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『ちいさいモモちゃん』のススメ


この記事では、児童書担当の書店員が、大人に読んでほしい子どもの本を紹介します。

児童書をあえて大人にオススメしたいのは、子どもの時とは違った視点で物語を楽しめるからです。

今回紹介するのは『ちいさいモモちゃん』
発表されてから60年ほどの時を経ながら、今なお現役で書店に並ぶ
超ロングセラーです。

想像力豊かなモモちゃんと一緒にワクワクする世界を楽しめる本です。

でも、大人になってからよく読んでみると気づくことがあります。
お母さんが働くために、モモちゃんを「あかちゃんのうち」という施設に預けているのです。

現在でもシングルマザーの置かれる状況はシビアなことが珍しくありません。60年前の当時、モモちゃんとお母さんの置かれている状況が、実はとてもシリアスだということが見えてきます。

そんな背景を踏まえて読むと、小さなセリフ1つにも奥深い意味があることが分かって、物語の味わいが何層にも深く感じられます。

子どもの時に親しんだ人も、読んだことのない人も。
ぜひ手に取ってほしい1冊です。


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