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【知ってると得な物理の解き方】1.二体問題における摩擦の知識

こんにちは、K.Tと申します。本日は表題の通り、二体問題における摩擦の対策法をお送りします。

今回の条件はトップ画の通り。実際に、(1),(2)を考えてみてください。
(1)各物体の力を図示せよ。
(2)上の物体が落ちず、かつt=0の際の各々の座標が0であるとした時、最終的な各物体の速度Vfおよび、小物体が台の上を移動した距離Lはいくらか。
(小物体が動いた距離Xは、台が動いた距離xよりどれだけ大きいか)

(1)
まずここで重要なのは、当然ながら作用・反作用の法則です。
ぶっちゃけ大抵の場合、摩擦力と垂直抗力の場合を考えれば十分ですね。
…結構難しく考えがちですが、摩擦力に関しては、下の図が役立つのではないでしょうか。

画像3

粗い地面を極端に描くと、こんな感じになります。上の物体が右へ動くなら、当然上の物体は左側、下の物体は右側に動きますね。
これを応用すれば例えば下の物体が先に動く場合や、向きが逆の場合でも簡単に解くことができます。
一方で垂直抗力をイメージするなら、手にシャーペンの芯を押しつける(圧力を大きくして実感する)のがわかりやすいですね。皮膚が押し付ける側に凹む一方で、芯も逆側に力を受けて折れてしまいます。

以上を踏まえると、正解は下図になります。

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(2)
速度に関しては、一番簡単なのは、知っていれば運動量保存則から、
mv0 = (m + M)Vf ∴Vf =m/(m+M)*V0
です。ただし結局変位を求めるためには、他の式が必要ですね。例えば仕事の関係から、

図1

図2


ただし、基礎の範囲でもこの問題は解くことができます。運動方程式から加速度を出したのち等加速度運動の式を用いて、
上の物体:v = v0 - μ'gt    ※ma = -μ'mg
下の物体:V = μ'*m/M*gt ※MA = μ'mg
速度が同じためV-v = 0であることからtを求め、そこからVの式に代入すると、同様の値が得られます。なお、v-tグラフは下図になります。

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このv-tグラフの概形は、暗記してもいいくらい重要です。
ここで注目したいのは、まずは傾き。当然ですが、質量が大きい下の物体の方が傾きが小さくなります。(質量が物体の動きにくさであることの現れ)
もう一つは、図の三角形の面積が先ほど求めたLと一致する点です。考えてみれば当然で、この面積は上の物体の変位(上底がm/(m+M)*v0、下底がv0の台形の面積)から、下の物体の変位(斜辺が黄色の線の三角形)を引いた面積である点です。
わかり易いですが地方国立〜旧帝大の広範囲で頻出のグラフなので、この機会にぜひ覚えてしまいましょう!

それでは。

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