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マネージャーの心得

私が管理職…いわゆる課長になった頃でしょうか。

その頃に知ってから、今に至るまで心得として常に意識していることがあります。それが、P.F.ドラッカーの『経営者の条件』にある三つの領域です。

あらゆる組織が三つの領域における成果を必要とする。
すなわち、

 「直接の成果」
 「価値への取り組み」
 「人材の育成」

である。これらすべてにおいて成果をあげなければ、組織は腐りやがて死ぬ。したがって、この三つの領域における貢献をあらゆる仕事に組み込んでおかなければならない。

一人ひとりの貢献を通じて、組織として成果をあげるべき三つの領域をしっかりと認識しておくことは、少なくともマネジメントを遂行する役割にとってはとても重要です。

「直接の成果」とは、売上げや利益、顧客の数など、一般的に私たちが成果と呼んでいるものです。気を付けなければならないのは、必ずしも定量的でなければならないというわけではない点です。定性的でももちろん構いません。ただし、確認/測定が可能でなければなりません。

「人材の育成」は、あらゆる階層や場面で必要ですが、とりわけトップの後継者育成は難しく、また時間のかかるものです。

ですが、時間がかかるからと言って優先度を下げていいというわけにはいきません。なぜなら、ビジネスを成立させるための適材が存在しなければ、いつまで経っても次のステージに進むことができません。プロジェクトでも事業でも経営でも、人の育成なしには成立しないのです。

「価値への取り組み」の「価値」にはいくつもの意味が含まれていますが、そのうち特に重要なのは、次の2点です。

第一に「顧客価値」への取り組みです。他に選択肢があるのに、顧客がなぜ注文してくれるのか。顧客が支持してくれる理由を明らかにすることです。人を喜ばす力の大きさが、顧客価値を決めます。いい換えれば、顧客が喜ぶ付加価値をいかに提供できるか、です。

第二に「組織の価値観」への取り組みです。組織という土壌に手をかけることで、その土壌にふさわしい種が芽を出し、花を咲かせ、実をつけます。その結果が土壌をさらに豊かにするように、その組織に合った人材が育ち、才覚を現すことで、組織もまた豊かになります。

学ぶ土壌が人をつくり、それらの人がまた土壌をつくる。組織の価値観は、そんな好循環から生まれます。

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