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大塚国際美術館 自分的ベスト5・お土産紹介(2023.8 鳴門・淡路島旅行②)

昨日の記事に続き、徳島県の『大塚国際美術館』について。


今日の記事では「私的ベスト5」「個人的に気になった作品」「入手したお土産」「感想」を紹介していく。

私の選ぶベスト5

① スクロヴェーニ礼拝堂

下の絵画はジョット『ユダの接吻』

スクロヴェーニ礼拝堂は、北イタリアの都市・パドヴァにある小さな礼拝堂らしい。イタリアには何度か行ったが、全然知らなかった。

青い色がとにかく大好きなので感動……! まるで澄んだ夜空のような青だった。私の中で圧倒的No.1で、ずっと座っていたいほど。

入口付近でお経のような音声が聞こえていたのだが、何だったのだろう?

② 鳥占い師の墓

墓に入る体験って、なかなかできない。

ピラミッドもいつ行けるやら……だし、現代日本の通常の墓は内部が小さすぎる。たまにミイラは運ばれてきて博物館に展示されるけど、墓そのものまで持ってくることはできないし。

人生の中でも非常に貴重な経験ができたと思う。

ただ「鳥占い師」という言葉がパワーワード過ぎて、他の説明があまり入ってこなかった。

③ 作品に合わせられた壁

学芸員資格の勉強をしたせいか、どうしても作品の展示方法について考察してしまう。

大塚国際美術館でも
「この作品を生かすためにどんな色や模様の壁にすべきか?」
など、非常によく考えられていた。

フェルメール『真珠の耳飾りの少女』
ブリューゲル『バベルの塔』
ドガ『花束を持つ踊り子』『舞台の踊り子(エトワール)』

恐怖を感じる絵はますます怖く、優美な絵は更に美しく。部屋ごとに雰囲気すらも違っていて、贅沢で理想的な展示方法だった。

④ 古代の作品の美しさ

古い時代過ぎて、絵画というよりも遺跡や実用品のよう。陶器の壺は開かれて作成・展示されている。

エウフロニオス『パラエストラ』
ピストクセノスの画家「ガチョウに乗るアフロディテ』
『ララリウムの壁画』
『飛び込む男』

意外だったのは、誰が描いたかも不明な古代の作品の素晴らしさ

細やかな装飾や優美な線に惚れ惚れ。

ピカソやゴッホなど有名画家が描いた作品とは違って話題になることは少ないけれど、名もなき絵や遺跡にもそれぞれの美しさとストーリーがあるんだなぁ……と感動。

美術館のパンフレットにもほとんど載っていない部分だが、この鑑賞に時間をたっぷりかけたのは間違っていなかったと確信している。

最後の『飛び込む男』は石棺の蓋裏に描かれていて、三途の川に飛び込むイメージらしい。なんだかあまり古く感じず、新鮮だった。

⑤ 環境展示の数々

大塚国際美術館の展示方法は「環境展示」「系統展示」「テーマ展示」の3つ。

系統展示は美術史に沿った時系列的な展示で、どの美術館でも比較的よく見られる手法。

テーマ展示は「生と死」「家族」「食卓の情景」など、時代を超えた普遍的主題を比較して見るための方法。

そして環境展示は、古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現した、なかなか他に類を見ない展示である。

この環境展示がとにかく素晴らしかった……!

『聖テオドール聖堂』
『聖マルタン聖堂』の窓
『秘技の間』
『聖ニコラオス・オルファノス聖堂』
モネ『大睡蓮』

こんなに広大な空間を使って表現してくれるなんて、まさに世紀の大仕事。ありがたさを強く感じる。

ただこの日は暑すぎて、屋外の作品をゆっくり見られなかったのがなんとも残念。

モネの所にはカフェも併設されていたので、気候の良い曇りの日にぼんやり眺められたら最高かも。

他に気になった作品たち

ベスト5には入らなくても、つい立ち止まってコメントしたくなったりジーっと眺めたくなったりした絵画はこちら。

・大好きな漫画家、萩尾望都さんっぽさを感じる古代作品

『若い女性の肖像』
アキレウスの画家『アキレウス』
『春』

上記は全てイタリアの作品。イギリスやフランスだけでなく、イタリアからも大いに影響を受けているのだろうと思った。


・なんとなく気になる素敵な作品

ゲインズバラ『犬を抱き壺を下げる少女』
『聖マルタン聖堂』に入る部分にあった彫刻

うまく言語化できないけれどなぜか素敵で、つい写真を撮ってしまった。


・アニメっぽさが面白い絵

『栄光のキリスト』(部分)
『キリストと聖メナス』

なんかカワイイ感じもする、不思議な宗教画。


・やっぱりラファエロのタッチが好き

ラファエロ『小椅子の聖母』
ラファエロ『美しき女庭師』
ラファエロ『アテネの学堂』

モネ・ルノワール・ラファエロばかりを有り難がる日本人の単純さがあまり好きではなかったが、やっぱり私も日本人だなぁと実感。

・レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』の修復前後の比較

修復前
修復後

修復後の本物を以前見に行ったし特別番組も視聴したが、やっぱり自分の目で見比べられるのは最高。


・「ゴッホの青」の素敵さを再確認

ゴッホ『ローヌ川の星月夜』
ゴッホ『夜のカフェテラス』

「青と言えばシャガール」と思っていたし、ゴッホはその退廃的な人生からあまり好きではなかったのだが、よくよく見ると青と黄色の対比が素晴らしく美しい……と感じた。

購入したお土産3つ

今回買ったお土産はこちら。

ムンクどらやき

箱いっぱいにムンクの『叫び』
個包装が嬉しい
どら焼き1つずつにもプリントあり

ふっくらしていて、味もちゃんと美味しい。万人受けしそうなお土産。

スクロヴェーニ礼拝堂の星空コンペイトウ

瓶には礼拝堂の写真付き
色合いがカワイイ


ゴッホのひまわり和三盆

単体の写真を撮り忘れたが、ひまわりとゴッホの形の和三盆ですごくキレイだった。


美術館の感想

古代~現代(ヨーロッパが主流)を全部通して鑑賞したことで、私は有名絵画よりも宗教建築・古代遺跡が好みだと判明。

「いや、ここまで来て感想それ……⁈」
とも思うが、これだけの数を一気に見たから分かったことかもしれない。訪問できて本当によかった。

今後は、絵画よりも遺跡・建築を中心に見て回ることにしよう。

ありがとう、大塚国際美術館!

人それぞれの楽しみ方があるだろうから、気になる人は是非とも行ってみてほしい。

ちなみにこの日の美術館は外が暑すぎたせいか冷房がかなり効いていて、部屋によっては非常に寒かった。寒暖差を考え、調節しやすい服装がオススメ。



※ 写真の絵画は大塚国際美術館の陶板名画であり、本物ではありません。また二次利用などはご遠慮ください。

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