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【東大生note】「本当に使える」資格はなにか、東大生が考えてみた。

本日は、就活を控えた大学生(私)や社会人の方に向けて、東大生オススメの「本当に使える資格」をご紹介する。

世の中には星の数ほどの資格があるが、そのほとんどは「使えない」資格である。趣味で取得するならまだしも、実際の生活においては役に立たないものが実に多いのだ。

いろいろな資格を趣味で取ることは構わないが、特に大学生の場合、自分の貴重な時間をどう配分するかはよく考えるべきだろう。


それでは本題に入ろう。私の考える「本当に使える資格」は、次の2つだ。


・宅建

・FP2級


これらに共通するのは

・社会的認知度の高さ(国家資格であること)

・得られる知識を使うことで実際に『利益』を生むことができる

という特徴であり、これがそのまま「使える資格」の条件にもなる。

今日は上記のうち「宅建(=宅地建物取引士)」について見ていこう。



宅地建物取引士

おそらく、宅建という資格を聞いたことがない人はいないであろう。

毎年20万人以上が受験する宅建は、不動産業従事者だけでなく建設や金融といった幅広い業務で知識を活用することができる超人気国家資格である。

私が宅建をオススメする理由は次の4つだ。

①受験資格がない

②業務独占資格である

③社会的認知度が高い

④メリットが大きい割に取得しやすい

①について。これこそ宅建が超人気資格たる理由でもあるのだが、宅建には受験資格がない。つまり、基本的に誰でも受けられる。

受験しようと思った資格に条件があって受けられないという資格は意外に多い(後述するFP2級など)が、宅建はその気さえあれば小学生でも受験できるのだ。

これは思い立ったらすぐに行動に移せるという意味で非常に大きなメリットであり、モチベーションのアップにも繋がりやすい。


続いて②だが、不動産の取引を行うにあたり、

『重要事項説明』

『重要事項説明書(35条書面)への記名・押印』

『契約書(37条書面)への記名・押印』

の3つの業務は宅建士にしか行うことができない。さらに、不動産会社は基本的に5人に1人以上の宅建士を置かなければならない(必置義務)ため、原理的に需要が尽きることはない。

つまり、最強の「食いっぱぐれない」資格なのだ。


次は③について。これは特に私のような大学生に対して伝えたいのだが、「社会的認知度」は就活においても極めて重要である。

企業によっては、資格記入欄に「宅建・簿記等の公的に認められ、認知されているものに限る」と書かれてあるところが多く、そもそもマイナー資格は出る幕がない。

しかし、宅建ならどの企業の人事担当者も知っているし、「宅建持ってます」というだけで「勉強がんばったんだね」という評価をされることが非常に多い。(実際、就活で何度もそう言われた)

つまり、宅建は自分の市場価値を大きく高めてくれる「魔法の杖」のような資格なのだ。


最後に④について。これはサイトによって意見が真っ二つに分かれるのだが、私は宅建に合格することはそれほど難しくないと考えている。

これは、他の士業と比較してみると明らかだ。

宅建合格には300〜400時間程度の勉強が必要と言われているが、一般に行政書士や社労士は1000時間、司法書士は3000時間、公認会計士は3500時間程度の勉強が求められる。

まさに、ケタが1つ違うのだ。

合格率を見ても、宅建は15〜17%程度であるのに対し、行政書士は10%、社労士は3〜7%、司法書士は3%、公認会計士は10%程度である。

これを見れば、同じ士業でも宅建士は比較的簡単な部類であることがわかるだろう。

その割には、世間からの宅建の評価は高く、実務上でも非常に有用である。

実生活においても、用途地域がわかればまちがどのように形作られているかクリアにイメージできるし、借地借家法がわかればマンションの賃貸借において「借りる側」の権利が意外に多く保証されていることも実感できる。

つまり、宅建は様々なところで生かせる「最高にコスパの良い資格」なのだ。


ここで、「そうは言ってもそんなに簡単な資格じゃないでしょ?」と思われる方がいらっしゃるかもしれない。

確かに宅建は簡単な試験ではないし、相応の勉強をしなければ絶対に合格できない。

ただし、合格するためのノウハウがどの資格よりも充実していることも確かだ。

宅建で重要なのは「幅広い知識を、いかに正確に覚えるか」である。徹底した知識の理解と詰め込みが合格に直結する資格であり、逆にそれさえできれば論理的な思考力も計算力もほとんど必要ない。

そこでのコツは、「基礎がしっかりしたテキストで勉強した後、参考書も併用して知識を深化させる」ことである。

これを私が宅建を受験した際のテキスト・参考書をもとにご説明しよう。

(最初に断っておくが、参考書の発行会社からは掲載に関して一切の依頼を受けていない。)


2021年版 宅建士合格のトリセツ 基本テキスト

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LEC東京リーガルマインドから出版されているテキスト。本書の最大の特徴は

イラストによるビジュアル化

・分野別の3分冊に分けられている

・合格に必要な「基礎」がくまなく掲載されている

ことである。勉強を始めて一周目はこのテキストをひたすらに覚え込むことで合格に必要な基礎力が確実につく。

宅建の出題範囲には民法・宅建業法・法令上の制限(+税その他)という大きく3つのセクションがあるが、特に初学者にとっては民法がめちゃくちゃ分かりづらい。

文章ベースで民法を理解するのは東大生でも難しいが、本テキストでは人物関係がビジュアル化されて大変わかりやすくなっており、すんなりと理解できる。

かといって文章がないかというとそうではなく、言葉でもわかりやすい説明がついているので、独学の人でも安心して取り組めるだろう。

また、各セクションの章末に簡単な過去問も掲載されており、実際のレベルがどれくらいかということも体感できる。


まずこれを一周し、基礎力を養成する。その後速やかに二周目に入り、知識がついてきたら併用するのが以下の参考書である。


2021年版 出る順宅建士 合格テキスト

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これもLECから出版されている参考書である。本参考書は

①権利関係 

②宅建業法 

③法令上の制限・税その他

の計3冊あり、できれば全て買うことをオススメする。

なぜなら、「合格のトリセツ」では扱いきれなかったが、試験ではよく出る論点がいくつもあるからだ。

特に、細かい知識が多い「法令上の制限」では本参考書がないと実際の試験で太刀打ちできないので、できれば3冊とも購入して勉強して欲しい。


「合格のトリセツ」を二周し、本参考書でより細かい知識を身につけたら、過去問演習に入る。過去問をそのまま解くのもアリだが、試験で出やすい問題を分野別に解きたい場合は以下の問題集を使うことをオススメする。

2021年版 出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集

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同じくLEC出版の問題集。これも権利関係・宅建業法・法令上の制限の計3冊あり、可能な限り全て購入して欲しい。

本問題集の最大の利点は、

・分野、セクションごとに過去の頻出問題が総ざらいできる

ことにある。このため、少し古い問題(だが良問)も多く、「過去問は最後の方にとっておきたい」タイプの人にも勧められる問題集である。


先ほど、「二周してから過去問を解く」と言ったが、一周目からセクションが終わるごとに該当する範囲の問題を解いていくのも非常に有効である。というか、私はそうしていた。


このようにして本番までに「トリセツ」を3周程度、問題集も3周程度回し、仕上げに本試験問題を数年分解けば、合格点に達する可能性が高いだろう。

私はこの方法で半年間勉強し、去る2020年12月試験では自己採点42点を取得することができた。(合格発表はまだだが、ほぼ確実に合格していると思う)


しかし、時間のある大学生とは違い、社会人の方は時間を捻出するのに苦労されるだろう。

その場合は、ありきたりではあるが、

・スキマ時間をうまく使うこと

・宅建業法が最優先

の2点を意識していただきたい。

宅建試験50問中、宅建業法が占める割合は20問にもなる。

つまり、明らかに宅建業法をマスターできるかが分かれ目である可能性が高い。

スキマ時間を有効に使い、宅建業法での得点を死守する。これだけは忘れないこと。


また、「参考書が高くて」と言う声も上がりそうだが、そもそも良質な参考書あっての勉強であり、そこをケチると必然的に合格が遠のく。

どうしてもの場合は中古やメルカリを利用することも考えられるが、その場合も最新の法改正に対応したものを選ばれることを強く強くオススメする。

(2020年の民放改正により、改正前の内容が通用しなくなったため)

万一不合格になった時、追加でかかる1年分の費用の方がよっぽど高いはず。

なので、まずは良質なテキスト・参考書を購入し、「必ず今年で合格する」という覚悟を持って勉強していただければと思う。


これに付随して、1つ注意していただきたいことがある。

それは、「近年、宅建の合格点が上昇傾向にある」という事実である。

数年前までは、宅建は「7割(35点)取れれば合格」と言われてきた。ところが2020年の10月試験では最低点が38点となり、今までの常識が通用しなくなってきている。

これは宅建が「相対評価」であることに起因しており、年々受験生のレベルが上がっているためだと思われる。

受験する際はそのことに十分留意し、「得点率8割(40点)超え」を目標に勉強に励んでいただきたい。


最後に、

宅建は簡単な試験ではないが、正しく勉強すれば道は開ける。

自分のために、できることから頑張ろう。


次回は、近年急速に需要が高まっている「FP2級」についてご紹介する。

お楽しみに!

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