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なぜ行動が成果につながらないのか? 〜そこにある盲点〜

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。


会社でよくある風景。

みんな忙しく頑張っている。
しかし、うまくいかない。
成果が出ない。

私は、以前ITの会社で働いていましたが、
みんな長時間労働で頑張っているのに、
うまくいかないプロジェクトを山ほど
見てきました。

なぜ頑張っているのに、成果がにつながら
ないのでしょうか?


それは、ある「盲点」があるからです。



成果を出すには2つの要素が必要です。

一つは「行動」。

これは分かりやすいですよね。

行動をしないと、現実は変わりません。


しかし、行動すれば必ず成果が出るかと
いえば、そうではないですよね。

成果を出すためには、もうひとつ大事な
ことがあります。


それは、「状態」です。

英語で言えば、「行動」はDoing、
「状態」はBeing。

何かの行動(Doing)をする、その主体の
状態(Being)がパフォーマンスを決める
のです。


例えば、スポーツの例だと分かりやすい
かもしれません。

アスリートは、試合でベストの「状態」に
なるように運動量も食事も生活も丁寧に
調整をしていきます。

試合当日も入念にアップをして体を徐々に
温めていくことで、試合で最高の
パフォーマンスが出せる状態に持っていきます。

メンタル面でも、瞑想する人もいるし、
自分なりのルーティーンをやることで
集中した状態を作っていきます。

心身の状態がどういう状態かによって、
パフォーマンスは全く違います。



では、私たちビジネスパーソンはどうでしょうか?

どれだけ自分の状態を気にかけている
でしょうか?

ルーティンワークであれば、状態がそこ
まで良くなくても大きな差は出ないかも
しれません。

が、この変化の激しい時代には、私たち
ビジネスパーソンには、クリエイティビティ
が求めらます。

どれだけ良い発想が出るかとか、直感が
冴えるかで、生み出せる価値が全く
変わったりする。

それは、自分をどれだけいい「状態」に
できるかにかかっています。


みなさんは、自分の状態にどれくらい
意識を向けていますか?

自分をいい状態にするために、どれくらい
自分自身をケアしてあげていますか?


私自身、例えばこのメルマガを書くとき、
どれだけ皆さんに届くことを書けるか
どうかは、完全に自分の「状態」次第です。

むしゃくしゃしていたり、ザワザワして
いる時には、全然筆が進みません。

が、心が穏やかで、読者の皆さんと
つながりを感じ、自分の願いにつながって
いる状態になると、書くことが自然と
「降りてくる」状態になります。

なので、書き始める前に少し瞑想したり、
自分の状態を整えるようにしています。


クリエイティビティやイノベーションが
求められる時代には、自分の「状態」を
いい状態に保つことが大切。



そして、この「状態」の大切さは、個人
だけではなく、組織にも言えます。

みなさんが、自分のチームや組織の
「状態」をどれくらい敏感に感じて
いますか?

そして、それがいい状態になるように、
どれくらい働きかけていますか?



「行動(Doing)」は目に見えやすい。

「状態(Being)」は、目に見えにくい。

「状態」はあえて意識を向けて、「感じる」
ことをしなければ気づきにくい。


だから、組織のメンバーの「行動」という
目に見える部分だけに意識がいきがち。

組織のメンバーの「状態」がケアされず、
事柄だけが前に進められる。


メンバーがどんな気持ちでいるのか、

疲れているのか元気なのか、

メンバー同士の関係性はどうなのか、

などの組織の「状態」がケアされずに
放っておかれる。


だから、いつの間にかみんなの心が
バラバラになっているのに無自覚なまま、
プロジェクトが進められる。

社員のエンゲージメントが下がっている
のに、マネジメントのやり方を変えない。

お客さんとの信頼関係が壊れかけている
のに気づかず、自分達のやり方で通そうと
する。

などなど、色んなことが組織では起きます。


それらはすべて、いい「状態」を作る
ことを怠り、早くやらなければと焦って
「行動」だけを前に進めた結果。

私たちは成果を出そうと焦りすぎる。

焦って、「状態」を整えないままに
「行動」した結果、「状態」を悪く
してしまう。

「状態」が悪いから成果が出ない。
焦って、「行動」をプッシュするから、
さらに「状態」が悪くなる。

そんな悪循環が多くの組織で起こって
います。


焦りを手放しましょう。

何が一番大切なのか?

それは、まず「状態」を整えること。

組織で働く個人の状態、人と人の関係性の
状態を、いい状態にする。

個人のモチベーションが高い状態を作る。

信頼関係、心理的安全性がある状態を
作る。

共通のビジョンや目的に共感がある状態を
作る。

そういう一見回り道に見えるけど、本質的
なことをちゃんとやる。

そうして「状態」を整えると、組織は
ものすごいパフォーマンスを発揮します。



例えば、私は仕事仲間との打合せの途中で、
仲間が個人的なことで悩んでいると分かったら、
まず仲間の悩みを聞くことを最優先にします。

仲間がいい状態になることが一番大事だし、
お互いを人として大事にし合っている
関係性が、仕事のパフォーマンスを
めちゃくちゃ上げると分かっているから。

8割の時間を関係性のために使って
良い「状態」を作ると、チームとしての
パフォーマンスが高まる。

そうすると、残り2割の時間で仕事の話が
一気に片付くなんてことはよくあります。



では、チームや組織の「状態」を良くする
にはどうすればいいのか?

答えは、「対話」です。

「状態」を自覚し、「状態」を変えるため
のコミュニケーションが「対話」。

対話は、目に見えないお互いの内面の
「状態」を共有し合うコニュニケーション。

本当はちょっと違和感を感じている、とか

本当は少し疲れている、とか

実はこういう方がいいと感じている、とか

それぞれの内面の見えない「状態」を
共有し合う。


そうした対話を重ねていくと、組織全体の
状態も見えている状態になります。

「現在」の状態がわかれば、「未来」の
ありたい状態も見えてくる。

その状態になるために必要なことも見えて
くるし、そのために必要な「行動」も
見えてくる。

「状態」から切り離されて「行動」だけ
している状態ではない。

「状態」を自覚したからこそ、やるべき
本質的な「行動」が見えてくる。



今日は、周りの人たちと対話して、組織の
「状態」に意識を向けてみましょう。

あなたがとるべき、本質的な「行動」が
見えてくるはずです。


末広信太郎

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