。











ゴリラ、見えましたか?

これは「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著)という本に出てくる “invisible gorilla” という実験です。

この本によると、約半数の人がゴリラに気づかないそうです。白いシャツを着たチームのパス回数を一生懸命数えていると、堂々とゴリラが登場しても全く気付かない、というわけです。

みなさんはどうでしたか?

「お題にまっしぐら」 の危険性

「白いシャツを着たチームがパスをする回数を数えること」に集中すれば、目的は正しく達成されます。

でも、与えられた目的だけに集中しすぎると「ゴリラ」に気づかない。普通に考えれば気づくはずの重大な物事さえ、見落としうるんですね。

与えられた「お題」のために、効率的なやり方に従って、正しく目標を達成する。

これは一見すると正しいですが、けっこう危険かもしれません。

たとえば、いまの時代の就職活動にもその側面があるかもしれません。

選考を通過しやすいエントリーシートの書き方、よろこばれる面接の振る舞い方、有利に内定を取るための人脈の作り方、等々……。

もちろん、それらの中には役に立つものもたくさんあります。でも「内定を取る」が目的化しすぎて、ノウハウにのめり込むのは「ゴリラ見落とし状態」になっているかもしれません。

仕事をする中でも、そういう側面があるかもしれません。

会社でいえば、売上や利益の目標や、それらをブレイクダウンした数値目標。あるいは、自分自身のキャリアにおける目標。

そういう目標のために一生懸命がんばるのは、とても大切なことです。

ただ、目標のことばかり考えてまっしぐらに走りすぎるのは、やっぱり「ゴリラ見落とし状態」になるんだと思います。

たまには寄り道をしたり、「いま目標だと思っていること」にこだわりすぎずにいろんなことを考えてみたり。

大事なものを見落とさないためには「遊び」を持っておくことが大切だと思います。

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