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ゲーム業界の転職事情 中編【就活編】

0.はじめに

こんにちは。sue02です。
今回も前編に引き続き、ゲーム業界の転職事情のお話です。

前編では、大手志望の就活生・未経験採用を目指す方に向けて、
転職ありきの就職活動のススメをお話をします。

中編では、転職方法と転職のメリットをお話します。
今回は中編です。お間違いなく。
この記事を読めば、初めての転職も乗り切れる!!はず
ポートフォリオの作り方はこちらの記事をどうぞ。

後編では、私の転職経験、退職理由、
会社規模によるメリット・デメリットをお話します。


1.新卒採用と中途採用の4つの違い

中途採用も、新卒採用とほぼ同じ流れです。
応募先を決める→応募→書類審査→面接(1~3回)→採用通知

ただし、新卒採用との違いは4点あります。

■ 1.かなりスピーディー

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中途採用は、転職者により転職時期が異なります。
そのため、かなりスピーディーに応募から結果までが進みます。

多くの会社が即日もしくは翌日に結果連絡をくれます!

中途採用を強化している会社や大手の場合は応募が殺到するため、
通知連絡まで2週間から1ヶ月かかることもあります。


■ 2.審査通過通知がたくさんもらえる!

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即戦力になる中途採用は、審査通過通知がたくさんもらえます。

一度に応募する会社数は自由なのですが、
まずは3~5社程度に送り、通知状況により次を考える方が多いようです。
面接により採用の合否は変わりますが、
中途採用を強化している会社の場合は、書類は通過しやすいです。

ちなみに、私はおおよそ10~30社程度に応募していました。
理由は後編で…


■ 3.スキルと協調性が重視される!

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中途採用は、即戦力が売り!スキルと協調性が重視される!

新卒採用の場合は、
スキルが若干惜しい場合も採用する場合があります。
◎最低限の仕事ができるスキルはありそう
◎伸びしろや吸収力(素直さや責任感)を感じる
などの理由から…

中途採用の場合は、完全に即戦力が求められます
採用担当をしていた時は、スキルありきで、
『チームに馴染めそうな性格や趣味
社風に合いそうな将来設計
という2点が決定打でした。


■ 4.転職活動は日常業務と同時進行

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実際に退職するまでは、通常通りに仕事はある!

退勤後や休日や有給を駆使して、
転職活動を同時進行することになります。
通常業務をしながら、
ポートフォリオの準備や面接などをこなすのは結構ハード!

社内への退職の告知時期は、会社の方針によりますが、
他社員の士気を下げないように…などの理由で、
退職日まで秘密にするように言われることもあります。
そのため、普通に仕事を振られます。

すぐに告知しても良い会社でも、
後任の選出(場合により新規採用)や引き継ぎ業務で、
通常業務よりも忙しくなりがちです。

就職活動と仕事を上手く割り切って、
転職活動の時間を死守する必要があります!
この段階で、転職をリタイアする人が多い印象です…

ちなみに、最近は働き方改革の結果なのか、
営業時間内に面接を希望される会社が増えました。
『会社には秘密で転職活動』は難しくなっている気がします。


2.いざ転職!を考えるタイミング

■ どれか一つでも当てはまったら転職を考えよう!

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1.やりがいがなく、今後もなさそう
2.成長が実感できず、今後もできそうにない
3.働き方や待遇に不満があり、改善されそうにない

断言できます。
その会社に長くいても、あなたにメリットはありません。
ストレスが無駄に貯まるだけです!早く辞めよう!


■ 社内でも解決できそうなら上司に相談しよう!

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123に当てはまっている場合でも、
社内で解決できそうな場合は上司に相談してみよう!
会社の将来や社員の将来をしっかり考えいる会社なら、
解決方法を提示してくれると思います。
例えば・・・

◎同僚に比べて待遇に不満がある
◎今の立場では、自分のスキルを活かしきれないと感じている
◎やりたい事ができていないが、別のチームであればできそう

上司にヤバみがある場合は、
自分よりも上役で解決できそうな権限に近く、
相談しやすい方であれば誰でも良いと思います。
それすらできない会社は、辞めるべき会社です。


■ 転職活動をする前に情報収集しよう!

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できれば会社に転職相談をする前に、
なるべく多くの転職経験者や同業者に相談してみよう!

なぜなら、転職が初めてという方の中には、
『うちの会社はブラックだから…』と思い込み、
社内で解決しようとせずに即退職を考える方もいます。
転職を考え始めたら、まずは業界の現状をぜひ知ってください!

本当にブラックの場合もありますが(笑)、
『他社よりも残業時間が全然マシでは…』
『他社よりも高待遇なのに…』
『やりたい事をさせてもらえているなら良い会社では…』
と内心では思ってしまうお話も聞きます。

そういった方の中には、
『勢いで退職したけど、転職先が何ヶ月も見つからない』
という方もいます。

やるからには成功前提で!
希望条件や妥協点を具体的に整理しつつ、
準備万端にしておきましょう!


3.転職しないと損!?転職の4つのメリット!

■ メリット1: スキルアップしながら知見が広がる!

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クリエイターとして長く生き残りたいなら、
一度くらいは転職しよう!

あくまで私の持論です。
同じ会社に長くいることが悪いわけではありませんが、
同じ会社でも違うチームであれば、作り方や体制は違います。
会社が違えばもっと違います!社風も全く違います!

転職をすることで、人間関係や感性なども変わってきます。
そのため、世界も広がり、新しい視野を保つこともできます!


■ メリット2: 転職することで学ぶ習慣が身につく!

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『ゲーム業界の退職年齢は40歳』と言われている!?

年齢が上がるほど、過去の経験に固執していくのは人間の性…
歳を取るごとに、新しい知識についていけなくなります。
それが40歳前後から顕著になるんだろうと思います。

バリバリ活躍している40歳以上の先輩もたくさんいるのですが、
『転職経験者』『フリーランス経験者』
といった方が多い印象があり、
新しい環境に馴染むことに慣れているため、
新しいことを学ぶ習慣が身についているのだと思います。


■ メリット3: 業界内での自分のレベルがわかる!

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中途採用面接は、フレンドリーでハッキリ本音を言ってくれる!

私自身の体感ですが、打ち合わせのような和やかな雰囲気で、
対等でフレンドリーな面接をしてくれる会社が多かったです。
面接時には、具体的に求めるスキルと働き方を教えてくれます。
その分、スキルの評価もその場でハッキリ言われました…

同じ会社に居続けるほど、
自分の実力がどの程度なのか知る機会は無くなっていきます。

転職活動をして、多くの会社と話をすることで、
自分の可能性も実感できるため、自信にも繋がりますよ!


■ メリット4: 転職は給料を爆上げするチャンス!

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新卒入社は、募集要項に記載されている金額から徐々に昇給!

その昇給具合は、会社の業績や自身の貢献度などにもよりますが、
数千円~数万円が多いのではないでしょうか?
もっと上げてくれる会社は凄い!
なんにも言わないと全く上げてくれない会社もあります。闇。

中途採用の場合、募集要項の年収はあくまで目安!交渉可能!

大体の会社で採用面接や合格通知のときに希望年収を聞かれます。
その年収に合意が取れるかどうかは会社によりますが、
元の給料よりも高い年収で入社し昇給をスタートできる可能性が
あります。スキルがあれば、元年収の2倍3倍も夢じゃない!

『元の会社くらい貰えれば十分』という謙虚な方もいますが、
会社にとって安いに越したことはありません。
同じ役職(業務)、同じ時期の入社でも、
数十万単位で差が出ることもあります!もったいない…

何社かの募集要項を見た限りでは、
イラストレーターやアートディレクターで、
350万円から要相談が多いようです。
残念ながら、もともと高待遇の会社から転職する場合は、
同額またはそれ以下の給料になることは覚悟した方が良いです…!
何を目的に転職するか…ですね。

交渉はタダ!ただし、自分で交渉するにはリスクがあります。
転職活動の際には、転職のプロフェッショナル!
転職エージェントを活用しましょう!


4.転職エージェントの3つのメリットと1つのデメリット

転職は何かと大変です。
転職エージェントを利用するとだいぶ楽になります!
『ネットに採用情報を掲載すると応募が殺到する』という理由で、転職エージェント経由でしか求人を出さない会社もありますよ。

■ メリット1:作業量が激減

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◎書類の編集はほぼ不要!
ポートフォリオや各書類を一度提出したら、
あとは応募先に応じて担当さんが校正や編集をしてくれます。

◎連絡は担当さんのみでOK!

採用が決まるまで応募先と直接やり取りすることはありません。
担当さんとの気軽なメッセージのやり取りのみです。

◎転職先を探す手間が省ける!
希望条件を相談すればオススメ企業を厳選紹介してくれます。

◎応募は『応募ボタン
をクリックするだけ!
 あとはおまかせ!


■ メリット2:スピーディー

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転職を悩んでいる状態で、エージェントへの相談は避けよう!
そのくらいにスピーディーに転職活動が進む!

担当エージェントが1~2人つくため、
1人で転職活動をするよりもかなり早く進みます。
初回の打ち合わせですぐにオススメ企業を紹介してくれます。
希望条件やスキルにもよりますが、
相談から採用通知まではおおよそ1ヶ月以内で決まります。

1人で転職活動をすると躊躇したり…悩んだり…すると思います。
背中を押してくれながら、
オススメ企業を椀子そば形式で紹介してくれるため、
『やらねば!』という気持ちになります。
悩む暇もなく、気づけば転職先が見つかっていることでしょう。


■ メリット3:安心感

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転職は何度体験しても不安がつきまといます…
親身に相談にのってくれる担当者がいることで安心感がある!

会社の噂や転職ノウハウも豊富なエージェントが多いため、
『この会社ならこの年収くらいイケると思う』
『この会社はこういう人が好きっぽい』
などを教えてくれる方もいます。

エージェント会社や担当さん、
それぞれに馴染みの会社やツテがあるため、
中途採用をしていない会社にも交渉してくれることがあります。

面接に付き添いしてくれるエージェント会社もあります。
面接が苦手な方には心強いのではないでしょうか?


■ 唯一のデメリット:担当さんの相性やスキルに偏りがある

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実際にどのような方が担当エージェントになるかは選べない!

◎相性の相違で、会話するだけでストレスが溜まる…
◎控えめすぎる性格で不安が拭えない
◎業界の知識が乏しく、希望外の会社や職種を紹介してくる…

ということも稀にあります。

親身に相談にのってくれるので文句を言っても仕方がないですが、
こればかりは難しいなぁ…と思います。
担当エージェントをチェンジできる会社もありますが、
チェンジするか、別の会社にするかは毎回悩みどころです…


5.転職活動の留意事項!暗黙の了解の存在

『暗黙の了解』や『当たり前』を、
どのくらいの方が知っていますか?

転職エージェントがオススメな理由の一つでもあります。
1人で転職活動でやっちまいがちな3つをご紹介します。

■ 1.同じ会社への再応募は1~2年できない!らしい

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スキルが望むレベルに達していないため、
不採用
なのだと思います。
新卒採用同様に再度スキルを磨く期間という意味で、
1~2年と言われているのではないでしょうか?(あくまで予想)

同じポートフォリオや職歴を短期間で何度も送ったところで、
落とされるだけです。応募先内でブラックリストに載るだけです。
エージェントを複数活用したくさん応募する方は、
特に注意しましょう…!


■ 2.ポートフォリオや職務経歴書にも掲載許可が必要らしい

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守秘義務に関わるため、
商業作品やゲームタイトルは掲載許可が必要!
という建前

中途採用の職務経歴書では、スキルをアピールするために、
どういうチームでどういう事をしてきたのか記載し、
ポートフォリオにも商業作品を多く入れます。

この時、無断で掲載したり公開することはNG!
応募先の担当者やエージェント会社は社外の人です。
ネットでの実績公開と同様に公開許可を取る必要があります。
公開許可がない場合は、
職務経歴書をぼかした記載に改変されたり、
ポートフォリオのページは削除されてしまいます。

下請け会社や短期参入会社などの場合は特に、
開発に関わっていたことを絶対言ってはいけないこともあります…

完全にアウトというわけではなくグレーではあるため、
バレたとしても見逃してもらえる事が多いですが、
リリース前作品だった場合は…震

中途採用でのオススメのポートフォリオの作り方は、
こちらの記事をどうぞ!


■ 3.なんとなく応募した?でも、本音は絶対に隠そう!

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御社で何ができるか』を具体的にアピールする準備をしよう!

即戦力を求められているため、
『社則』や『何を開発運営しているか』などの事前知識は必須!

できれば、ゲームをプレイしてみることをオススメします。
時間的に厳しい場合はようつべやSNSもあります。

新卒採用の場合は、最低限のスキルがある事自体が貴重なので、
ゲームをやっていない!と言っても採用されることがありますが、
中途採用でそれを言うと落とされる可能性が高くなります。

デバッグや改善提案を言い合う事も社員の仕事の一つなので、
既にやってくれているっぽい…!というだけで、
自発的に働いてくれそう!なイメージが湧いてきます。
ゲーム売上に貢献してくれそう!と評価してもらえると思います。

ちなみに採用担当時に、
『御社のゲームに興味がなく、やったことはありません!』
と声高に言われる方は結構いました…


6.退職時の3つの心得

■ 1.穏便な退職を心がけよう!

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他の業界と比べても、ゲーム業界はかなり狭い業界です…!
良くも悪くも噂はすぐに広まります!笑

1つのゲームを開発するために、たくさんの会社が関わっています。元いた会社と一緒に仕事をすることもあります。

応募者の元いた会社にツテがある場合、
応募者がどういう人かを聞くこともよくあります。

実際に私が中途面接を受けた時も、面接官が知人や同僚の元同僚だったり、昔同じチームにいた方だったりしたこともありました。


■ 2.会社に相談せずに、即日退職はNG!

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『確実に転職するために、ギリギリに退職宣言する!ドヤ』
という信条の方がたまにいますが、絶対にやめましょう!

突然辞められてしまうと、非常に迷惑がかかります
◎データの保存場所が見つからない!
◎データが共有されておらず消えた!
◎マニュアルがないから作り方がわからない!
◎山積みタスクに山積みタスクが足されて地獄!
など…悲惨な目に合います。超辛いです!

社内がパニックになるということは、
ゲームを楽しみにしているユーザーの楽しみを奪ってしまうことにもなりかねません。
クリエイターとして、その行動はどうなのでしょう…


■ 3.退職準備には時間が必要!

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お世話になったからこそ、迷惑をかけない辞め方を心がけよう!

私の場合、退職を相談してから実際に退職するまで、
おおよそ3ヶ月~半年はかかりました。だいたいこんな流れです。

転職を相談する→面接→面接→面接……了承を得る

引き継ぎ準備と後任の相談

引き継ぎ作業

私が抜けても回る様になったのを見届ける

有給消化期間からのぬるっと退職

ちなみに、当日朝に仕事を振られるような下っ端だった時は、
全く引き継ぎは必要ありませんでした。


7.まとめ

実際に入社してみないとどうなるかはわかりません。
不安も多いと思います。
勇気を持って一歩踏み出してしまえば目まぐるしく転職活動進むため、気づけば転職先のデスクに座っています。

会社に不満がある方、スキルアップを求める方は、
ぜひ転職という手段も考えてみてください。

働きやすい職場であれば、同じ会社にい続けることで得るものもあります。
実際に転職が必要か否かはあなた次第です。
仕事の楽しさは人生の楽しさに繋がります!人生は有限!有意義に!

後編では、私の転職体験談とをお話します。


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