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正論に暴言で返す女

※この小説は2016年に連載を開始したものであり、当時の世相を反映し、絶妙にダサく古臭いと思われるものも散見されます。
それに輪をかけて、百鳥ユウカは痛い女ですので、精読に耐えないものがあるかもしれません。

しかしながら、編集部および著者の見解として、当時の貴重な文化遺産的な
側面を評価し、連載当時のまま掲載いたします。


百鳥ユウカは実は真面目な女だ。
学生時代だって、男遊びが激しいグループとは一線を画していた。
学校の宿題をちゃんと期日に提出し、テスト前にはちゃんとテスト勉強をする女の子。先生達からは手がかからない静かな女の子と思われていた。

学校というのは得てして、少しやんちゃなグループの方が幅を利かせて陽の当たる場所を独占する。そういう意味で真面目なだけの学生であるユウカは肩身の狭い思いをして過ごしてきたが、学校はそういう生徒に、最後の贈り物として学校推薦という形で一部上場の優良企業を紹介してくれる。

ユウカが丸の内のOLになったのは、そういう経緯だ。実家の両親はとても喜んでくれた。ごく普通の京王沿線住まいの百鳥一家からは、初めての丸の内勤務となった。
きっと両親は、一部上場企業勤務の男性と社内恋愛をして、幸せな結婚をしてくれるに違いないと考えていただろう。ユウカもいつかそうなるのかな、と思っていた。

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3,649字
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