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つながりの読書2 ~「WORK DESIGN」(ワークデザイン)

連休中に読もうと決めていた本、「WORK DESGIN - ワークデザイン~行動経済学でジェンダー格差を克服する」(著:イリス・ボネット)という本。 3月か、緊急事態宣言の谷間となる週末前のウィークエンドの夜、ひさしぶりに会った尊敬する女性の友人が薦めてくれました。 435ページ、フォントは小さめで、ページを何度かめくりながらも積読していました。エビデンスに基づく男女平等への道筋、そう帯にある通り、欧米のビジネススクールなどでの、人事、職場と学校、ダイバーシティーに関する実験、実態のエビデンス結果、ケーススタディがちりばめられていて世界各国の様子が見えてくる、しかもこの本は10年をかけて書かれています。目次より、(そもそもの)問題(人が持っているバイアス)、人事のデザイン、職場と学校のデザイン、ダイバーシティのデザインを取り上げています。

実に膨大なエビデンスをちりばめた内容で、この本について何か書くのはおこがましいと思ったので、せめて、自分の気づきの部分として2つ備忘しておきます。
 問題の発端となっている部分について、「女性は他人の世話をするもの」というステレオタイプに沿って行動すれば、好感はいだかれるが、敬意はいだかれない場合が多い」。「ジェンダーに対するステレオタイプ。 多くの研究が明らかにしているように、自己アピールの機会を与えられると、男性は自分の能力を誇張し、女性は能力を控えめに述べる傾向があろう」
自分自身が、子供から大人に、社会人になってからの大なり小なりの経験を経て、上述のジェンダータイプに従って、無意識に行動していた部分がある。その方が、特に、社会に出てからは、組織の大半を占める男性から反感を買わない、年上の女性からも反感を買わない。生きやすかったのだろう。 (だから自分はだめだったんだ)、とは思わない、ただ、(そうだったのだ)、ということを確認した。自己アピールがさっぱりできない自分に対して、「この本を読んでみてください。アピールができないのは決して自分のせいではないと理解ができて、安心した」そう伝えてくれたのが彼女。 

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こちらはプラス面として、ダイバーシティについて
「人は自分と似たような人と一緒にいるのが好きなのだ。しかし、選択枝が少なければ、属性の違いへのこだわりは少なくなり、異なる集団間の接触が増える...  接触が増えると、異なる集団間への偏見が弱まることが多い... 人はたいてい、そうせざるをえない状況に置かれないかぎり、ダイバーシティを追求しようとはしない。しかし、ダイバーシティは数々の恩恵をもたらす。多くのラボ実験によれば、ダイバーシティが高まると、生産性が向上するようだ」
このラボ実験は、ジェンダーのダイバーシティについてのことなのですが、ジェンダーという枠を超えても同じことが言えそうだ。 組織を一つの同じ属性を持つ集団ととらえたとき、気づかないうちに同調性が働き、異なるものを排除しようとするかもしれない。 集団が小さいあるいは、個人であれば、異なる集団や個人との接触は増やさざるをえない、増やしたほうがいい。 一つの集団もしくは個人には得意なことと苦手なことがある。いろいろな集団や人と交わることで、アイデアだしであったり協同作業ができるようになる。そうすると生産性が向上する、発見もある。生産性だけではなくて、新しい気づきが生まれるかもしれません。

GW中は、本の中を旅しました。この本を紹介してくれた彼女も、出会おうとしなければ出会わなかった。この本に合わせるならば、ダイバーシティ=多様性の良さからつながった方だと思う。ありがとう。

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