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山小屋の体調不良

朝起きるのがしんどかった日。

毎日の早起きは唐突に終止符が打たれた。

どうしても起きられない朝が月に一日くらいはある。

寝不足が続くと「そろそろ来るか」と身構える自分が居る。

そして、その日はやって来る。

目覚まし時計の音など耳にも入らず、恐ろしいほどの疲労と共に。

昨日は草刈りがひと段落した。

畑作業に支障を来す場所は大抵綺麗になった。
(枯れかけたマリーゴールドの花壇だけが未だ草まみれである。)

夏は苗を植えたり種を下ろす作業の無い分、
収穫と草刈りの連続である。

約ひと月前、
日差しの増して来た頃に下ろしたつるむらさきは、
余りの猛暑に一瞬で溶けた。

可哀想な事をしたと思う。

もう二度と、真夏に種は下すまいと決心した。

そして今日の日だが、
朝から猛烈な暑さであった事もあり、
見事に畑へは一瞥もくれず日が落ちた。

精神的不安とは裏腹に休息を渇望する体。

矢張り昨日は熱中症気味であったのだろう、と改めて思い返される。

草刈り作業のひと段落した後、
久方ぶりに遠出して、
隣町の美術館へ訪れたのだ。

和洋折衷の感じの絵画が薄暗い館内へ所狭しと並び、
寧ろその狭小さが絵画に迫力を生んでいる。

繊細に塗り重ねられた花弁の美しさは筆舌に尽くし難く、
背景との独特のグラデーション、否、コントラストと言うべきか、
兎に角この画家にしか出せない味があると思った。

睡蓮を、金色と白色とを織り交ぜて描く辺りなど、非常に良いと思った。

ところで、その美術館に併設されたカフェで昼食を取ったのだが、
何を考えたかテラス席を指定した為に、壮絶な暑さに見舞われた。

その後帰宅途中に訪れた山小屋カフェでもまた、
ベランダの席を選んだが為に、
僕はとうとう頭痛と吐き気で倒れたのだった。

持参した水分はとうに飲み切り、
山小屋カフェではアイスコーヒー二杯、水二杯、ほうじ茶一杯と、
これでもかと言うほど水分摂取を試みたが駄目であった。

命からがら帰宅しベッドへ倒れ込むと、最早記憶が無い。

僕の楽しかった休日は一体何処へ行ってしまったやら。

調子の悪い日と言うのは、朝起きた時から既に始まっている。

殊睡眠不足は僕にとって重大悪で、
パフォーマンス低下を招く最大の原因である。

分かっていながら、ついつい僕の怠惰が仇なした。

常に自らを見つめる、美しい金色と白色で在りたいなら。

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