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転職に至る過程

おそらく人生で最後の転職になると思う今回の経緯について、自分の為に忘れないように事の顛末を記したいと思う。なるべく具体的に書いてみる。

10代で小売業に入る。いわゆる家電量販店だ。高校を出て新卒でJRに入社して、ホームシックで一年で退職した。今思うと勿体無いことをしたと思う。根性がなかったのだ。いまさらだけどしょうがない。その後地元に帰って家電量販店に入社した。選んだ理由としてはハローワークで、俺の地元の中ではまあまあいい給与だった、だけの理由だ。別に家電が好きだったわけではない。今でもそんなに好きではない。面白いとか便利だとは思うが。

なんだかんだで十数年働いていた。ここで一生を過ごすと半ば考えていた。
転職を考えたきっかけの、一番の理由はお客さまからのスカウトだった。そのお客さまは訳あって退職するので自分の後任を探していて、そこで接客していた俺に白羽の矢が刺さった。その方が何故退職するのかと言えば、議員に立候補するからだったというのが最近説明された。そんなことがあるのか。

お客さまは保険業界の方で、けっこう給与は良かった。しかし地元の代理店で、地元企業はブラック企業しかいないと思っていた俺は、別の人に相談して、その人の務める大手保険メーカーの面接も受けさせてもらった。俺は営業力に自信があっておそらく無形の商材を売ることは出来ると思うが、これ人間関係を金に変える仕事だなと思った。そこが自分のストレスになると思った。あとはこの仕事ほとんど詐欺じゃねえかと思った。保険商材自体が詐欺だ。全然胸を張れる仕事ではないなというのが俺の感想。業界自体も先細っているし、保険屋なんてなくてもいいわ、カス。関係ないが、面接に関わったほとんどの人が、俺の話を聞くのではなく、自分の話しかしなかったのが印象的だった。人間って人に話を聞いてもらうのが嬉しいのに本当このオジサン達は自分の話しかしてなかった。

面接を2社受けて思ったのが、せっかく仕事をするなら三方良しの仕事がいいなということ。三方良しとは、売り方、買い方、世間の三方がそれぞれ良いと思える商売のこと。今の仕事はまあそれに近いのかもしれない。しかし、ちらほらと給与の限界が見え始めてもいた。一般社員の月の基本給の上限は28万円で、大体年収500万が上限だった。管理者になればもっと上がるのかと思いきや、550万円くらいが限界だった。正直夢がないなと思った。やっぱり給料はいいに越したことはない。
あと、この業界ではほとんどインカム(トランシーバー)をつけて仕事をしているのだが、そのインカムが最近どうしても我慢できなくなっていることが問題だった。例えば接客をしている最中にインカムでいくら売れるの?とかどうなのみたいなことを聞かれたり、インカムで冗談を言われたりするとクソうぜえとなる。インカム自体を付けたくないなというのが本音だ。放っておいてほしい。多分耳も悪くなる。
仕事をしない人の仕事が俺に回ってくるのも嫌だった。そんなに給料変わらないのに仕事量を増やさないでほしい。電話とか問い合わせとかの雑用を全部任せるな。俺だけではないが、仕事するメンバーが決まっている。もうこれは自分が頑張ってどうこうではなく構造の問題だ。店舗の運営や、マネジメントの問題だ。要するに我慢の限界が来たのかもしれない。
事業の展望にも疑問があった。家電量販店あるあるで他店より安くするというのは要は利益を削っているのだが、粗利がざっくり販売額の10~15 %とか多かった。その中で給料は利益額で歩合が決まるという。安くするとうたっているのに、高く売らないと給料が上がらないというのは矛盾を感じる。結局ネットが安いのに、なんなら自社ECサイトの方が店頭表示価格より安いのに、それを黙ってそれより高い金額で販売するのも一貫性がなくて意味が分からなかった。流石に接客の際に言われたら合わせるが、購入者によって販売金額が違うのがダルい。意味わからなくない?俺が潔癖すぎるのか。数々の細かい矛盾点などが目についていて俺の容量を超えていたのか。

やりがいはあったのか?
接客は好きだった。お客さまの喜ぶのが直接見れるのは良かった。役に立っているという実感はあったし、顧客になっていただいている方も100人くらいいらしたので、客商売向きの性格だったのだと思う。普通に売上はいい方だったので向いていたんだろう。そこは勿体ない。しかし次は物流の管理者みたいな業務なので、全く接客スキルは役に立たない。立たないわけではないが立ちにくい。無駄にはならないと思うが。

家電量販店は無くなることはないと思うが、未来が暗い業界ではあると思う。ニード接客の結構難しいことをしているのとは思うのに。これは小売というか流通業全般に言えることだが、もう少し待遇を上げてほしい。特別なスキルを必要としないのと自ら値引きで利益を手放していくスタイルが己の首を締めている。給与とか休日とか改善しないと人が来ないぞ。やっとこさ連休制度が始まってきて良かったなーと思っていたが、新職場は3週間有給必ず使ってくださいというスタンスらしいので嬉しい。

長々書いてしまったが、やりがいというのが俺の中で給与という数字に変わってしまった。それは悪いことではないし当然のことなのだが、何となく後ろめたさを感じる。あと結局店舗の管理者と合わなくなっていたのだ。周りから見ればすげー可愛がられていたが、腹の中では色々考えていて、それを実行にうつしたまでよ…


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