自分の心
今日でここニューヨーク州での新型コロナウィルスの感染者は92,000人を超え、死亡者はなんと2300人以上。
死亡者の数は毎日ニューヨークの日本領事館から送られているメールを見る限り、毎日300~400人単位で増えていきます。
ここ数週間の間にここニューヨークはこの新型ウィルスによって世界で最も危険な場所に変わってしまったのです。
日本で報道されている内容がどんなものか、こちらに住んでいる私にはよくわかりませんが、ニューヨークに15年住んでいる私でさえ、こんな街を経験したことはありません。
私の周りにいる知人はほとんどサービス業に従事しているので、みんな失業者になってしまいました。
外に人がいないので治安は一気に悪くなり、いつも私が息子を連れてキャッシュを下ろしにいく銀行のATMではつい最近、キャッシュを下ろした若い女性が強盗に襲われてしまいました。
息子を遊ばせる幼児専用のプレイグラウンドはドラック中毒者の溜まり場になっていて明るい時間でも近づけません。
アジア人に対して『お前たちがコロナをここに持ってきた。』という意識をむき出しにする人もいます。
実際ここアメリカではこのコロナ騒ぎでたくさんのアジア系アメリカ人が危険な目にあっています。護身用の銃が飛ぶように売れているのは、アジア系アメリカ人の購入者が増えたという報道をつい最近みました。
2歳の息子にまで嫌な顔をする人もいました。
スーパーマーケットに行っても売り切れで手に入らないものもたくさんあります。
デリバリーのアマゾンなどは労働者が感染していたり、労働環境が悪くストライキを起こしたりして、荷物が届くまでにとても時間がかかります。
私が今のニューヨークを体験して学んだ事があります。
『コロナウィルスの感染よりも、心が恐れやパニックで犯された人の心の方がよっぽど怖い。』
ATMで人を襲う人の心。
小さな子供が遊ぶ場所でドラッグをするドラック中毒者たちの心。
コロナウィルスの原因を誰かに擦りつけたくて、アジア人を攻撃する人の心。
独り身のお年寄りや、小さな子供を連れたシングルマザーなど一度にたくさんの買い物ができない人たちのことを考えず、ひたすら充分過ぎる以上のものを買い込もうとする人の心。
これを読んでくださっている方に私から伝えたい事。
それは、
こんな世界を作り出しでしまったのはコロナウィルスではなくて人の心なのです。
なぜ私がこんなに冷静にこういう事が今書けるかというと、日に日に環境が悪化していく毎日の中で
(無い物をずっとナイナイ、クレクレ。分かってくれないからムカつく。と嘆いても自分の心が惨めになるだけ。)
と感じることができたからです。
それに気づいてすぐに
(今、ニューヨークにいるみんな同じような状況なんだな。どうせ何をやっても無い状況だったら自分から与えて、サポートしてみよう。)
とマインドを一気にシフトしてみたのです。
私がライターとして記事を書いているwebsiteの経営者に無料でこの状況で営業を続けているお店のインフォメーションをアップする企画を持ちかけてみました。
もちろんライターの私も無給です。
すぐにその企画にはOKが出ました。
声をかけたお店のオーナーさんたちに感謝を伝えられた時、私は自分の心が癒されていき、豊かになり、愛に溢れていくのを実感しました。
(支え合い、励まし合い、与えていくことで笑顔で生きていける。)
と何の根拠もなく本能で感じることができました。
彼らは今、生きるか死ぬかの状況で必死です。
私はお金や物を彼らに与えることは残念ながらできませんが、自分ができることをすぐに行動に移すことはできますから。
数日後、私は大量に余り賞味期限内に使えない食材をいつも息子のお下がりをくれる近所のご家族に持って行きました。
そしたら、彼らは私がすぐに必要になる予定のお野菜や果物を買って家まで届けに来てくれ、息子の衣類のお下がりもくれたのです。
お互い元気でいるかしっかり確認して、自宅待機が続く私たちにとって、少しの時間でしたが励まし合い、話せたことがみんなのストレスの解消にもなりいいことだらけでした。
こんな状況になっても、自分の心次第で世界は豊かに、美しいものになります。
周りのせいや誰かのせいではないのです。
周りと助け合い、与え合い、励ましあうことでどんな状況も美しい世界に変わります。
そして、自分の子供もこの美しい世界の中で生きて欲しい。心がすさんだ世界の中で息子を育てたく無いし、そんな世界を彼に味あわせたくない。
その他にも、ニューヨークに住む友人たち、日本にいる親戚や友人ががひっきりなしに幼い子供を抱えたシングルマザーの私を心配して連絡をくれたり、必要な物資を送ってくれます。
毎日、毎日ありがとうと感謝できることが沢山あることに気付かされています。
もし私がこの先コロナウィルスに感染して、医療現場に送られるほど症状が悪化したとします。目に映る景色が悲惨と呼ばれる状況になり、呼吸することすら苦しくなったとしても私は無理矢理にでも治療に当たってくれてる人たちに感謝の意を忘れず、今までの生活全てに感謝して心豊かでいようと決めています。
最後の時まで自分の心に映し出すものは綺麗なもので満たしてあげようと強く決めたのが私の心です。
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