世界のおわりと彼女のはじまり
1 最初に星がひとつ消える夜空にかがやく星・星・星。
白いの、赤いの、オレンジの。
それぞれの色で輝く星・星・星。
あるものはひとりぼっちで。
あるものは群をなして。
空の端には半かけの月。
夜空をかたちづくる星たち。
それがひとつ――
フっと消えた。
「あっ――」
小さな口からこぼれる小さな叫び。
「星が消えたわ」
夜空を見あげる彼女と彼。
「星がひとつ消えたわ」
彼女の瞳に夜がひろがる。
「ねえ、あなたも見たでしょ?」
「ああ、ぼくも見た」
彼が答える。
「たしかに星が消