見出し画像

新人や若手ビジネスマンに必要なのは「成功者の仕組みを真似ること」

2019年の出生率が86万人ということで、彼らが社会人になるまでにはまだ20年以上ありますが、当然今年も6~7桁の新社会人が増えているわけですよね。

私の身の周りでも、経験の少ない若手ビジネスマンの方がいます。

そんなみなさんがスキルアップして、ビジネスで成功を手にするための早道があります。それは

 「成功者の真似をする」

ことです。成功していると言うことは、それが意図したモノかどうかに関わらず、何かしら成功するための条件を満たしていると言うことです。それらの成功は

たまたまかもしれません。
外的要因があったからかもしれません。
本人の実力ではないのかもしれません。

ですが、運よく条件が満たされたから成功しているのです。それをもしも身近で見る機会があったのなら、せっかくなので色々分析してみてください。


世の中の成功の大半は模倣から始まる

そもそも、よほど天才肌の人でない限り、成功の近道は常に「模倣」から始まります。実際にエジソンは、

商業界の世界では、誰もが盗む。私自身もずいぶん盗んだものだ。肝心なのはいかに盗むかである。

という言葉を遺しています。私もこの言葉には大いに賛成です。なんでもかんでも無暗に真似ればいいわけではありませんが、ゼロスタートで始めるよりもはるかに初動が楽です。既に世の中に存在するものであるなら、どんどん活用させてもらえばいいのです。それに、過去の人たちが残した経験や歴史をありがたく活用させていただくのは、残された私たちの役割でもあります。

以前、言ったように

学生の頃はともかく、社会人になればカンニングは止められていません。むしろ、それで成果が出て企業に貢献できるなら賞賛されるものです。

未だ自分の中に答えが無く、前に進むのが難しい時は、おおいに他人を模倣し、カンニングすればいいのです。


たとえば、スマートフォン。

今となっては携帯電話界の主軸となっている形式の電話ですが、最初からスマートフォンは各メーカーが平等に思いつき、開発したものではありません。当然ながらそこには

 最初にアイデアを生み出し、開発した企業
 模倣して、自社独自のアレンジを加えた企業

とに分かれます。ですが、どちらも成功する企業は成功しています。成功するプロセスや製品をベースに真似て、さらに差別化するために様々なものを加え、進化してきたからです。

特許や知財が絡むものであるならばまだしも、そうでないビジネスの知恵や知識であれば、むしろ生産効率をあげるために最大限の努力をする過程で「模倣する」と言う選択肢が最適解となるケースは非常に多いものです。これをマーケティング用語では同質化(差別化の対義語)と言います。

はっきり言って、常に自分の頭で何かを生み出すために考え抜くには限界があります。

だれにも頼らず歯を食いしばってゼロから独力でがんばるよりも、最初はとにかくデキる人の真似をして、それを吸収し、「慣れる」「理解する」を繰り返していくことです。デキる人、仕事を効率よくこなしているビジネスパーソンというのは、自分の仕事に「仕組み」ができている人ですから、その「仕組み」を真似するのです。

他人の「仕組み」をベースに取り込んで自分のものになったら、それを自分なりにどんどんバージョンアップすることで、自分専用のオリジナルの「仕組み」としていくわけです。

本田直之氏は、『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社)でこう語っています。

 自分のやる気に他人の知恵や経験というレバレッジをかければ、
 何十倍、いや何百倍もの結果を出すことができる。

この時、自分の実力に還元できないパターンは、言い方は悪いですが「他人の力量を借用」してしまうことです。変なプライドは一切持たずに、周りの先輩や同業者、あるいはビジネス書の中から先人の知恵と経験を盗み、模倣し、自分のものにしていきましょう。

すべて1からアイデアを出す必要はありません。むしろ既存業務に対するアイデアなんてものは、すでに出尽くしてます。そうでなくても色々な手法がありすぎて、飽和状態です。その中から、自分に一番合っていると思うものを模倣すればいいのです。

そもそも、学生時代に学校で学んできたことは、すべて先駆者たちの研究と知識を模倣したものですよね。

子供の頃からそうして10年以上も「模倣」に慣れ親しんできたのです。大人になったからと言って、それが急に不得意になるわけではありません。大いに模倣しましょう。


模倣したノウハウを仕組みに昇華する

そうして模倣することで、圧倒的に成長のショートカットが可能になります。そのためには、手順や考え方を「仕組み(プロセス)」と言う形式で考えることが有効となるでしょう。

「仕組み」をつくれば、毎回頭の中であーでもない、こーでもないと1から考える必要がなくなりますので、同期よりも、ライバルよりも、同業他社よりも、ずっと仕事の処理スピードが上がります。そうなれば評価も高まり、次々に新しい仕事をまかせられるようになってくるでしょう。まさに好循環がうまれるのです。

たとえば、特定のプログラミング言語、特定のフレームワークを利用した場合であれば、私の1人月あたりのプログラミング生産性は、およそ280~290kstepになります(自動生成分を除く)。ここでは品質面や定義ファイルの有無、リファクタリングの必要性など細かいことは省きますが、実step(コメントや空行を除く)でその程度は生産可能です。

なぜなら、設計書や設計思想から、「何(の機能/処理)を」「どのパッケージに」「どのクラスに」「どのインターフェースに」「どのように」「どんな粒度で」と言ったことは、大抵ルール付けをおこない、シンプルな構成が仕組みとして出来上がっているからです。

画像1

ただ単に、基礎制御文を書き記すにしても、たとえばIMEの辞書変換などを有効活用して、キーボード1文字押せば、何行~何十行と打てるようにしているので、最大限のパフォーマンスが出るよう、常日頃から注意しています。新しく「あ、これ使えそう」なんてコードがあったら、次から次へと登録しています(バックアップファイルが作れるので、言語ごとや用途ごとに辞書を変えると、便利です)。

画像2

仕事に「仕組み」をつくることで、「仕組み」で自分を動かし、「仕組み」でチームを動かし、そして「仕組み」で会社を動かすことができるようになります。

そして、それがうまくいくためには、取り入れた「仕組み」が適切なものであるか否か、自己評価することがポイントとなります。こうして、自分自身や自分の作った仕組みを客観的に評価し、改善していく仕組みを自浄作用、その能力を自浄能力といいます。

逆に言えば、問題が生じたり仕事が効率よくいかないようだったら、それは「仕組み」自体にまだ改善の余地があるということです。

これがプロセス志向の原点です。

チームや会社の仕事がうまくいっていないと感じたら、特定の要素や誰か個人のせいにする前に、まず「仕組み」を見直してみることをおすすめします。

そうすれば、たいていは原因が見つかるものです。なんでもそうですが、最初からうまくいくとは限りません。トライ&エラーというように、試行錯誤を繰り返すなかで、自分や自分の組織に最適な「仕組み」をカスタマイズしていくのがいいでしょう。

特に、他人から模倣する以上、自分にマッチングしない部分は嫌でも出てくるはずです。そういう場所を見つけたら、一つひとつ潰して、改善していけばいいのです。

仕事にミスやトラブルはつきものです。

どんなに注意深く作業しても、思ってもいないところに間違いが見つかったりします。また、うまくいっているプロジェクトでも、2回目、3回目と回を重ねるうちに、どこかでミスが生じることもあります。あるいは自分たちに落ち度がなかったとしても、何かのトラブルに巻き込まれて、結果的に周囲に迷惑をかけることだってあるかもしれません。

この先、管理職やマネージャーになったとしても、同じことです。「絶対に失敗しないようにしろ」「ミスをなくせ」と部下を叱責しても、実際には失敗することもありますし、ミスはゼロにはなりません。いくら頑張っても、人間が行うものである以上、失敗やトラブルが起きる確率をゼ口にすることはできるはずがありません。

だとしたら、失敗や問題を起こしてしまう問題そのものへの対策として、仕事に次のような「仕組み」をつくることを考えるといいでしょう。

 ①ミスやトラブルが生じる可能性をできるだけ少なくするための
  「仕組み」をつくる
 ②ミスやトラブルが生じても、それを早い段階で発見できるための
  「仕組み」をつくる
 ③ミスやトラブルが生じたときにもすばやく対応できるための
  「仕組み」をつくる

PMBOKや多くのマネジメントシステムを含む、PDCAフレームワークが『評価(Check)』というターンを設けているのはこの活動を推進するためです。ですから、実施するだけ実施して、その結果を踏まえて次の仕事に活かそうとしないと、いつまでも「仕組み化」されることはなく、トラブルをゼロに近づけていくことはできないでしょう。

ちなみに私は、私の中の仕組みとして、メンバーや部下が仕事でミスやトラブルを起こしても、1回目であれば絶対に怒らない・叱らないことにしています。

「今後は気をつけます」というような、(本当にそう思っていたとしても)あいまいで実態のない謝罪をさせても意味がないと考えているからです。

その代わり、ミスが起きた原因は、すべてつくった「仕組み」にあると考えます。自分が作ったのであれば、自分のつくった「仕組み」で動いているチームがミスを起こしたのですから、悪いのはその「仕組み」をつくった私自身です。

「仕組み」がないのであれば、仕組みがないせいで個人判断で問題を起こしたのですから、悪いのは「仕組み」を作って部下に浸透させていなかった私自身です。

他人のせいにするのではなく、自分が原因、仕組みが原因と考え、そして次にミスの起こらない「仕組み」づくりにエネルギーを注ぐことで、よりプロセスの品質は向上し、成功する組織および会社になっていくと私は考えています。

だから、私がマネージャーや管理職の立場として、今までに最もよく使ってきたフレーズは

 「じゃあ、次からどうしようか」

です。

そして何より、そういう努力に心血を注ぐ会社が少ないことを、私自身、転職を3度行い、大中小様々な客先の常駐も何十としてきたからこそ、嫌と言うほど知っています。

だから、改善する仕組みを早期導入し、他社と比べてより無駄や失敗の少ない企業にするだけで、『同じ仕事を依頼するのであれば当社』と言えるほどの差別化が図れると自信を持って言えます。

実際、今の会社に入る前までは、エンジニアとしてもリーダーとしても、マネージャーとしても、顧客からは、「他人より自分」、「他チームより自チーム」を優先的に評価していただいてきました。少なくとも、同じステージに立つ同業他社よりは、間違いなく高い評価を受けていたでしょう(チームとして。個人としてはどうかなぁ…?)。

どんなに仕事に対して真面目に取り組んでいても、「がんばります」「あいつは頑張ってる」という具体性のない言葉で済ませたり、「彼は几帳面だから大丈夫」「誠実だから大丈夫」などと個人の能力に頼りきるのはやめましょう。

それは、仮に成功要因の1つとなるとしても、所詮直接的な要因になることはありません。何1つ現状の組織やチームが抱える問題を解決しない・するための行動に出ていないことを表すだけで、わかる人が見れば、むしろプロジェクトチーム全体の活動として見た場合、ただの不誠実にしか見えません。

大事なことは、自分の抱えている仕事に、個人依存しない「仕組み」をつくることです。そして、そのためにスター度奪取したいなら、まずは「模倣」から始めることです。

いただいたサポートは、全額本noteへの執筆…記載活動、およびそのための情報収集活動に使わせていただきます。