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メンドクサい女と気の利かない男、どっちが正しいのか?

※この小説は2016年に連載を開始したものであり、当時の世相を反映し、絶妙にダサく古臭いと思われるものも散見されます。
それに輪をかけて、百鳥ユウカは痛い女ですので、精読に耐えないものがあるかもしれません。

しかしながら、編集部および著者の見解として、当時の貴重な文化遺産的な側面を評価し、連載当時のまま掲載いたします。



男性たちに伝えたいことがある。女子の気持ちを慮って、飲み会でゴシップや海外旅行の話を話すより、どんなにオタク臭くたっていいから、自分の好きな話をすればいいよ。
女子だって馬鹿じゃないんだから、鉄道やアニメの話くらいはわかるし、興味がなくても相づちを打つくらいの愛嬌だってある。一番ムカつくのは、この程度しかわからないでしょうっていう感じで、話のレベルを落とされること。

その点、今日のデートの相手の大輔は、私の前でジブリの話を熱心にしただけだ。熱心にジブリについて語った後に、「ジブリ美術館に一緒に行ってくれない?」って誘われた。ジブリのことも、私のことも好きみたいだったし、その願いを叶えてあげてもいいかな、って思った。

「ごめん、待った?」

「待ってない、大丈夫」

三鷹駅のコンコースでの待ち合わせに大輔が現れたのは約束の5分後。大輔が初めてのデートに遅れてくるのは予想外だった。吉祥寺止まりの電車に乗ってしまったのだそうだ。時間は調べようね。

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2,164字
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