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なぜ、あなたの周りは「使えない人」だらけなのか?

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。


仕事とは成果を出さなければいけないもの。

ポジションが上がれば上がるほど成果への
プレッシャーは大きくなります。

と同時に、自分一人でやれることは限られます。

組織が小さいうちは、ほとんど自分で
考えて、メンバーをその通りに動かすこと
で成果を出すことができたかもしれません。

が、組織がある程度大きくなってくると、
メンバーの力を引き出さなければ、
成果を出すことは難しくなります。

メンバーの自律性を引き出す必要があります。

しかし、メンバーに任せようと思った時に、
多くのリーダーがぶち当たる壁があります。

それは、自分とメンバーの視座の差、
能力の差です。

例えば今まで自分がやってきたことを
任せようとした時。

顧客に対して自分の時と同じサービス
レベルを維持しなければいけない時、
自分と同じようにできないメンバーに
対して、イライラしてしまうことがある
かもしれません。

「使えないやつ」と思ってしまうことも
あるかもしれません。

任せたいけど任せられない。

結局自分が手を出してやってしまう。

メンバーに任せるのを諦めて、自分が
やり方を考えて、その通りにやらせる。

細かくチェックすることで、品質を担保する。

短期的にはそのことによって、仕事の品質
が保たれますが、長期的にはメンバーの
成長を損なってしまいます。

自分自身に余裕があるうちは、それでも、
じっくりとメンバーに関わったり、
成長を待つスタンスでいられたりもします。

しかし、仕事とは往々にして、時間が
限られているもの。

ゆっくりとメンバーの成長を待って
いられない、というような気持ちにも
なってしまいます。

短期の成果や品質と、長期的な成長が
トレードオフになってしまう。

短期の成果や品質を追い求めれば
求めるほど、メンバーの長期の成長が
損なわれる。

逆にメンバーの長期的な成長を待って
いると、短期の成果品質が保てない。

私たちはどうすればこのトレードオフ、
矛盾を超えることができるのでしょうか?

そもそも、短期的な成果と長期的な成長が
トレードオフというのは、本当なのでしょうか?

短期的に成果を上げつつ、長期的にも
成長し続けている組織はたくさんあります。

一方で、短期的な成果のために、長期的な
成長を損なっている組織もあります。

短期的な成果と長期的な成長がトレード
オフなのではなく、トレードオフになって
しまうような組織と、そうではない組織が
あるということです。

何がこの2つの組織を分けるのでしょうか?

それはその組織の「関係性」です。

組織の中では、能力や経験の差がある
メンバーが協働する必要があります。

多くの組織で起こりがちなことは、
能力や経験が高いメンバーが、経験の浅い
メンバーをジャッジしたり見下すこと。

逆に経験の浅いメンバーは、自分に自信が
なく、縮こまってしまう。

能力や経験によるランクが、メンバー同士
の相互の尊重を損なっている。

経験や能力の高いメンバーが、そうでない
メンバーに対して
「何でこれくらいできないんだ」とか
「使えないやつ」と、ジャッジをする。

ジャッジしあう関係性の組織。

一方で、能力や経験の差があっても、
お互いを尊重し合えているような組織も
あります。

そうした組織では、能力や経験の差にで
お前はダメだとジャッジされるようなこと
はありません。

人にはそれぞれの個性があります。

全員が同じ能力や経験を持っているわけ
ではない。

タイプも違う。

それぞれのポテンシャルが生きる力の
発揮の仕方も違う。

みんな違うから、豊か。

そうした多様性が尊重される関係性の組織。

皆さんは、どちらの組織で働きたいでしょうか?

どちらの組織のほうがパフォーマンスが高いでしょうか?

変化が激しく複雑性の高い世界では、
メンバーの個性を殺して一律を押しつける
よりも、メンバーの多様な個性を尊重して
活かす組織の方が強いです。

それは頭ではわかると思います。

しかし、実際に仕事でメンバーに仕事を
任せた時、自分の期待通りに動いてくれない。

そうした時私たちは、
「何でこんなこともできないんだ」
と、つい相手をジャッジしたくなります。

「使えないやつだ」と感じてしまったりします。

私たちが誰かをジャッジする時、何が
起こっているのでしょうか?

私たちは誰かをジャッジする時、実は
「被害者」になっています。

その人の能力が低いからこの仕事が
うまくいかない。

この仕事を任せられない。

チームとして成果が出せていない状態である。

うまくいっていない状況を、誰かのせいにしています。

真実は、相手が「使えない人」なのでは
なく、あなたが相手を「使えない人」と
見ているだけなのです。

本質的に「使えない人」というのは
存在しません。

相手があなたの期待通りに動かなかった
時に、相手を使えないとあなたがジャッジ
したというだけです。

相手の能力や個性が、あなたの価値基準と
違っているだけです。

これに関しては、私自身にもほろ苦い
思い出があります。

私が以前会社員として仕事していた頃の話。

私のチームに新人Aさんが配属されました。

私はAさんに色々教えたつもりでしたが、
彼は私が期待しているような動きを
なかなかしてくれませんでした。

私は、いつかAさんのことを「使えないやつ」
とジャッジしてしまっていました。

彼は私のチームでは、あまり力を発揮する
ことができませんでした。

その後Aさんは、別の部署に異動しました。

そしてしばらく経って、Aさんの異動先の
部署の人が言っているの耳にしました。

「Aさん、優秀だよ」と。

Aさんは新しい部署では、力を発揮して
活躍していました。

私は愕然としました。

Aさんが「使えないやつ」なのではなく、
私がAさんの力を引き出せてなかっただけだった。

Aさんの個性や能力を理解し、尊重し、
それが活かされるような関わり方ができて
いなかっただけだったのです。

Aさんの問題ではなく、私が原因だった。

私がAさんを「使えないやつ」にして
しまっていたのです。

人は「相手からどう見られているか」に
大きな影響を受けます。

「使えないやつ」と見られていることは、
無意識で感じ取ります。

そうすると人は緊張します。

緊張した状態では、その人が本来持っている
力を発揮することは難しいです。

逆に自分の可能性を信じて見守ってもらえた
としたらどうでしょうか?

人はそれも無意識で感じ取ります。

するとその人はのびのびと自分の力を
発揮することができます。

「使えない人」と「使える人」がいる
のではなく、能力が発揮されない関係性と、
のびのび力を発揮できる関係性がある
というだけなのです。

だから私たちは、「相手をどのような人と
してみるか」に責任があります。

「可能性の人」として見るのか、
「使えない人」として見るのか。

全ては自分が作り出しています。

しかし私たちは、相手が自分の期待に
応えてくれなかった時、つい相手を
ジャッジしてしまいます。

どうしたら、相手の可能性を見いだす
ことができるでしょうか?

その答えは「対話」です。

相手はジャッジしたくなるということは、
相手が自分の期待に応えてくれなかった。

相手の振る舞いが自分の価値基準を
満たしていなかった。

私たちは相手を行動でジャッジします。

しかしその行動の背景にあるその人なりの
価値観を理解しているでしょうか?

その人が何を大切にしていて、どんな
気持ちでそうしたのか、理解している
でしょうか?

その人なりの個性をどれぐらい理解
しているでしょうか?

対話は、深くお互いを理解し合う
コミュニケーション。

相手の気持ちや大切にしている価値観を
引き出す。

そうすると、相手から見えてる世界が、
自分自身の世界の一部になります。

すると、自分だけの視点から見ていた時に
は見えなかった、その人の可能性が見えて
きます。

また自分と相手という異なる個性の人たち
がいることでの可能性も見えてきます。

「私」の可能性だけではなく「あなた」の
可能性や「私たち」の可能性が見えてきます。

対話していくと、経験も能力も個性も
違う自分達が、お互いを活かし合う道が
見えてきます。

違いをジャッジし責め合う材料にする
のではなく、尊重して活かし合うことが
できるチームになります。

お互いがいることで、刺激になり、一緒に
やっているから成長できると感じられる。

一つの基準で誰が優秀で誰ができないとか
ジャッジしあって緊張するのではなく、
多様な個性のメンバーがのびのびと力を
発揮し、お互いを生かしあえる。

どうせ仕事するなら、そんな風にのびのびと
仕事できたらいいなと思いませんか?

今日は、自分が周りの人たちにどんな
ジャッジをしているのか、意識してみましょう。

この人のことジャッジしてるなと思う人に、
ちょっと勇気を出してその人の気持ちや
想いを聞いてみましょう。

自分の世界が広がるのを感じられるかも
しれません。

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