エンジニア採用がぐんぐん進む求人票の書き方
こんにちは。先日「大企業からスタートアップに転職して感じた3つのこと」という内容の投稿をしたところ、いろんな方に読んでいただきました。ありがとうございます。読んでいただいた方の1人に継続的に投稿していかないと「あのブログを書いた人」って印象で終わり「ブログを書いている人」にはなれないよーーーと痛いところを突かれてしまいました。汗
そこで今回は「エンジニア採用がぐんぐん進む求人票の書き方」というテーマで書いていきたいと思います。
私自身入社以来、エンジニア求人票を数千件読み込みを行なってきました。そうすると段々と、エンジニア採用がうまくいっている企業様の「求人票」の特徴を見つけることができました。その特徴をまとめます。
そもそも求人票とは何か??
求人票とは、社員の採用を予定している企業が募集概要や労働条件などを記載し、求職者に案内するための文書です。ハローワークや人材紹介会社などを利用する場合、次の6項目を求人票に記載する必要があると職業安定法5条の3に定められています。
求人票に最低限記載すべき項目
1.労働者の業務内容
2.労働契約の期間
3.就業する場所
4.始業および終業の時刻、所定労働条件を超える労働の有無、休憩時間と休日
5.賃金
6.健康保険、厚生年金、雇用保険の適用有無など
良い求人票とは何か?
良い求人票とは採用ターゲットが明確になっていることが大前提です。
本来、採用ターゲットとは、経営戦略→事業戦略→採用戦略の順で設定されているので、
採用ターゲットが明確である
・お任せする業務内容が明確である
・成長期待に関する記述がある
という条件が満たされ、法人、個人ともに入社後にギャップが少なくお互いハッピーになる可能性が高いです。
さらには、エンジニア採用という観点では、採用ターゲットが明確であることは以下の2点を満たす可能性がぐんとアップします。
・社内でテクノロジーに関する理解がある
・エンジニアサイドとビジネスサイドが協力しあえる良好な関係である
良い求人票を構成する要素について
■適切な『解像度』でエンジニア職種を分解できているか?
まずはタイトルをはじめとしたエンジニア職種名について注意をしてください。エンジニアのみなさんとお話を伺っている中で、一番嫌われる求人票とは「Webエンジニア」と曖昧に書かれており、蓋を開けてみるとフロントエンドもサーバーサイドもインフラもなんでもできる「フルスタックエンジニア」求人票です。もちろん会社のフェーズによっては「フルスタックエンジニア」でないと駄目という場合もあると思います。その場合は「フルスタックエンジニア」と記載し、お任せしたい業務内容について細かく記載するべきです。
ここで大事になってくるのは『解像度』についてです。
(キャスターの方のエンジニア採用に関する記事です。自分も入社以来常にこの資料を携帯し、エンジニア職種理解に利用しました!おすすめです!)
会社のフェーズやプロダクトの特性によって、適切な『解像度』を意識して求人票の職種名を記載することがポイントです。例えば、機械学習エンジニアなら自然言語処理、音声処理を分けることができると尚良しです。
引用:採用担当者向けのエンジニア採用勉強会を開いた(ころちゃん(Takahiro Tsuchiya))
■候補者が詳しく見てみたいと興味を引くタイトルになっているか?
優秀な候補者には何十件もの求人票やスカウトが手に届く状況になっており、その中で「おっ!この求人気になるな。もっと詳しく見て見よう」と思ってもらう必要があります。ここでのポイントは以下2点です。
・どんなお仕事をお願いするのか?
・求人の売りは何か?(具体例は下記)
技術:Go言語、機械学習(自然言語処理)、最先端の技術を使う
プロダクト:ブランド名がある場合、トラフィック数、ユーザー数
トレンドワード:Fintech、IoT、VR、自動運転
働き方:完全リモート、サテライトオフィス
募集ポジション:CTO、テックリード候補、実務未経験可
上記を意識したおすすめの構成は
(求人の売りは何か?)+(何をお願いしたいのか?)
例1:Go言語で○○を構築。○○を構築するサーバーサイドエンジニアを募集
例2:完全リモートOK。Fintechベンチャーで○○を開発したいフロントエンジニアを募集
■募集背景が「時間軸」を意識して記載されているのか?
例えば、業績好調に伴い、弊社の○○のサービス開発に携わっていただきます。だけではなぜこのタイミングで求人を出したのかわかりずらいですよね。
・そもそも会社のプロダクトはどんなものか?
・フェーズとしてはどのタイミングなのか?(立ち上げ期、拡大期)
・会社として実現したい未来と現在の"差"は何なのか?
を記載するとその会社の独自性をアピールすることができます。
(参考)イケてる採用担当や人材エージェントは「時間軸」を意識しているという話。
先日、とある採用リクルーターの方に「イケてる採用リクルーターとそうでないリクルーターの違いは何か?」と聞いた際に以下のような回答をもらいました。
イケてない採用担当は「過去~現在」の話ばかりをしがちです。
ただ、求職者からすると、これから自分が参加する「未来」の話が大事です。その為、企業説明する時は「今は・・・である」という文脈ではなく、
「今までは・・・で、これからは▲▲▲にしていこうと思っている(その為にアナタの経験が欲しい)」という文脈で説明するように意識している
「時間軸」を意識した求人票を書いてみましょう
■仕事内容が具体的でイメージすることができるのか?
求人票を読んで、候補者が入社した場合、どういった仕事をするのかイメージできるのか?ここがポイントになります。
具体的には
・担当するプロダクト、プロジェクトが詳細に書かれているのか?
・担当する業務が詳細に記載されているのか?
・募集背景が記載されているのか?
・仕事の面白さ、魅力が記載されているのか?
記載の例としては次のような順番で記載するとわかりやすいです。
・企業の概要、特徴
・担当するプロダクトの概要、特徴、実績等
・会社としての展望、今後の展開
・今回の募集背景(実現したい未来と現在の"差")
・具体的な仕事内容
・仕事の面白さ、魅力、身に付くスキルなどについて
例えば、Findyのバックエンドエンジニア求人の仕事概要は以下のようになっています。
Findyでは「働く個人の価値を見える化し、個人がもっと自由に働ける社会」の構築を目指して、事業に取り組んでいます。
(※企業の概要)
本求人では、以下のサービスにおけるバックエンドエンジニアを募集します。
・ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービス「Findy」
・フリーランス・副業エンジニア向け単価保証型の案件紹介サービス「Findy Freelance」
・求人票採点サービス「Findy Score」
(※担当するプロダクトの概要、特徴、実績等)
また、リリース後は「エンジニアの市場価値を上げるサービスになる」、「スキル偏差値のアルゴリズムをもっと進化させてほしい」といった期待の声をたくさん頂戴しました。
上記のようなユーザーの期待に応えるため、一緒に開発を加速させてくれる方を募集します。
(※会社としての展望)
(※今回の募集背景)
具体的に以下の仕事内容を想定しています。
・エンジニア向け転職サービスの企画、及び仕様策定
・Ruby on Rails、MySQL、Redis、ElasticSearch を利用したバックエンド開発
・Docker、Heroku、AWS EB、EC2、ECS、S3、SQS、Route53 を使ったインフラ構築
・急成長期の開発体制及び組織づくり
(※具体的な仕事内容)
■必須、歓迎スキルは候補者が自分のための求人票と思ってもらえる書き方になっているのか?
例えば、「Ruby、JavaScript、DB設計ができること」というスキルを求めている場合、どの程度のレベルの人が欲しいのか?よくわかりません。
これを読んだ際、以下のようなことが例えば疑問として浮かぶはずです。
・RubyはRuby on Railsとかのフレームワーク経験は必要なのか?
・それともLL系の言語でMVCアーキテクチャ触ったことあればOK?
・開発規模はどの程度なの?
こういった疑問が浮かぶことを防ぐためにも
・Ruby on Railsを利用した月間100万PVを超える規模のサービス開発経験
・React、Angular2を使ったフロントエンド開発経験
・MySQLによるデータベース設計と実務経験
ここまで具体的に記載することができれば、求職者にとってもわかりやすく応募したいと思う求人票になるはずです。
必須スキルと歓迎スキルの定義ですが、私は以下のように定義しています。
・必須スキル:最初から絶対必要なスキル
・歓迎スキル:持っていると内定率が上がるスキル
※特に歓迎スキルに関しては、企業の人事様、エージェントをはじめとした人材業界従事者、転職を検討している候補者で定義がバラバラになっている印象を受けます。エンジニア採用は特に難しい職種になるので、カジュアル面談等の接点作り、母集団形成のためにも、歓迎スキルは「持っていると内定率が上がるスキル」と記載することをおすすめします!
■表現が正確で、専門家の目線が入っているのか?
例えば、下記の必須スキルを見てください。
(必須スキル)
・Webアプリケーションの開発経験3年以上
・Ruby、python、PHPいずれかの言語での開発経験3年以上
どこかおかしな点はありませんでしょうか?
冒頭でお話しした『解像度』について思い出して見てください。
「Webアプリケーションの開発経験3年以上」、「Ruby・・・開発経験3年以上」この二つは解像度の違う物を並列で記載してしまっています。
また、Pythonがpythonになってしまっています。細かな記載の違いかもしれませんが、この記載方法からこの求人票は非エンジニアの方が適当に記載していると読み取れる可能性が高いです。
他の例としては、
・JavaScriptの使用経験
とあった時に、もう一段深掘りして記載すると
・React、ReduxなどのFluxアーキテクチャを利用したJavaScriptライブラリの使用経験
と記載した方がわかりやすいはずです。
ここまでくると、現場のエンジニアしか記載することが出来ないため、間接的にビジネスサイド(人事)とエンジニアサイドが採用において良好な協力体制が築くことが出来ていると言えるかもしれません。
■エンジニアが魅力的と思うワードが入っているのか?
求人票に記載されている「エンジニアにとっての魅力ポイント」は
・プロダクトに対する魅力
・技術に対する魅力
・働き方等の条件に対する魅力
に分けることが出来そうです。自分で数千件の求人票を読み込んでみて魅力ポイントになりそうなワードを羅列します。
・有名なエンジニアが社内にいること(twitterで有名、GitHubのスター数)
・働き方の柔軟性(リモート、サテライトオフィスなど)
・開発体制の記載(例:PdM1名、メンバー4名)
・最新の技術を積極的に利用している
・経営陣が技術理解があること
・トラフィック数、ユーザー数が豊富
・OSSの貢献を推奨している
・ハッカソンの入賞実績
・副業可の記載
・高性能なチェアーの配布
まとめ
良い求人票とは経営戦略→事業戦略→採用戦略と繋がりが適切であり、採用すべきターゲットが明確になっている。ターゲットが明確であることは
・お任せする業務内容が明確である
・成長期待に関する記述がある
・社内でテクノロジーに関する理解がある
・エンジニアサイドとビジネスサイドが協力しあえる良好な関係である
という条件を満たす可能性が高く、法人、個人ともに入社後にギャップが少なくお互いハッピーになる可能性が高いという内容でした。
そして良い求人票を書くためのポイントとしては
・適切な解像度でエンジニア職種を分類すること
・募集背景を「時間軸」を意識して記載すること
・求人に興味を引いてもらうための求人の売りをタイトルに書くこと
・現場のエンジニアに協力してもらいながら具体的かつ専門的な仕事内容、必須、歓迎スキルを書くこと
上記4つが大事ということでした!
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その他、エンジニア採用にお困りの人事様、お問い合わせいただけますと、お返事いたしますので、私のtwitterDMにご連絡いただけますと幸いです!!