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父の想いをつなぐ相続対策!!税理士である息子が父の事前相続対策に向き合う

今後紹介するのは、実家の母より私に打診のあった「実家の相続問題」です。

相続に関する依頼の内容と今後進めていく事になる概要をお伝えします。


母からの依頼の内容は、「遺言書の作成」

最初に母からの依頼内容について、お話します。

「お父さんが、そろそろ遺言書を作成して、財産の相続先を決めておきたいので、遺言書の作成をお願いしたい」

との事です。

この言葉の父の想いを推察すると
・財産の相続先を誰にするかほぼ決まっており
相続人がもめることなく
・想った通りにその人に引き継ぎたい
という事だと思います。

その為の答えが「遺言書」だったのでしょう。

この父が考えた対策、税理士の私からすると「ほぼ正解」かと思います。
ただし、今の段階では「ほぼ」としか言えません。

その理由は、後ほど解説します。


事前に遺言書を作成している人の割合は6.6%

ここで、遺言書について、社会の状況をご紹介します。

私が、我が家の実家で素晴らしいと思ったのは、遺言書について、実際に作成する為に行動を起こした事です。

実際に遺言書を作成済や作成途中の人の割合は6.6%です。
遺言書が必要と認識している人が42.9%いるのに、そのうち6.6%しか遺言書作成の行動を起こしていないという事です。

三菱UFJ信託銀行 相続に関する意識調査より

https://www.tr.mufg.jp/souzoku-ken/pdf/chosa_kennkyu_04.pdf


遺言書は、意思を表示するには有効な手段

この遺言書ですが、遺言書を残しておけば、必ず遺言書通りに財産を相続しなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。

遺言書があった場合でも、要件を満たせば「遺産分割協議」を行う事が可能です。

よって、遺言書を残す事で、亡くなった後に想いを確実に実現できる訳ではありませんが、意思表示を行うには有効です。

後は、相続人の間でどれぐらい想いをくみ取ってもらえるかどうかになります。


実家においての目指すべきゴール

では、実家にて今回目指すべきゴールをお伝えします。

我が家の相続人関係

まずは、父に相続が発生した場合ですが、相続人になると推定される人は「母」と「子供4人」の計5人です。

そのうち、母が父と同居しており、姉が実家の前に家を建てて、色々な面倒を見ている状況で、後の兄弟姉妹はすべて地元を離れています。

決して、仲が悪い家族ではありません。


今回の事前相続対策で目指すべきゴール

今回の相続の事前対策で目指すべきゴールは、以下と考えています。
ただし、この内容はあくまでも「父の想い」をヒアリングする前での仮説です。

◆実家の相続で目指すべきこと

・父の想いをヒアリング
・財産の総額を把握する(財産目録)
・想いを実現した際に各人の相続財産と税額を試算
・各相続人間で協議
・遺言書作成

ヒアリング

まずは、ここをしなければ何も始まりません。
一体どうしたいのか、じっくり聞きます。

財産の総額を把握~各人の財産と税額試算

この父の想いをすべて叶えた場合の各人の相続財産と税額を試算します。
おそらく、この金額の負担感も示さないと判断の基準が持てないかと考えます。

各相続人間で協議

もうすぐ夏季休暇があるので、その際に父より各相続人に想いを伝えて、それにより引き継ぐ財産を話してもらいます。
この父本人から直接言い聞かせてもらう事が非常に重要で、ここまで相続人に根回しをしておけば、安心できるではないかと考えています。
(ただし、父の想い次第でやるかやらないかは変わりますが・・・)

なお、もう一つ考慮したいのが「一番身近な人の生活」です。
我が家の実家の場合は、同居している母です。母が相続発生後、生活に困らない対策も重要ですので、その部分を忘れることなく対策を行う必要があります。

また、この際に著しく不公平感があれば、代わりの財産を用意する実行支援も行います。

遺言書の作成

順当に行けば、協議した内容で遺言書を作成します。


最適な方法が他にもある可能性がある

さて、冒頭で「ほぼ正解」と言いました。

この「ほぼ」と表現したのは、遺言書が最適な答えかどうかが、現時点では分からないからです。

それは何かというと、私の実家は典型的な過疎化が進んだ地域です。
当然ながら地価が安いです、恐ろしいほど。

もしかすると、確実に想いを実行するために、贈与をする方がいいかもしれません。引き継ぎたくない財産があれば、「売る」という選択肢も考えられます。

それも、すべて財産を網羅して見て、相続人間で協議してみないとわからない部分です。


まとめ

今回は、実家の相続について、事前対策のお話を紹介しました。

断っておきますが、決して我が家は資産家でもなければ富裕層でもありません。おそらく、相続が発生しても基礎控除額以下で相続税は課税されないかと思っています。

それでも父は、誰に引き継ぎたいかを不安に感じているのです。

その不安が今回の対策で少しでも解決できれば、非常にいい対策になると思います。
今回の対策結果は、後日紹介します。



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