AI時代の泳ぎ方⑭ 思考の生産性を上げる企画の要領
いよいよ、このブログの本丸の一つ、思考の生産性を上げる方法論について述べてみたいと思います。
ビジネスでの思考は、そのほとんどが、企画提案というカタチで帰結します。
考えがまとまらないと悩んでいる人が多い
ところが筆者が一番多いなと感じるケースは、皆さんそれぞれ頭の中で考えを持っているのだけれども、バラバラでまとまらないという悩みです。
考えを要領よくまとめられれば、思考の生産性を上げることができます。
そこで、今回は筆者がやっている手順を企画と企画書の作成手順でそれを説明しましょう。
企画書の順番は決まっている
企画の思考作業としては、当たり前ですが、思いついた企画を文章化(企画書化)する作業が必須になります。
ビジネスを推し進めるとは、総じて周囲の多くの人に自分、あるいは自分たちの考えやプランを伝え、納得させなければならない。
そうすることで、情報を共有化できたり、合意形成ができたりするわけで、そのためには、文章化や企画書化が必須なわけです。
つまり、最終的に企画書に落とすのだから、そのプロセスを知っておいた方が良いのは自明です。
ざっくり言うと、この3枚になります。
ですので、考えがまとまらない人は、まずはごちゃまぜになっている自分の考えが、この3枚のどこにあたるのか書き出してみましょう。
つまり、初動の作業としては、考えている要素をこの枠組みに沿ってプロットしてみることです。
収束的思考
この3枚の考え方ですが、企画の芯を真ん中の部分に収束させ、そこからまた拡散していくという考え方です。
私はこれを「リボンフレーム」と呼んでいます。
なぜこのようなプロセスを取るのか?
それは人間の思考のクセがそうなっているからです。
ブログ④「正しい因果を見極めるにはシステム2が不可欠」でも述べましたが、人間は様々な事象や疑問に対して、「○○だから、××になる」、「○○だから、××しよう」と、答えをシンプルにして結論付けたい本能を持っています。
その方が素早く意思決定しやすいからです。
人工知能の権威である松尾豊東大教授も「人間の最大の特徴は予測をすること」と言っています。
つまり、この因果思考はその前提になっているわけです。
なので、その本能に則って、「○○だから、この企画を提案します」という流れが最も説得力があるのです。
企画書のキモは真ん中
この3枚の企画書フレームの中でのキモは、言うまでもなく、真ん中の部分=「課題と方針」です。
これをいかにクリアに表現できるかで企画がまとまります。
さて、その時あなたはこの芯の部分の考え(課題や方針に関わること)を何も思いついていないのかというと、そんなことはないはずです。
このブログ⑤回目「妄想の力」でも述べましたが、人間誰しも妄想というネイチャーを持っています。
なので、何らかの企画アイデアを持っているはずです。
そして、「~だからこの企画アイデア」と因果的に整理することができるはずです。
これが一般的に、仮説思考と言われるものです。
課題と方針の関係
課題と方針をどう書き分けるかですが、簡単です。
先述のように、因果的関係にあるので、「こういう課題がある。なのでこういう(企画)方針にしたい」、あるいは、「今回はこういう(企画)方針で進めたい。何故なら、こういう課題なので」というように、リーズンホワイの関係になっています。
なので、その関係を明らかにして書き出せばよいのです。
真ん中を元に前後を考える
そして、次にやることは、この真ん中の記述を元にして、前後の文章を考えてみることです。
既に、初動として何らかの文章がプロットしてあるはずですが、それが的を得ているかチェックしてみましょう。
もし必要なものなら、真ん中の記述にうまくつながるように微調整しましょう。
また、何か欠けているなとか、この記述があった方がいいと感じる部分があるはずです。
それらを言語化して埋めていきましょう。
つまり、ここでは拡散思考を使うのです。
なぜ拡散思考がワークするかと言うと、考えるべき芯が定まっているので、考えがブレないからです。
芯があることで、分析の重点や整理すべきことが明らかになり、かつ色々な実行プランのバリエーションが出てきます。
このように、思考の生産性を上げるコツは、企画の芯(=真ん中部分)を定めてから、その前と後ろを考えてみることです。
生成AIをどう使うか
さてこのブログの主題でもある「AI時代をどう泳ぐか?」に当然関わってくること、つまり、上記作業に生成AIをどう活用していくかについても、考察を述べたいと思います。
前半では、課題と方針、すなわち仮説をまず書き出し、そこから前後の作業に進むことが大事だと言いました。
ということは、言わずもがな、あなたの考えやアイデアが出発点となります。
この時点でAIにできることは何もないのです。
しかし、一端これをまとめれば、AIにその評価や感想を聞くことができます。
そこで、様々な気づきや改善、修正などに役立つ可能性は大いにあります。
生成AIにできること
上記を含め、生成AIにできることをプロセス別に整理すると以下のようになります。
①分析整理:抜け漏れのチェック。AIは全方位で答えてくれるので、この企
画で考えるべき要素で抜けていたことを確認できます
②課題と方針:自分の考えありきです。その評価をAIに聞くこと。さらに問
答しながら精緻化していきます
③実行プラン:類似事例を聞いたり、アイデアの深堀りをしたりすることが
できます
で、初動ですが、まずは、プロンプトを明確に書いてみましょう。
具体的には、今回の企画の目的、骨子、その理由(課題と方針)、実行アイデアなどあなたの頭の中にあることをコンパクトにまとめるてみます。
これは、今回の企画は一言で言うとどんな企画なのかを説明する一文でもあります。
なのであなたの頭の整理ができます
そこから始めていくのです。
次回は、具体的な例でお話しします。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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