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ある日の畑仕事

蛾の幼虫を一通り退治して元気を取り戻したオクラに、大きな房が付く。

場所によって成長の仕方がまちまちだから面白い。

苗を作る時期にもよる。

自然農では多少遅い方が良いようだが。

しかし、遅ければ良いと言う訳でもないので難しい。

ピーマンは熟して色が着いてしまう、まるでパプリカのようだ。

一方のパプリカは緑色のまま変化が無い。

大きくならず熟しもせず、時が止まってしまったようだ。

カボチャやキュウリ、ズッキーニはもっと悲惨で、
カボチャとズッキーニに関しては、
実を付ける事無く虫に食べられてしまった。

キュウリは最初こそ大量の実を付けたものの、
徐々に勢い衰え、
二株残し現在は虫の息である。
(その二株も生育旺盛だが実を付けない。)

つるぼけ、と言う現象を知ったのはその頃で、
株の勢い余り過ぎると花を咲かせない。

雄花を咲かせても雌花は咲かなかったり、
兎も角、
元気が良いだけでは駄目なのだ。

嬉しい事はようやくミニトマトに実が付いた事。

今年は苗が上手く育たず、
長い事小さいままだったが、
ようやく山椒の実のような丸い玉が幾つも結んでいた。

その隣の大玉トマトは乾燥が過ぎて虫害に遭っている。
ここ数日の雨で少しずつ英気を養うように見えたが、
今朝見てみると矢張り実がどれも割れてしまっている。

初心者の無知は空恐ろしい、
毎日見ていてもそれが何なのか分からない、
いざ分かっても対策の仕方を知らない。

そうして少しずつ改良を重ねて、
何時の日か安定して野菜を作れるようになるのだろう。

早くその日が来れば、と気を揉む日々。

ところで、長雨の後に大変となるのが草刈りである。

雨の恵みを受けるのは我が畑の野菜たちだけで無い、
有象無象の草草も一様に天の恩恵を受け逞しく育つのだ。

その勢いがまた尋常では無い。

野菜たちの草勢を猛然と追い越し、
通路と畝との境を不明瞭にしてしまうほど。

夕方に陽光の十分陰った後、
僕は再びバックガーデンへと繰り出し電動芝刈り機の電源を入れる。

芝刈り機の振動は何時も苦手だ。

何だか気持ち悪いし、草刈り後もまだその余波が残存する。

けれど、充電の切れるまで凡そ一時間、
芝刈り機を回した場所は随分さっぱりした。

今日はバックガーデンの半分ほど終わらせた。

まだあと半分と、フロントガーデンも残っている。

先は長いが、辛抱強さでは雨を待つ植物に負けぬ所存だ。

薄暗い庭は強い草花の芳香で満ち満ちた。

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